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番外編――その舞台裏に迫る

投稿日:2007/09/19更新日:2019/04/09

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あすか会議は、これまで記事として紹介してきた数々のパネルディスカッションに加え、受講生自身がテーマ設定をして討議する「パワーモーニング」や、交流を深め、共に将来を語り合う食事会など、数々の感動や興奮で溢れている。ここでは「あすか会議2007番外編」として、あすか会議の企画に携わった受講生有志やグロービススタッフから寄せられた開催後記を写真と共にお届けする。熱い想いに満ちた、あすか会議の舞台裏を少しでも感じていただければ幸いである。

総括――金澤英明(全体統括/グロービス)

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遡ること約3年の2005年1月。とある会議に偶然、代理出席したところ、学長の堀が「あすか会議をやろう!」と言い出した。何でも、受講生の発案で高野山にフィールドトリップに出かけた際、皆で風呂に浸かりながら、堀が毎年参加しているダボス会議(世界経済フォーラム)の話で盛り上がり、「グロービスで是非、日本版のダボス会議を作ろう!」ということになったらしい。

堀や受講生がイメージする「あすか会議」が、どのようなものかも分からないまま、たまたま、その会議に出席していた私が担当者に任命され、急きょ、開催に向けて動き出すこととなった。しかも、「実施は3カ月後」という無謀なスケジュールだ。

凄まじいスピード感のなかで、受講生を中心とする委員会を結成し、講演者を決定し、全てを受講生との手作りで組み上げていった。そして4月。記念すべき第1回あすか会議が、日本文化発祥の地である奈良県飛鳥地方で開催された。

それから2年−−。当初70名から始まった参加者数は年々倍増し、今年はついに250名を超えた。噂が噂を呼び、いやがうえにも高まる期待に応えるべく、今年は大きく二つのチャレンジを行った。

一つはセッション企画の強化だ。グロービス社内から企画力のある者を集めて「創造」「変革」など6つのセッションを設計し、あとの2つは受講生から企画を公募。選考の結果、「食」と「文化芸術」を提案したチームに運営をお任せした。

もう一つは交流企画の強化。「250人という大規模でも、グロービスらしい熱く親密な相互交流を実現したい」と、集まった受講生有志による企画委員会が中心となり、何度も議論を重ね、「パワーモーニング」や「夕食会」などの企画が仕上がっていった。

そして当日。受講生の皆さんが目を輝かせ、経営者や教育者、文化人など、各分野の一流の人々と直接に触れ合い、また刺激ある仲間と唾を飛ばしながら志を語り合い、そして来年の再開を約束して飛び立つ姿を今年も見ることができた。企画に携わる者にとっては、これが、何よりの至福の瞬間だ。

多くの出会いを生み出し、熱く語り合う機会を創出する、あすか会議は、「志の再設定の場」とも呼べると思う。自分が何者か、これから何を成し遂げる者なのか、仲間や先輩との激論を通じて深く考えることを迫られた受講生が、10年後、このあすか会議に今度は講演者として参加してくれることを想像すると、今から胸高まる思いがする。

セッション企画――野田史恵(セッション企画リーダー/グロービス)

パネルディスカッションの企画は、2007年も明けた早々、2月に始まった。パネリスト候補者は第一線で活躍中の多忙な方ばかり。数カ月先の予定まで、ビッシリと詰まっているであろうことを考えると、実は全く余裕はない。本格的に依頼をかけ始めた3月に、同僚の結婚式出席のためハワイに行くことになっていた私は、結局、ハワイ滞在中ずっとオーシャンフロントの部屋でメールと格闘することになった。良いお返事がいただけるかが気がかりで、どうしてもPCから離れられず、一人、また一人とパネリストが決まるたび、心の中で、時には実際に歓声も上げながら、ガッツポーズを取った。

帰国後も、各パネルのテーマやバランスを鑑みながらの依頼は続き、全8セッション、約20名のパネリストが確定するまで、さらに2カ月を要した。企画責任者にとって、ここまでが最も胃の痛む期間だ。

同時進行で、登壇が確定したパネリストとの打ち合わせも進めた。多い時には日に2・3件、会議の趣旨やパネルセッションの内容をファシリテーターと共に説明して回る。大変そうだが、これが企画者の醍醐味。「なぜ、ここで転職されたのですか?」「今、トップとして、最も大事にしていることは?」など、直接、お話を伺いながら議論の焦点を掘り起こし、セッションを形作っていく。

