「日本の発展、九州の発展〜官邸と地域の新たなコラボレーション〜」 後編 

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「一つの九州」という大きな旗を立てるべき(高島)

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堀:現在の九州では福岡市の一人勝ちになっているということも伺う。そこで他の地域と比べてみると、たとえば中京地域や大阪地域にはトヨタやパナソニックといった地場企業も多いが、九州にはそうした企業が少ないとも感じる。半導体に関しても地場以外の企業が九州で生産していたものの、韓国・台湾・中国の企業に負けた結果、九州には専門化された半導体企業しか残らなくなったという面もあると思う。そうした状況から経済的な自立性を高めるため、何をすべきだろうか。九州で産業と雇用を生みだすため何が必要で、それを国家はどう捉えていくべきだとお考えだろう。(46:07)

古川:新産業ということで今浮かんだのは、ケンコーコム、ジャパネットたかた、ドモホルンリンクル(再春館製薬所)等、九州に拠点を置いて全国展開する通販系企業だ。元々、東京や大阪から距離があるということで始めたビジネスが上手く行った面はあると思う。その意味で、地方でも仕事をしやすい環境をつくることが何より大事ではないか。(47:25)

高島:福岡市はコンテンツにも強みがあると思うが、九州全体で言うと、裾野の広さという面で観光が大きな産業になると思う。道州制の議論もある昨今だが、これは現実的な問題だ。実現までの政治プロセスを考えると先は長いが、そうした制度ができなくても、九州の人々が本気で自分たちのメリットを活かしながらやろうと思えばできると思う。北海道は九州より広いにも関わらず、旭川チーズや釧路チーズといったものでなく、北海道チーズというブランディングをしているから強みが出る。しかし、九州のほうは「九州は一つ」とはよく言われながら、現実にはそうした連携が今ひとつという現状がある。観光施策にしてもなかなか一体感を持って進めることができていなかった。しかし今はJR九州でも「ななつ星in九州」というものをつくっていらっしゃるし、これは一つの九州として大きな旗にもなっている。もっと一体化を進めていけば、「九州と言えば、桜島、阿蘇の大自然、別府の温泉、佐賀のごん狐、福岡の天神に中洲、等々」ということにもなる。そうした連携は大きな課題だと思う。(48:22)

もう一つは農業だ。先日パリに行ってきたが、パリでミシュランの星を獲得した(日本人)シェフが10人のうち、4人が福岡出身だという。で、あちらへ行かれた方々に聞くと、「こっちで“いい野菜が入ったぞ”と言われて食べてみると、確かに美味しい。けれども、“これって九州で食べていたのと同じだよね”と思う」そうだ。九州の人々は知らず知らずのうち、世界最高水準の食事を食べている。野菜もお肉も魚も最高に美味しい。ただ、食や農業という分野では、海外へ出すのであれば確実に一定量を納めないといけない。「今日は天候が悪かったから野菜を出せません」程度の量では海外マーケットに入っていくことはできない。従って、「これはうちの農協だ」、「いや、それはあっちの県がやっているから」という競い合いを止め、九州で一つになって農業ブランディングをしていく必要がある。天候によって生産地を分けながら最も高く買ってくれる市場へしっかり農産物を出すことができたら、大変な産業になると思う。(50:11)

とにかく市町村に任せてほしい(古川)

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堀:安倍総理がダボス会議で「自らドリルの刃になり既得権益を壊す」と仰っていたこともあり、その辺の期待感も強い。強固な岩盤規制に対して、地方からも「ぜひ変えて欲しい」と声を挙げることで、農業分野も変えることができるのではないか。そんな風にして日本全体へ広がるような先進事例が九州から数多く出てきて欲しいと思う。武雄市図書館がそうだ。初めて見たときはぶったまげた。「こんなことをしていいの?」と(笑)。で、そこで鍵になると思うのが、たとえばハウステンボス澤田秀雄社長のような外部の方々との結びつきだ。澤田社長は九州に大変なノウハウを投入なさったと思う。東北の被災地を廻っていたとき、「改革には、“ヨソ者”、“ワカ者”、“バカ者”が必要だ」という話を聞いたことがある。そこで、さらに教育とベストプラクティスをテコにしながら進めてみてはどうかと思う。また、「九州はアジアのゲートウェイ」ともよく言われるが、アジアで活躍する九州発の企業も少ないので、アジア戦略のベストプラクティスも共有できるようになればと思う。(51:54)

