ネット上の誤情報拡散問題、都立高入試の男女格差など|メディアアクティビスト 津田大介×佐藤千晶【ダイバーシティニュース】

津田大介さんのニュースピックアップ

1. 東京、大阪など9都道府県で緊急事態宣言が6月20日まで延長

東京で6月中旬~下旬解除となった場合、そのあと再び感染者数が伸び、オリンピック開幕後の8月上旬に第5波ピークが来るとの試算もある。そのピークを9月初旬にずらすよう開幕直前まで宣言を再々延長することはあり得る。ただ、そうなると基礎疾患を持つ方の多いパラリンピックへの影響が懸念されるし、飲食店に対しても一層厚い手当が求められる。

2. 朝日新聞と地方紙が社説で五輪中止を求める

北海道新聞や沖縄2紙に続き、朝日新聞が全国紙として初めて「中止の決断を首相に求める」と、強めのトーンで社説を掲載した。五輪スポンサーである朝日の論説はインパクトが大きく海外でも報じられている。水際対策も不十分と言われるなか、海外からの流入による市中感染拡大、ひいては医療崩壊の状況でオリンピックを楽しめるかというと、なかなか難しい。6月中旬までになんらかの政府判断が必要かと思うが、開催の場合は無観客もやむなしかと思う。

3. 自民保守派の反対で性的少数者の「理解増進法」提出が断念

差別解消に向けてより強い措置を求める野党との協議を経て、一度は野党の修正要求を自民が一部飲む形で合意した法案だが、その後自民党内の反対で提出断念となってしまった。与党内の少数意見を尊重したとの言い方もできるが、同性婚を6割、選択的夫婦別姓を7割が支持する現在の世論とずれてはいまいか。人権の話として右も左もなく対応すべき法案が政治的に潰されてしまったのは残念だ。次回はきちんと議論して成立させて欲しい。

4. 2025年度末までの自治体情報システム統一は困難か

銀行で突然ATMが使えなくなったりするトラブルのニュースをたまに聞くが、これは別銀行のシステムやデータを合併によって統一することで起きているケースが多い。行政システム統一でも同様のトラブルが起きる可能性はある。各自治体が独自につくった情報システムを2025年度末までに統一させるとの目標を政府は掲げているが、正直、厳しいと思う。うまくいけば自治体の業務は効率化するし、スピード感を持ってやってはいただきたいが。

5. 都立高の普通科一般入試で男女の合格ラインに大きな差

都立高入試では男女別に定員を設けているため合格に必要な点数が男女で異なる。特に女子の場合は高校から入学できる偏差値の高い学校が東京に少ないため、都立高に人気が集中する結果として合格ラインが高くなってしまうという。僕が通っていた都立高も女子の定員が少なく、女子は本当に頭の良い人ばかりだった。「男子より高い点を取れないと入学できないのは非条理では?」と、かつて思っていたことが今ようやく問題になってきている。機会平等を妨げないよう都立高も時代に合わせて変わるべきではないか。

【スペシャルトーク】テーマ:「相次ぐネット上の誤情報拡散問題とその対策」

メディアアクティビストとして活躍するコメンテーターの津田大介さんに、茨城県一家殺傷事件で拡散されたデマ情報の問題を取り上げながら、相次ぐネット上の誤情報拡散問題とその対策についてお話を聞いた。

2019年に茨城県堺町で発生した一家殺傷事件では、容疑者と同じく埼玉県三郷市在住で名字も同じという市議会議員について、容疑者の親族というデマがネットで広まった。「近くに市議が住んでいる。関係あるのでは?」といった憶測が独り歩きしたものだ。

この問題には「トレンドブログ」や「まとめサイト」が深く関わっている。ネット情報を引用しただけの誤情報を垂れ流すサイトだが、これが検索で上位表示されると大変なアクセスになる。NHKの『クローズアップ現代+』によると、そこに広告を貼っているまとめサイト上位の稼ぎは月700万円。人を雇って事業にしているところもある。また、最近は特定世論に関してツイッター等で“さくら”に反対または賛成意見を書き込ませる業者の存在も明らかになってきた。

ただ、最終的にそうした誤情報を最も広めているのは一般の中間層というか、いわば善意の拡散者。「この市議、あの容疑者の親戚なの?」と思ったとき、それを悪意なくシェアしたりしてデマを広げてしまう。

問題解決に向けたアプローチの1つは技術だ。Googleによる対処に加え、悪質なサイトはAIがパターンを検知して警告を出す等の対処がある。また、SNSにも誤情報を拡散させない責任があるということで、最近は未読記事のリツイートに警告を出すような仕組みも出てきた。人々の信用情報が金融機関で共有されているのと同様、今後はデマを流したユーザーの銀行口座をロックする等、広告運営会社による対応も必要になると思う。

どの対策も即効性があるわけではない。ただ、現在は発信者情報開示請求のプロセスも簡易になって訴訟しやすくなってきたし、我々も正しい状況をできるだけ伝えていくなどして、対処療法の組み合わせで解決を目指していく形になると思う。

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