「ああ、このお話を、私一人が聞くのはもったいない。ゼッタイに、あすか会議の全参加者に聞いてもらいたい」。パネリストを訪問する度に、私の「喋ってもらいたいことリスト」は増えていく。

カネボウ化粧品の知識社長にお会いした際には、開口一番、「お招きいただき、本当にありがとうございます」と言っていただき、「こちらが無理をお願いしているのに」と恐縮し、また感激した。知識社長はグロービスのアルムナイアワードも受賞された、グロービス卒業生の大先輩であり、そのお話は次代のリーダーを目指すグロービスの現役生に深く響くに違いない。星野リゾート星野社長からは、「あすか会議の将来像は?」と逆に尋ねられてしまった。グロービスが受講生と共に手作りで育んできた「場」を、我が事のように考え、気にかけてくださる方のいる嬉しさを、皆にも伝えたかった。

そして、いよいよ初夏の週末に行われた「あすか会議2007」は、今年も素晴らしいパネルディスカッションばかりだった。ファシリテーターは見事なプランニングで、私のウィッシュリストに並んだ話を次々と引き出してくれた。

スケジュールを調整し、スピーチを考え、パワーポイントを用意し、会議当日は昼夜なく受講生に語りかけてくれたスピーカーの皆さんの情熱には、本当に心から感謝の言葉を贈りたい。GLOBIS.JPの講演録でその片鱗をお伝えできることを期待している。

企画委員会――赤松重彦(ロジスティクス担当/グロービス)

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あすか会議は参加するのも楽しいが、作り上げるのはそれ以上に楽しい。昨年から2年続けて、グロービスのスタッフとして運営に関ってきた立場から、作り手の醍醐味をお伝えしたい。

まずユニークなのは、あすか会議が、受講生とグロービスのスタッフの二人三脚によって作り出されるイベントである点だ。

受講生の運営スタッフは、毎年3月頃に立候補によって選出される。今年は、約20名が名を連ね、東京GMBA2005期生の前田憲一さんが企画委員長に選ばれた。ちなみに、企画委員の選出にクラスの成績は関係なく(笑)、あすか会議に対する熱い想いを持った方にご参加いただいている。

選出された企画委員とグロービススタッフによる企画会議は4月頃よりスタートする。

東・名・阪をテレビ会議でつないでの議論は、笑いあり、クリシンあり(?)の白熱したものとなり、予定の時間内に終わることは、まずない。企画委員に手を上げられるのは、もともと優秀で熱いグロービスの受講生の中でも、とびきり熱い方たちばかりである。そのため、「こんなことがやってみたい」「さらにこうすればおもしろそうだ」と、議論は留まることを知らない。

議事録を担当する私としては4〜5時間に及ぶディスカッションは悲痛なのだが、仕事帰りやグロービスのクラスの課題提出前にも関わらず、夜を徹して集まり、積極的に発言される企画委員の姿を見ると、手を休めているヒマはないな、と励まされる。

今年はさらに、会場となる星野リゾート「リゾナーレ」の方までも企画会議に加わってくださった。会議のたびに、わざわざ山梨から駆けつけ、企画委員のアイデアの実現可能性について、その場で回答していただけるのはありがたかった。

そんな議論の中から、昨年まではなかったアイデアが色々と実現した。例えばグロービス専用SNSの活用、メールマガジンによる情報提供、グロービス各校でのワークショップの開催、パワーモーニングや夕食会といった交流企画の増強などが、それである(※その一つ、「パワーモーニング」については企画を担当された古津慶典さんに、以下に後記をお寄せいただいた。また、飛び入り参加で大好評を博した「グロービスのうた」やグロービスグッズの配布については、企画を主導された高橋健三さんに振り返っていただいたので参照されたい)。

また、あすか会議のシンボルである「旗」も委員長を中心にデザインを考え、今年は東名阪の受講生委員をつなぐ「スタッフTシャツ(通称・赤シャツ)」も自腹で作られた。このほか例えば、名簿や名札に工夫を凝らし、ひと目で所属やあすか会議の参加回数などが分かるようにして参加者同士の交流を支援するなど、企画委員の配慮は細部にまで及んだ。

これら企画に加え、グロービスでは裏方としてオペレーションのブラッシュアップにも力を注いだ。あすか会議を主催する学校側としてオペレーション面で受講生や講師、講演者などのお客様にご不便を感じさせるわけにはいかない。今年は、33ページにもなる運営マニュアルを作成し、当日もトランシーバーでスタッフが密に連携を取りながら会場間を走り回った。おかげでリゾナーレでは、ホテルスタッフに間違われる場面も多かったが、大きな事故もなく無事に閉会を迎えられたのは、会場内外で一緒に頑張ってくれたスタッフのおかげだと、心から感謝している。