あと、官邸とどのように結びつけていくかも議論してみたい。「官邸とこのように繋がりたい」、「官邸にはこれをやって欲しい」といったことがあれば。アラジンのように願いを叶えて貰えるとしたら、何をお願いするだろう。(55:04)

高島:まず、グローバル国家戦略特区に福岡市を認定していただきたい。たとえば私は社会に出てからというもの、給料が下がった経験しかしていない。「右肩上がり」なんていう言葉は知らないし、一万円札でタクシーを呼んだこともない世代だ(会場笑)。ところが外に目を向けてみると、他のアジア諸国では同世代の人々が夢を持ってチャレンジしている。当然今は行政の長として現状にもきちんと対応するが、今の想定に抗いたいという気持ちもある。そのために日本の係数を変え、想定を超えていかなくてはいけない。良い意味の想定外をつくりたい。では、そのためにどうすべきか。新しい価値を生み出すしかない。新しい企業やサービスを生み出すためのチャレンジをする人間が増えなければいけない。そのためにも、「自分が新しい価値をつくって世界一になるんだ」というチャレンジングな子供を教育分野で育成して、起業しやすくする社会にする必要がある。そして、一度起業したら世界ともどんどん繋がって、海外マーケットに出ていけるような後押しをしていくべきだと思う。(55:20)

それともう一つ。「現場でプレーヤーが揃っていて、かつ行政も一体となって進めることができる」という一定の条件を満たした地域には、チャンスを与えるような仕組みをつくって欲しい。今は特区構想以外にも規制緩和メニューが数多く提示されている。ただ、それで国が決めたとして、「それをどこが実行するの?」と。現場がなければ意味はない。一方、私達がそこでプレーヤーを揃えることができて、かつ本気度と継続度があってケアもしっかりできる状態にしても、今はそこから官邸に話上げる仕組みがない。従って、現場にプレーヤーが揃った領域から制度をしっかりつくっていくというような、下から上がっていくような仕組みができないかと思う。(57:14)

古川:僕の言った通りにして欲しい(笑)。規制の話でも同様だが、僕らは具体的に困っている。たとえば「バイオで良い話があるから今ここに立地させたい」という話を九州農政局にしようとしても、話を聞いて貰うだけで半年かかる。その間、担当の方はその話がなくなることと、自分が転勤することの二つを日々願っておられる(会場笑)。彼の気持ちも分かる。日本は農地の獲得目標というものを決めているが、それを県がつくる際、最初に控え目な数字を出すと「こんな目標じゃ駄目だ。今荒廃地になっている農地を再生する目標をつくれ」と言われる。それで僕は当初、「そんなことできない」と断ったのだが、こっそりと手を握ってしまっていた。そういう数字の積み重ねで日本の農地目標が決められている。しかし、農地が本当にどれだけあるかを把握している市町は、実は半分もない。国に出しているのは「去年よりも幾ら増えた」といった足し算や引き算の数字だ。ある地域で実際に調べてみたら、それまで出していたものより小さな数字が出たこともある。恐らく平成の太閤検地をやればまったく別の数字が出るだろう。従って、とにかく街づくりのなかの、「この土地は何に使ったら良いか」といった部分に関しては、僕の意見すら聞かなくて良いから市町村に任せて欲しい。(58:18)

掘:樋渡市長はそのあたり、ある意味、勝手にやっているかもしれない。(01:00:30)

古川:彼が上手なのは、彼自身が役人をやっていたので「どこまでできるか」ということを分かっているところだ。(01:00:36)

掘:そういう人が数多く出てきたら既成事実化されるようにも思う。(01:00:47)

古川:彼がやっていることのなかで、「制度を変えなければできない」というものはない。だから彼みたいなのが出てくると、「ほら見ろ。規制のせいじゃないじゃないか」と言われる(会場笑)。ただ、たとえば教育に関しては、僕は「小学4年生から英語をはじめさせ、土曜はすべて授業に」なんて言ったりするが、それを知事の権限で決めることはできない。逆に、「変なのが首長になると困るから」と、教育に関して首長の権限は強めないほうが良いという議論に今はなってしまっている。(01:00:50)

九州が生き残るために福岡というハブの強化が不可欠(高島)

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堀:では、そろそろ会場にも振りたいと思う。(01:01:47)

会場(瀬尾傑氏・「現代ビジネス」編集長):これまでの日本は経済成長とともに「国土の均衡ある発展」を進めてきた。ただ、今後は効率化が必要ということで、たとえば「九州は福岡県に、佐賀県は佐賀市に集約すべき」、果ては「コンパクトシティに集約すべき」といった議論も出てきた。この辺についてどうお考えか。(01:02:04)

