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囲碁の日本棋院の理事就任~「ニッポンの囲碁界の未来を決めるのは、あなたたちだー!!」

投稿日:2013/10/08更新日:2019/08/20

「日本棋院の理事になってくれないか?」とのお誘いを、囲碁の総本山的な位置づけである日本棋院の和田理事長より半年ほど前に受けた。僕は、迷った。僕の時間は限られている。他にもやらなければならないことがいっぱいある。一方日本棋院は、囲碁界は、衰退に向かっていた。

囲碁人口は減少し、スポンサーも激減したために棋戦が減り、収入も減り赤字基調で、日本のプロ棋士が世界戦で勝てなくなって久しいのだ。その状況を憂い、過去に財界の方々が「囲碁界のために」という崇高な気持ちで時間を使ってきたが、「棋士総会から追い出された人もいる」と言う噂も聞いていた。

「僕に務まるのだろうか?」。51歳の若さ(?)での理事就任は前例が殆ど無い。事実、今の理事は殆どが70歳代だ。そこで、友人のプロ棋士や囲碁界の人々に相談をすることにした。1) 理事をやるべきかどうか、2) やるとなったら何をすべきだろうか、という2点を聞いてみた。

数多くのプロ棋士や友人から、真剣なご意見をもらった。殆どが1) やって欲しいし、2) 様々な改革をして欲しい、だった。

僕は和田理事長と面談した際に生意気にも、「理事をやるからには、何らかのインパクトを囲碁界に与えたい。必要と考える改革を一緒に遂行して頂けるならば、喜んでやらせて頂きたい。一方、ただ単に外部理事として理事会に参加するだけならば、お断りします。やりたいことを、別途一枚の紙にまとめます。是非常務会の方を含めてご回覧お願いします」と申し上げた。そして、やるべきことを以下の通り、一枚の紙にまとめてみた。

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和田理事長

日本棋院の理事就任というありがたい機会を得たことに感謝申し上げます。一囲碁ファンとして日本棋院に関わってきた経験から、以下の制度面や意識改革ができるならば、自らもその方向に最大限尽力することをコミットした上で、喜んで理事を引き受けさせて頂きたいと思います。このまま囲碁界が、じり貧になっていくことに囲碁ファンとして、強烈な危機感を抱いています。

「日本棋院は、(主に)日本の囲碁ファンの為に存在する。そのために、棋院、理事会、プロ棋士が一体となり、囲碁の普及、世界戦で勝てる体制を整え、スポンサーを増やすべく、以下の3点に徹底的に取り組むものとする」

1.囲碁の普及活動の強化
2.囲碁を世界で勝てる体制にする
3.スポンサーを増やす

詳細は、以下です。

1.囲碁の普及活動の徹底的強化(囲碁人口を増やす!)

1) PRは、試行錯誤しながら数多くを打つ
・「囲碁大使」を任命して、囲碁を広めてもらう。例:辰巳琢郎さん、イチローさん、若田光一さん、太田裕美さん
・囲碁ゲームをGREEかモバゲーにつくってもらう。例.ゲーム「ヒカルの碁」
・ニュースやマスコミにもっと関心を持ってもらう。PRを増やす。井山裕太氏の6冠は絶好の機会
・コンピューターとの「電脳戦」を将棋に続き、囲碁でも実施する(囲碁における棋士の優位性を示せる)
・SNS(ツイッターやSNS)の徹底活用(ネット碁との親和性を活用)

2) 地道な普及活動の増強
・「囲碁と経営を語る会」やAMIGO等の20-40代をターゲットにした普及イベントの実施
・地方では、引き続き地道な指導員ネットワークとの良好な関係性をつくる
・大学・大学院での教育の継続(素晴らしい取り組みです。グロービスでも特別講座を開設すべく尽力します)

2.世界戦で勝つための制度設計(ここはもっと調査が必要です)
・院生にアマの大会への参加を許してはどうか(小学生の強いアマが、プロ棋士に行く事例が増えると思うので)
・「ナショナルチーム」は、とても良い発想。10代棋士の韓国・中国棋士との交流機会を増やす事が重要でしょう

3.スポンサーを増やす
・新興企業へのアプローチ(GREE、DeNA、ドワンゴ、松井証券等)
・スポンサーとなってくれている企業経営者によるアドバイザリーボードの組成(常にスポンサーの意向が棋院の経営に活かせるようにする)

また、常務理事の半数は、外部から或いは職員から登用し、棋士、職員、ファンが一体となって経営できる体制を構築することが肝要と判断します。まずは、囲碁人口を増やす。そのためにも世界戦に臨む体制を整え、財務基盤を強化する。そのためにも、棋院の経営体制を見直す。これらが重要かと思っています。

生意気ばかりで恐縮ですが、以上ご検討の程、宜しくお願いします。

堀義人

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そして、6月の総会で理事に正式に選任された。だが、僕は当初から決まっていた海外出張があったので、理事会を欠席せざるを得なかった。実感が湧かないまま理事に就任した。