企画から準備物まで、至る所に企画委員の想いがこもったあすか会議は、今年も、最高の盛り上がりのなか閉幕した。達成感や成長や生涯の友を得て企画委員会も解散。半年後には、もう次のあすか会議の企画委員募集が始まる。来年も、「より楽しく、より自分達らしいあすか会議を作り上げたい!」という志士達と、アジアで一番熱い夏を過ごせることを楽しみにしている。

パワーモーニング――古津慶典(パワーモーニング企画リーダー/東京GMBA2006期生)

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パワーモーニングおよび早朝企画(以下PM)は、13テーマに延べ220名、あすか会議参加者の8割以上が集まる、当初期待を大きく上回る参加率で幕を閉じた。

パワーモーニングは、あらかじめ設定したテーマについて、受講生同士が討議する朝食会であり、早朝企画は、それより更に早い時間からの合気道による心身鍛錬の場である。いずれの企画も、前夜遅くまで大いに盛り上がったにも関わらず、多数が集まり、白熱した。

とりわけパワーモーニングの議論は、講演者などVIPの飛び入り参加を得られたこともあり、「他のテーマの議論の声が大きすぎて、自分達の声も釣られて大きくなっていった」(参加者アンケートより)ほどの、熱い内容となった。

13テーマに上手い具合に参加者が分散したことから見て、テーマ設定も受講生の関心を的確に捉えるものであったと企画一同、振り返っている。

このPMのテーマ募集は4月末に始まった。集まったテーマの選考や、その後の詳細な企画にあたったのは、東阪名の受講生4名を中心にグロービスからのサポートスタッフ5名を加えた全9名。今回は、5月半ばのテーマ選考から、残り2カ月弱をかけての準備、当日の運営までの全てを受講生が主体となって行う初の試みであったため、右往左往することも多かった。

それを何とか乗り越えられたのは、数多くこなしたオンサイトミーティングや連日深夜まで行なったインターネットチャット(海外出張が度々重なったためこれはとても役立った!)を通じてチームワークを醸成できたことが大きかったと思う。自然と役割分担ができ、お互いが誰に何を言われるでもなく必要な動きをするようになったおかげで、忙しい準備期間や当日の運営の際、幾度となく助けられた。

私たちPM企画チームが準備段階で特に気を使ったのは、PMの各テーマリーダーに準備から当日の運営までを楽しんでいただくこと。このため、私たち企画チームは、黒子としてまたメンターのような存在として裏方に徹することにした。

また、今回のPMをきっかけに、同じテーマで話し合った受講生同士が将来に渡り、交流を続けられる関係を作れたら・・・という期待をしていたため、グロービス側や当日の会場との間で調整が必要な事柄が生じた時以外は、企画チームからの干渉は極力減らし、PMテーマリーダーの企画やアイデアの自主性にお任せするようにした。

一方、PMは、セッションの聴講が主体となるあすか会議の中では、受講生が自ら企画し、主人公として運営するという意味で非常にユニークな存在であるため、あすか会議参加者全体を巻き込むよう、初日の夕食会でテーマごとのプレゼンバトルを設けた。一種、学園祭のような雰囲気で盛り上げ、PMテーマリーダーに翌朝の議論に人が集まるよう宣伝してもらおうと考えたのだ。そのためのアイデア出しのミーティングは幾度となく行い、それは時に深夜にまで及んだ。

苦労や小さな反省は多く、ある企画でPMテーマリーダーがギリギリまで決まらず、あわやテーマがキャンセルという状況になったときは肝を冷やした(これは、数名の受講生に交渉し、なんとかあすか会議3日前に快諾いただけた)。また、使用設備に制約条件があり、PMテーマリーダーのリクエストに全ては応えられなかったり、準備不足から、あすか会議参加者への広報・啓蒙を周知徹底できなかったりしたことは、悔いが残る。

ただそれらも、多くはPMチームリーダーの皆さんがリーダーシップを発揮して解決策を見出してくださり、何とか乗り切ることができた。幾つもの「ピンチをチャンスに変えた」瞬間があり、私たちのとっては、それが大きな収穫だった。

来年も「ぱわ〜、ぱわ〜、ぱわ〜、パワーモーニング」の歌声が会場に響くことを期待しつつ、PMチームリーダーの皆さん、サポートいただいた、あすか会議企画委員の皆さん、そしてPM企画チームの仲間に、この場を借りて、深くお礼を申し上げる。

【早朝企画テーマ】

(1)自分の身は自分で守れ!合氣道、古武術、少林寺拳法体験入門

【パワーモーニングテーマ】

(2)ファミリービジネス(同属企業)のマネジメント

(3)明日の医療を変えよう!