会場(石原進氏・九州旅客鉄道株式会社取締役会長):「50年後、日本の人口は4100万〜4200万人減少する」といった予測も今はなされている。このままでは生産年齢人口が減少し、若い人達が年寄りを養うこともできなくなる。人口問題によって日本は潰れるかもしれないという危機感を持たなければいけないと思うが、それに対する国の政策が見えてこない。この問題に関して御二方はどうお考えだろう。(01:03:03)

高島:国土の均衡ある発展は現実的に無理だと、私も思う。ただ、それは生活水準が下がるような地域も出てくるということだ。選択と集中をするということは、その地域なりの生活をするという話にもなる。それをどう捉えるか。で、私としては福岡に九州のいろいろなものが集まってきている現在の状況を、さらに推進していきたい。これから九州という地域全体が生き残っていくため、福岡というマーケットそしてハブが不可欠だから。九州各地でつくられた素晴らしいプロダクトを福岡に集め、東京や世界に高く売っていくためのハブ機能を福岡は担わなければいけない。それが自分たちによる選択と集中の結果であれば納得がいくと思う。これから“均衡ない発展”をするのであれば自助努力は不可欠だ。その意味でも、やはり権限と財源の委譲を速やかに進めていただき、選択と集中を進めていく必要があるのではないか。(01:05:31)

お金が欲しいのではない、「責任」が欲しい(古川)

古川:国土の均衡ある発展というのは公共投資のキャッチフレーズだった。で、これは公共投資を今後どのようにしたら良いかという話になるが、私は東京では民間がやれば良いと思う。単に道路をつくるだけではなくビルもつくって、税収も雇用も付加価値も生み出すようにしていく。そこで規制緩和を行って、投資しやすいような環境をつくり出すことで廻っていくと思う。そこは、あまり国や都の租税で賄う必要はないのではないか。そうしたほうが良い地域はそのようにして、一方でどうしても公共がやらなくてはいけないものは公共がやるということに、まずはして欲しい。(01:07:41)

そのうえで、今までのようにひたすら拡散していく時代はもう終わっているから、なるべく街のなかに人も機能も呼び戻したい。ただ、これは本当に大変だ。たとえば市町村合併を行うとしても、中核都市の周辺地域から選出された議員さんは多い。コンパクトシティで喜ぶのは中心部で選出された議員さんだが、数が少ない。政治的にはそんな問題がある。また、先ほども申し上げた通り、街の風景を変えていくことについても権限が与えられていない面がある。我々はそんなにお金が欲しいと思っている訳ではなく、責任が欲しい。こういう道を選んだ結果として良くなったか否かという話をするとき、「国が悪い」と言うのでなく、「自分たちで選んだことだから仕方がないよね」と言えるようにするためにも、ぜひ責任を取らせて欲しい。(01:08:50)

あと、人口問題については先ほど挙げた通り、本当に、とんでもないことになると思う。皆がこの問題意識を共有して考えなければいけない。で、これについても今の話と同じだ。たとえば福岡市には待機児童がいるから、安倍政権の「待機児童をゼロに」という政策は功を奏するだろう。ただ、佐賀県は元々ゼロ。だから「勝手に待機児童ゼロ対策なんて言うのは止めて欲しいな」と思う(会場笑)。少子化対策のための交付金で何をするのか聞かれたら、私はまず既存の保育所で休日保育を義務化する。深夜にできるところも増やしていくし、障害を持ったお子様を見る施設も同様だ。けれども、それだけではないと思っている訳で、とにかく我々に任せて欲しい。(01:10:06)

労働生産性、労働参加率のアップ、外国人労働者の受け入れが成長のカギ(世耕)

堀:では世耕さんに伺おう。今回、初の地域会議開催で現場の声がひしひしと上がってくる感じがした。本セッションでは大きく分けて4つの視点または議論があったと思う。まず、「地域でどのように経済を発展させるか」。また、「特区を活用して規制改革を行いたいので、福岡を入れて欲しい」というお話。そのほか、「人口減に対してどう対応していくか」、「国土の均衡ある発展という方向は今後も続くのか」という問いもあった。そのあたりを含めて世耕さんからお話しいただきたい。(01:11:05)

世耕弘成氏(以下、敬称略):今日は図らずも東京に残ることとなってしまったので議論内容はツイッターでも拝見していたが、まず、官邸と地方は決して対立構図にある訳ではないことを申しあげたい。私自身、人口減や過疎に苦しむ和歌山から選出された議員だ。常に地方と中央の関係やバランスを考えて仕事をしている。(01:12:22)

