ビジネスに役立つ情報キャッチ力を上げる方法 

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執筆:田久保善彦(グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長)

忙しいビジネスパーソンが、ビジネスに役立つ情報を効率的に収集するためにはどうすればよいでしょう?「読書の学びを最大化するための4つのポイント」では、本からのインプットを高め、学びを最大化する方法をお伝えしました。今回は新聞やネットからどうインプットしていくかについてお伝えします。

新聞を読むことで情報に広がりが出る

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新聞は今日何が起こったのか、先週何が起こったのかといった、ある断面を切り出したニュースを掲載するものです。そのため、その記事を読むだけで内容を理解できるというわけではありません。例えば日本経済新聞では、当たり前に難しい単語が使われており、そこだけを読んでもちんぷんかんぷんになってしまうでしょう。新聞はある程度継続して読まないと流れをつかめないものです。1つか2つの新聞を決めて時系列に沿って読み進めていくことが大切です。

また、最近ではネットのニュース配信で切り出された記事だけを見ることができますが、私はネットの記事を読むと同時に、紙の新聞も読むようにしています。紙の新聞だとサイズが大きいため、自分が目に留めた記事以外の情報も頭に入ってきます。自分がそもそも関心を抱いていなかった情報にも気を配ることで、世の中をよりよく見ることができるようになります。ネットのニュース配信みたいにきれいに並びすぎていると、そうした余計な情報がなかなか入ってきません。本屋で本を探す際にも、同様のことが起きます。リアルの本屋に行くと、ネットの本屋とは違っていろいろな本が視界に入るため、必ず新しい発見があります。また、言葉を調べる際にも、ネットであれば言葉の意味だけしか分かりませんが、紙の辞書だとその周囲の言葉にも気付かされます。このように、紙媒体のメディアが持つ広がりを楽しむマインドを持っていることが大切です。

また新聞の場合、大きいタイトルの見出しを追いかけるだけで、いろいろな情報を得ることができます。「月に何千円も払っているのだから最初から最後まで全部読まなきゃ」と言う人もいますが、朝刊の活字量は300ページの文庫本と同程度と言われるので、全部をまともに読んでいたら大変なことになります。時間を決めて、20分なら20分、30分なら30分、ざっと読める範囲の中だけでも読み進めることが大切だと思います。

さらに、新聞を読むにあたっては(新聞に限った話ではないですが)、数字をきちんと頭の中に記憶しておかなければなりません。仮に、なんとか株式会社の売上が何百億円になりましたという記事があったとしましょう。その時に、自分の会社の売上や利益が頭の中に入っていないと、これが大きいのか小さいのかわかりません。せっかくの情報も、単なる数字の羅列に過ぎなくなるのです。必要な情報が頭の中に入っていて初めて、こうした記事を読み解くことができるのです。自分の業界に関連する数字については、最低でも5個から10個は覚えておきたいところです。

同様に、日本の経済成長率は1%や2%を目標にしているという記事を読むこともあるでしょうが、そもそもその元になっている日本のGDPを知っていなければ話はできません。ざっくりと言えば、日本のGDPはだいたい500兆円くらいです。500兆円のGDPの国が1%成長することと、50兆円のGDPの国が5%成長することとでは、意味がまったく異なります。このように、新聞などでニュース性が高い記事を読む際には、自分の頭の中にフックになる数字を入れておくことが肝要です。

ネットの情報は健全な疑いの目を持って見る

今や、スマホやPCを通してネットから情報を収集することは欠かせません。しかしネットには、国が正式に発表している統計データもあれば、個人が書いているよくわからないブログまで、玉石混淆と言わざるを得ないデータが散らばっています。情報を信用する判断基準を確立することが、ネットの情報を取り扱う上で重要なポイントとなります。もっとも明確に線引きすることは難しく、経験を重ねる中で身に付けていくしかありません。例えば、ネットを使い込むうちに、業界の信頼できる有名人が引用しているサイトであれば比較的信頼できるなぁといった考えに至ることもあるでしょう。いずれにしても、ネットから情報を収集する際には、なるべく複数のサイトを見比べた方が良いです。また、複数の優良サイトからリンクが張られているサイトも大切です。

一方で、国の統計をそのまま鵜呑みにするのも危険です。私は以前に、三菱総合研究所という会社で10年間ほど働いていました。その際に、ある国の石炭の産出量に関する公的なデータを調査していたところ、明らかにおかしいと思うところがありました。そこでいろいろな側面より検討した結果、ある年まで調査対象となっていた場所とある年以降に調査対象となっていた場所が異なっていたことが明らかとなりました。このように、国のデータだからといって過信するのではなく、健全な疑いの目を持ちながらネットから情報を持ってくることが重要となります。

最後に、新聞やネットに限らず、世の中には多くのメディアがあります。しかし中には、「私は一切テレビを見ません」など、あるメディアを使わないと頭ごなしに決めている人が結構います。これでは、情報に対して目や耳を閉じていることと同様です。自分の五感をオープンにして様々なメディアに触れることで、思わぬところから思わぬ情報が得られることはしばしばあります。またそうすることで、自分の感覚が研ぎ澄まされることもあります。メディアに関してはある意味ミーハーになって、テレビや新聞、ラジオなど、様々なものに触れる機会を大切にした方が良いのではないでしょうか。

(本記事は、共著『27歳からのMBA グロービス流ビジネス勉強力』(東洋経済新報社)を元にFM FUKUOKAのラジオ番組「BBIQモーニングビジネススクール」で放送された内容をGLOBIS知見録用に再構成したものです)

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