イスラエルとパレスチナの停戦の背景にあるテクノロジー、ウォール・ストリート・ジャーナルの内部争いなど|スローニュース 瀬尾傑×瀧口友里奈【ダイバーシティニュース】

瀬尾傑さんのニュースピックアップ

1.2021年9月に発足のデジタル庁、人材確保が鍵に

日本行政において、デジタル化は大きな課題。課題を見抜き、最優先かつ短期間でデジタル庁立ち上げを実行しているのは菅義偉政権の中でも評価できるポイント。一方で、立ち上がった際に実行力を持ってきちんと機能させていくことも大切。そのためには、民間を含めて取り合いが起きている人材をしっかり確保することが必要。

2.トヨタの水素エンジン車が24時間耐久レースで完走 水素の作り方にも注目

水素エンジンを「使う」ことに関しては日本がリードしているが、「作る」ことに関してはヨーロッパがリードか? クリーンなエネルギーである水素だが、作るためには電気が必要。ヨーロッパでは風力発電などCO2が発生しない電力で水素を作っているが、日本は原子力や火力発電が主流のため水素を作るためにCO2を排出してしまっている。将来的に価格競争に影響が出るかもしれない。

3.フランス製の短距離離着陸機、日本の離島空港にも導入か

滑走路が800mない空港が日本には12箇所存在し、その多くが離島。小笠原諸島の父島に空港を作る計画が出ているが、世界遺産に指定されているため環境破壊の懸念も。しかし、短距離滑走路であれば環境保全もでき、結果新しい観光需要や住民の利便性に繋がる可能性もある。

4.イスラエルとパレスチナが停戦へ 背景にはテクノロジー

イスラエルとパレスチナを語る際、政治的側面から語られることが多い。一方で、テクノロジーも大きく関わっている。イスラエルはハマスのミサイル攻撃を防ぐテクノロジー、パレスチナはネットを使った情報発信を使ったテクノロジーを見せつけ、停戦に向かった。湾岸戦争時にフェイクニュースがあったように、各国が情報戦争を仕掛けている可能性もある。情報を享受する側もリテラシーが求められる。

5.ウォール・ストリート・ジャーナル トップのライバル争いが勃発

いち早くデジタル化に成功したウォール・ストリート・ジャーナルが窮地に立たされている。成功の仕組みにこだわりすぎており、さらなる改革ができていないことが原因。日本のメディア、イノベーションが求められている企業にとっては非常に参考になる事例。日本の新聞社は今成功している定額課金型のデジタル化を目指しているケースが多いが、5年後成功するかはわからない。今の成功に縛られないことが大切。

【スペシャルトーク】ゲスト:藤井聡さん(京都大学大学院教授、ジャーナリスト

社会工学者で京都大学大学院教授、ジャーナリスト・田原総一朗さんとの共著『こうすれば絶対よくなる!日本経済』の著者である藤井聡さんに「経済から見たコロナ対策の課題。そして、MMTとは?」についてお話を聞いた。

今の日本のコロナ対策を経済面から見ると、“めちゃくちゃ”。例えば、がん患者の治療は副作用が出るため慎重に行うが、今のコロナ対策はその副作用の部分について考えられていない。それによって経済が傷つき、日本のGDPは激しく凋落している。ワクチン接種が終わった後のポスト・コロナ時代という話もあるが、いつ来るかもわからない。イギリスやフランスでも行なれている、損失が出ている事業者の売上、収入が減った個人の保証をすることが第一。そして、消費税を5%に戻すこと。

「日本銀行が政府の機関であるため、政府は貨幣を供給するための権限を持っている。そのため、国の借金をゼロにする必要が全くない。コロナで経済が落ち込んでいるなら、いくらでも貨幣を作ればいい」という「Modern Monetary Theory(MMT)」が昨今注目を集めている。1200兆円の国の借金があり、このままだと財政破綻するというのはデマ。実際、各国が借金総額を増やしていっている実態がある。

G20の財政規律でも、借金の伸び率と経済の成長率を合わせることを推奨。これを守ればインフレは起きない。国会で黒字にするという規律を緩めればいいだけ。これを遂行できるのは菅総理ではない。別の内閣が発足することに期待したい。

藤井聡さんご経歴:1968年、奈良県生駒市生まれ。京都大学工学部土木工学科を卒業後、同大学院助教授、東工大教授、内閣官房参与などを歴任。現在は京都大学大学院教授を務める。最新著書は、田原総一朗氏との共著「こうすれば絶対よくなる!日本経済」。

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