そうした前提のうえでご提示いただいたポイントについてお話をすると、まず経済発展・経済成長に関しては地方も巻き込んでいかなければ本当の成果は出ないと考えている。ではどう巻き込んでいくか。正直、我々としても確かな処方箋がある訳ではない。自分の選挙区でもこれを言われると一番困るのだが、よく和歌山に帰ったとき、「世耕さん、アベノミクスのことは分かった。東京は調子良いらしいね。それで和歌山にはいつ来るの?」と、よく言われる。私はそこで、「そんなことを言っていたら絶対に成長の波なんて来ないですよ」とお答えしている。成長の波を自ら掴みにいくチャレンジの精神や覚悟がないと、今回、地方に成長の波は来ない。今はもう、以前のように循環で景気が浮き沈みするような段階ではない。アベノミクスによる成長の波に乗ることができるか否かは、それぞれ地域の頑張りにもかかっていると思う。我々はそれをしっかり応援するという形でやっていきたい。(01:13:49)

で、2点目の特区についてだが、官房副長官という立場で軽々なことは申し上げられない。これから3月末に向けて、「どこを国家戦略特区に指定するか」という大きな山場を迎えるし、現在は諮問会議も立ちあがっている。そこで、「本当にできるのか。やる気があるのか。具体的なプランを持っているのか」と、かなり厳しい目で問うて、そのうえで最終的に地域を決定していくことになると思う。従って、福岡からもぜひ手を挙げていただきたい。官邸に来ていただいても結構だと思う。ほかの県の方々は、「自分たちはこういうことをやりたい」ということで、結構いらしている。私に権限がある訳ではないからそれでどうこうという話ではないが、「あ、それなら法的枠組みを新たにつくらないといけないですね」といった話をさせていただくことはある。ぜひ頑張って手を挙げていただいて、チャレンジしていただきたい。(01:15:08)

(編集部注:3月末、福岡市が国家戦略特区に選ばれました。福岡市のホームページ)

それと人口減の対策だが、これはアベノミクスにおける成長戦略のなかでも、海外のマーケットが最も厳しい目で見ているポイントだと思う。だからこそ、総理のダボスにおけるスピーチでもそこにかなりの力点を置いていただいた。世界の投資家の常識として、人口が減っている国、もっと言えば労働力人口が減っている国で、経済成長が起こったことは過去にないという認識がある。中国やインドが今成長しているのは、基本的には労働力人口が増えているからという面が大きい。そのなかで我々は2%成長を世界にコミットしている訳で、そのコミットと労働力人口減少とのギャップをどう埋めるのか、世界に示していかなければいけない。答えははっきり申し上げて3通りだ。その3つをどのように組み合わせるかという話になると考えている。(01:16:15)

一つ目は、一人ひとりの生産性を高めること。人材一人ひとりのパワーをもっと高めていく。あるいは、非生産的分野というか、もう成長が望めない分野で働いている方々に成長分野へ移っていただく。で、2点目は労働参加率を増やすということだ。ここで、まさに女性の活躍というアベノミクスにおける一つのキーワードが出てくる。女性や高齢者にもっと柔軟な形で労働に参加していただき、労働参加率を高めたい。そして3点目は外国人労働者を受け入れだ。この三つを組み合わせ、人口減のなかでも成長していく姿を示していかなければいけないだろう。(01:17:27)

また、「国土の均衡ある発展」は、我々も見直しをしていきたいと思う。道州制ということが今はあちこちで議論されているが、道州制にはある程度の覚悟が必要だ。九州であれば福岡が幹事役になって各県の特徴を出していく形になるだろうと思う。実際、今は人口1万人未満の地域でも福岡市と同じような行政サービスを求められている。しかし、我々は新しい政策として「それは見直していこう」と。人口20万人ほどの町を幹事役にして、その幹事役に周辺の5万あるいは1万〜3万人という町の面倒を見て貰う。「もう、うちの町は図書館を維持する力はない」となれば、「分かった。じゃあ図書館はうちでつくるから、そこにそちらの方々も来てくれ」という形だ。さらに踏み込んで社会保障についても少し、幹事役が他の小さな町を見ていくといったことも考えなければいけない。どこへ行っても同じような風景があり、同じような行政サービスがあるという状態から一歩踏み出すことも、安倍内閣は視野に入れている。(01:18:18)

