MBA経営辞書「従業員満足」 

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従業員満足(Employeesatisfaction)

従業員の仕事や職場に対する満足度。ESと略される。この数字が低いと、離職率が高まる、仕事に対する意欲が薄れるなどで生産性が低くなりやすい。逆に従業員満足が高いと離職率は下がり、コミュニケーションコストが低下、生産性の向上にもつながるため、企業としては好ましい状態と言える。

とりわけサービス業では従業員の態度や意欲がサービス提供を通じて顧客に伝わりやすく、結果として顧客満足と従業員満足は相関することが多いため、サービス企業は顧客満足度を高めるためにも従業員満足を高めようと様々な工夫を行っている。

従業員満足を左右する要素は多岐にわたる。給与水準や待遇を良くするのはもちろん重要だが、それだけでは従業員満足は実現しない。また、やり方を間違うと、いたずらにコストばかりが上がることがある。

それゆえ、その他にも、仕事がしやすい環境を整備する、教育・研修を充実させることでスキルアップを図る、あるいは、管理職とのコミュニケーションやコーチングを充実させる、良き企業文化を醸成する、仕事のやりがいを感じてもらう機会をつくるなど、様々な手法を組み合わせることが多い。

近年特に重視されているのは、個々の従業員に仕事のやりがいを感じてもらうことだ。手っ取り早い方法としては、顧客の喜んでいる声を伝える、彼らからの感謝の気持ちを伝える、あるいは同僚からの称賛の声を伝えるなどがある。これはマズローの欲求5段階説の自己実現の欲求、承認の欲求に応えることにもつながる。

企業によっては、あえて独立を支援するような施策をうつことで従業員満足を高めることもある。米国のあるレストランでは、調理師の独立志向が強いことを理解したうえで、彼らにマネジメント研修を実施した。多くの調理師が独立した後、経営を分かっていないがゆえに行き詰ることが多いという理由からである。結果としてそのレストランの調理師たちの意欲は劇的に向上し、生産性は大幅に向上した。日本では、独立を促すリクルートの諸制度や、社員のフランチャイジー独立を支援するQBハウスやCoCo壱番屋などがこうした要素を取り入れているとも考えられる。

なお、従業員満足が高いことは好ましい状態ではあるが、それ自身が企業の最終目的ではないことには注意が必要だ。顧客に価値提供し、様々なステークホルダーを満足させながら良い経営結果を残し、それと同時に従業員満足が高まることが必要なのである。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約800語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

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