(4)((2)テーマ合同企画)

「未来創造」のためにMBA生ができること

0歳からのMBA??−新しい教育ビジネスのモデルを考える-

(5)勝手に、グロービスの事業戦略!

(6)企業変革、企業再生

(7)元気なミドルとして、会社の部下、後輩、若手に、生き生きとした人生を送ってもらうにはどのように行動すれば良いか?

(8)ワークライフバランス

(9)「10歳からのキャリアプラン」〜仕事の楽しさを子供に伝えよう!〜

(10)リーダーの食

(11)環境ビジネスでグロービス初のソーシャルベンチャー(社会起業家)を目指そう!〜アルムナイ活動『Eco Safari(旧環境ビジネス探偵団)』〜

(12)「吾人の任務」を語ろう会!

(13)「歴史」〜歴史人物から学ぶリーダーシップ〜

グロービスのうた――高橋健三(第1回あすか会議実行委員長/大阪GMBA2004期生)

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第1回は委員長として、第2回は文化芸術セッションの企画メンバーとして、参加してきたあすか会議を、3回目はどんなネタで盛り上げるべきか?

検討に検討を重ねた結果、答えは別プロジェクトとして進めていた「グロービスのうた」に辿り着いた。

そもそも「グロービスも学校として校歌やスクールグッズが欲しいよね」という話からスタートしたグロービスグッズ&ソング制作委員会だが、どうせお披露目するなら東京、名古屋、大阪の受講生が集まるあすか会議の場で発表しようということになったのだ。

グッズは貴重なセッションを記録するための「レポートパッド」と広いリゾナーレの会場で活躍する「トートバック」を製作し、当日受付で配布。思わぬ参加記念品に「こんなんもらえるんですか?」と喜んでもらった。しかし、これはまだまだ序章である。

「グロービスのうた」のほうは、受講生の共感を得る歌詞にするため、委員会メンバーで連日、検討を重ねて作詞し、生ギターの伴奏で歌ってはその出来を確認。仕上がった曲は、スタジオ録音し、手作りのCDが完成した。

大阪からバスで会場に向った受講生が、にわか合唱団員となり、お揃いの赤い蝶ネクタイを付け、夕食会でこの「グロービスのうた」を元気一杯にお披露目した。おまけに「カラオケビデオ」ならぬ「カラオケパワポ」まで準備。会場からは大きな拍手とともにアンコールまでいただき東京、名古屋、大阪からの受講生だけでなくパネリスト、講師、スタッフまでもが一体となり、まさに深い共感と熱い交流を生みだした瞬間となった。

ステージから降りた後、星野リゾートの星野佳路社長から「うちの歌も作って欲しいぐらい」というお褒めの言葉もいただき、翌日は会う人会う人に「大阪のパワーは凄いですね」と言われるほど、大阪校の存在感をアピールできたことも大きな成果となった。

しかし、「うた」まで作ってしまったとなると、来年は更なる期待が課されることは必定。今から、「次は、どんなネタで勝負に出るか?」と、なかなかの難題に頭を悩ませている(笑)。

あすか会議2007企画委員(敬称略)

【受講生】

■委員長:前田憲一

■交流企画:

交流企画リーダー:木村剛志

パワーモーニング:古津慶典(リーダー)、上村裕彦、佐藤雅昭、都筑章

夕食会・フェアウェルランチョン:谷鉄也 (リーダー)、木村喜広、野呂由香子、藤原健吾

拠点別イベント:前田憲一(東京)、藤原健吾(大阪)、磯貝剛成(名古屋)

■セッション企画

文化芸術:吉田聡志(リーダー)、謝林、高橋健三(サポート)

食:原田昌範(リーダー)、田中博文、寺井真紀子、前田憲一(サポート)

【グロービススタッフ】

■全体統括:金澤英明

■セッション企画:野田史恵(リーダー/創造、キャリア)、松村真美子(グローバル)、川上慎市郎(変革)、児島剛(教育)、加藤小也香(哲学)

■交流企画:金澤英明(リーダー)、西村美也子、渡辺祐介、赤松重彦、小比賀由紀、平山宗隆、谷口学

■事務局:野田史恵、浜崎真由美

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