自分事として沖縄問題へのコミットを(古川)

堀:では時間も迫ってきたので、最後に一言ずつコメントをいただきたい。(01:19:56)

古川:世耕さんのお話はまったくその通りだと思うので特に反論することはないが、私としてはもう一つ、問題意識としてぜひ官邸に申し上げたいことがある。これは九州・沖縄サミットだ。沖縄問題について本セッションで議論していなかった。しかし、普天間をはじめとした米軍基地をどうするかという問題を含め、沖縄が引き続き日本であり九州の仲間であり続けるためには、自分事として沖縄の問題にコミットしていかなければいけないと思う。私は社会人になってから最初の2年間を沖縄県庁で過ごしており、沖縄の悩みや魅力等、いろいろと自分なりに感じているつもりだ。ぜひ、九州・沖縄サミットで、そうした部分も皆様と共有できたらと願っている。(01:20:13)

「フルセットから共有へ」、メトロ福岡構想を推進(高島)

高島:国土の均衡ある発展について、福岡の事例をご紹介させていただきたい。私達は今、「フルセットから共有へ」というコンセプトのもと、福岡市を核として9市8町の周辺自治体を含む「メトロ福岡構想」という取り組みを進めている。福岡市は政令市のなかで唯一、一級河川がない街だ。断水や潅水が多く、常に水で困っていた。それを克服するため、今は久留米の筑後川から水をいただいている。そして、周辺9市8町で一緒になって水を供給する必然性があったため、実は40年以上前から連携を進めてきた。事業組合を一部でつくり、実際に事業を行ってきた訳だ。従って、今もごみ処理や水の供給といった諸々の施策を都市圏の皆様と一緒に行っている。私はそれを「メトロ福岡構想」という形でさらに進めたい。(01:21:47)

これは市町村合併ではない。各自治体は各自治体のまま。ただ、たとえば高齢者が徘徊をしてしまったら、その方の顔写真を福岡都市圏全域でご登録いただいている協力者様へ一斉にメールで送り、それで皆で探す仕組みだ。観光分野でも、たとえば9市8町の情報を集めたスマホ用の観光ナビをつくったりしている。成長戦略だけでなく、防災無線でも具体的な取り組みを行っている。消防本部は福岡都市圏に現在7箇所あるが、その消防無線指令センターを一元化しようとしている。財源が縮小しても、従来と同品質のサービスを求める住民の皆様にお応えするための、「フルセットから共有」というコンセプトだ。さらに言えば、今は九州の全首長が集まる九州市町会で、道州制に向けた九州府構想というものもまとめられている。まさに世耕さんが仰っていた、中核都市が中心となってその周辺をカバーする取り組みだ。(01:23:12)

安倍外交に自治体巻き込み、成長エネルギーを海外から日本へ(世耕)

世耕:沖縄の負担軽減は九州・沖縄だけの問題ではない。全国でも、たとえば和歌山でも何かを引き受けるぐらいの覚悟で取り組まなければいけない問題だと思っている。また、九州9市8町の取り組みに敬意を評したいし、我々もこれからまさに、20万都市を核にして、そうした取り組みを行いたいと考えている。ぜひその経験等を我々政権のほうにもフィードバックしていただけたらと思う。(01:24:44)

御二方にはもう一点。安倍政権はこれから成長エネルギーを求めてどんどん海外へ打って出ていく。で、そのとき、今までは経済ミッションというと大企業の方に来ていただく形だったが、今後は自治体も巻き込んでやっていきたい。安倍外交に自治体も参加していただき、それぞれ国を担当したうえで成長のエネルギーを日本に持ってきていただきたい。現に私が担当しているロシアについても、現在は新潟県や北海道を巻き込んで進めさせていただいている。アジアはまさに九州・沖縄が玄関口だ。そんな観点でもぜひ連携していきたいと思っている。(01:25:15)

堀:チームジャパンあるいはオールジャパンと言うことだと思う。官邸・地方自治体・財界の方々が、文化人や学者の方々まで巻き込みながら全員で新しいものをつくりあげていく必要がある。改革精神と起業家精神を発揮して、樋渡さんのように次々進めていったうえで成功事例を全国に伝播させていきたい。とにかく九州の力で、「我こそは」という人達に次々とモデルケースを生み出して欲しい。そしてエネルギーが満喫するような、元気ある九州・沖縄にしていく。そんなテーマで以降のセッションも進めていこう。皆様、本日はありがとうございました(会場拍手)。(01:26:04)

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