「何ができるか? まずは明白に囲碁界が変わる兆候があることを見せる必要があるだろう」と考えた。ちょうど僕と同じタイミングで友人であり、且つ京大の先輩の辰巳琢郎さんが、評議員に就任された。「そうだ、新任理事・評議員のお披露目をする会」という名目で、イベントを実施しよう。そう思いつき、企画したのが、「日本囲碁界の未来を語る会」だ。

基調講演として和田理事長に、「囲碁界の現況」と日本棋院の取り組みを語ってもらい、そのスピーチを受けてパネルディスカッションを行う。モデレーターは囲碁界のスーパースターである吉原(旧姓梅沢)由香里さんに務めてもらい、プロ棋士のリーダー的存在である副理事長の山城棋士、新任理事・評議員の僕と辰巳さんとがパネリストを務めることにした。

積極的にプロ棋士の方にもご参加頂き、さらに囲碁ファンの方、囲碁指導者の方などにも声をかけた。ニコニコ動画とGLOBIS.TVでのイベント生配信も決まった。そして、当日を迎えた。「日本囲碁界の未来を語る会」には、何とグロービス東京校の会場一杯の150名の方が集まった。凄い熱気だ。

冒頭は和田理事長のスピーチだ。和田さんが理事長になってから明らかに囲碁界は変わった。無報酬でのご貢献に深く感謝申し上げたい。

「囲碁界の高齢化が問題だ。60歳以上が80%。70歳以上が60%だ。棋戦も25から18に減った。日本が主催する世界棋戦がゼロだ。今、囲碁界が劣化している。」

「だが、明るい兆しもある。世界戦で日本の棋士が勝てなくなったなか、井山棋士が世界戦で最近久しぶりに勝った。LG杯のベスト8に。小学校で囲碁を教える学校が9校だったのが24校、2年間で増えた。大学も20校まで増えた。」

「囲碁をする人の笑顔は、テレビゲームをしている人よりも輝いている。老若男女、誰とでも楽しめる(初めて囲碁を始めた中学生の感想文)。囲碁は人生を教えてくれる(外国人囲碁アマチュア)」。(日本棋院・和田理事長)。

これからパネルディスカッションだ。辰巳琢郎さん、吉原由香里ちゃん、山城副理事長、そして僕だ。「批判よりも提案を!」と言うG1ルールでの討議により、とても前向きな議論ができた。会場には、我先にと発言したい人々でいっぱいだった。アーカイブ動画でお楽しみください。

<日本囲碁界の未来を語る会>

そして、最後は行動宣言だ。「横のつながりを大切に、継続的に活動を」(辰巳琢郎・評議員)。「大学での指導者としてベストを尽くし経験を積みたい」(吉原由香里・六段)。「今日の議論内容を実行していきたい」(山城・副理事長)。「日本主催の世界戦を実現、新たなスポンサーを集めたい」(堀・理事)。

最後はやはり決めの台詞とポーズで、カメラ目線で締めくくった。前日に放映されたばかりのBS-TBSの番組「ニッポン未来会議」であるが、みんなこのポーズを知っていたのには、ビックリした。

最後にニッポン未来会議風に「日本囲碁界の未来を決めるのはあなたたちだ!」

最後に、出演者の皆さんでパチリ! 和田紀夫・日本棋院理事長、山城宏・副理事長、吉原由香里・六段、辰巳琢郎・評議員、堀義人・理事

参加者からのメッセージ。「『日本囲碁界の未来を語る』に参加。参加者の真剣さと前向きさが伝わってきました。そしてグロービス堀学長の話はとても説得力があり、何かできそうだという気持ちを抱かせてくれました。」

ツイッターでも多くの意見が寄せられた。「生中継拝見しました。自分にできることを考えよう、と啓発されました。TVが時代に追いついた感じがします。今後も期待しています。」の声。

何とニコニコ動画だけで、3万人以上の視聴者がいたという。凄い!
日本の囲碁界の未来は明るい!!

「ニッポンの囲碁界の未来を決めるのは、あなたたちだー!!」

2013年10月8日
一番町の自宅にて執筆
堀義人

P.S. ちなみに、本日は、盛りだくさんだった。午後3時からは、友人の辰巳琢郎さんに誘われて、ターナー展の開会式と内覧会に行った。辰巳さんが、音声ガイドに出演しているからだ。「君は見ているが、観察はしていない」というシャーロック・ホームズの言葉から始まる音声ガイドは聞きごたえがある。

何よりも圧巻なのが、ターナーの絵画が100点以上集まったことだ。「崇高」という言葉がピッタリであるほど自らの表現力を高め続けたターナー。自然現象の中に「崇高さ」を見出そうとしたターナーは、自然の中に神性を見出してきた日本人と重なる気がする。彼の生涯にわたる作品には、魂が揺さぶられた。

水彩画の色の鮮やかさは、岡野博さんの絵に通じるものがある。油彩画は迫力満点だ。光の描写に定評があるターナーの中で、僕の一番のお気に入りが、「レグルス」だ。光を見て失明した古代ローマ将軍レグルスが、最後に目にした景色を描いたという。太陽の眩しさと、周りの暗さとのコントラストが秀逸だ。上野の東京都美術館で2013年10月8日(火)から12月18日(水)まで。

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