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コミュニケーション上手は○○のバランスがいい

投稿日:2015/06/08更新日:2019/07/26

ビジネススクールで論理思考や頭の使い方、物事の伝え方を教えている関係上、「コミュニケーションがうまくいかない」という悩みを受講者からしばしば聞きます。そもそもコミュニケーションがうまい人とは、どういう人を指すのでしょうか。業界や立場によって善し悪しやスタイルの違いがあるために一概には言えないでしょうが、あえて申し上げれば、「具体と抽象の往復」がうまい人のことを意味するように思います。

まずは自分の癖を自覚することが大切!

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コミュニケーションにおいては、パターン化できる癖というものがあります。
1つ目は、具体的なことばかり話してしまう癖です。たとえば部下指導においてありがちですが、「これがダメで、これがダメで、これがダメ」と、具体的な事象をとにかく指摘してしまいます。それはそれで正しいことではありますが、その項目が多いと、聞き手としても頭に入りづらくなります。

ビジネススクールにおいても、発表をする際に細かい具体的な事象をひたすら述べていく人がみられます。具体的に話すということ自体は良いことなのですが、「要するに何だ」ということが残りにくい。この、「要するに何だ」という部分が「抽象化」というスキルなのですが、それが欠けているということです。

2つ目はその逆で、抽象的なことばかりを話してしまう癖です。たとえば、「お前はこんなタイプだ」などと言ってくる人がいたとしましょう。しかしこの人はなんとなくこのように言ったものの、その具体的な理由を説明することができません。ビジネススクールの授業においても、ファクトの具体的な数字を上げることなく、ふわっとした発表をする人が見られます。概念的には分かりやすいのですが、具体的な話がないので、「それって、例えばどういうこと?」ということが伝わりにくい。こういう場合も多く見られます。

つまり、コミュニケーションにおいては、具体と抽象の「バランス」を意識することが肝要です。そこで、まずは自分が無意識にどちらの傾向をもっているかという点を客観的に意識することをおすすめします。

その結果、1つ目のパターンのように具体論ばかり述べてしまう傾向がみられるのであれば、「つまり」「要するに」というキーワードを常に頭の中に置いておくようにしましょう。これらを自分に問いかけることで、無理やり頭を抽象化へ持っていくのです。他方、2つ目のように抽象論が出てこないのであれば、「例えば」というキーワードを口癖にすればよいでしょう。そうすれば、自分の思考を具体論に無理やり導くことができます。このように、自分の癖に気付いた上で自分に対するキーワードを意識することが有効だと思います。

自分の癖がわからない時は視覚化してみる

自分がどちらのパターンの癖を持っているか客観的に把握することは、結構難しいものです。そこで我々は、具体と抽象の行き来をストラクチャーで表すというトレーニングをやっています。このトレーニングは、具体的には「ピラミッドストラクチャー」と呼ばれるものを作ることを通じて行います。最上段に、抽象的に自分が言いたいことを配置します。それを支える具体的なファクトを、その下に視覚化して書き入れます。このようにして自分が言いたいことのストラクチャーを意識していれば、シチュエーションや与えられた時間、話す相手によって、具体と抽象を往復しながら話の内容を変えることができるようになるのです。日頃から頭の中をきちんと整理しておくことが、とても大事なのではないかと思います。

※本記事は、FM FUKUOKAの「BBIQモーニングビジネススクール」で放送された内容を、GLOBIS知見録用に再構成したものです。音声ファイルはこちら >>

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