「ベルセルク」作者三浦建太郎さん、 俳優の田村正和さん死去 、もののけ姫とハンセン病|作家・評論家の古谷経衡×名越 涼【ダイバーシティニュース】

古谷経衡さんの「ニュース・ピック・アップ」

1.愛知県知事リコール署名偽造 8割以上が無効の疑い

知事へのリコール運動を巡って、偽造された署名が大量に提出された疑い。8割以上が無効だという。リコール団体の事務局長はじめ、複数名の逮捕者がでた。リコールというのは、民主主義の手続きにのっとって誰でも請求できるものだが、もともとが捏造だったというのはその根幹を揺るがす事件だ。

2.2020年度の実質成長率 4.6%減。戦後最悪の落ち込み

年度ベースの下げ幅でみると、リーマンショック時を上回る。戦後最悪の下げ幅となった。日本にかぎらず、世界を見ても深刻なコロナ不況。個々の国を見てみると、感染がひどかったイタリア、イギリス、スペインは8%~9%減。フィリピンなど東南アジアの発展途上国でも、10%以上の減。2021年度の成長率についてはもっと大きな影響を受けるのではないかと危惧。

3.ガザへの空爆続く 死者は200人以上

イスラエルとパレスチナの軍事衝突で、ガザへの空爆が続き、停戦を求める声が高まっている。歴史を紐解くと、イギリスやドイツの存在が浮き上がってくる。70年近く続いてきた問題だからそう簡単な話ではないが、日本が果たす役割はあるのではないか。

4.「ベルセルク」「ドゥルアンキ」 漫画家・三浦建太郎さんが死去

三浦建太郎さんが、死去。54歳という若さで亡くなられたことが残念でならない。「ベルセルク」は漫画的な構成力・描写力が圧倒的に高い。まるで主人公が動いているように、剣を振り回しているように見える。漫画において動的に表現できる力がずば抜けていらっしゃった。他の漫画家にも大きな影響を与えた方だと思う。

5.俳優の田村正和さん死去 代表作「古畑任三郎」

「古畑任三郎」のドラマは最高傑作の一つだと思う。最初に犯人が分かるスタイルは、刑事コロンボの日本版。自分は少年時代から見ているが、かなりの「古畑任三郎」マニア。全話×4回ぐらい見ているほど。それぐらい人をひきつけるドラマ。そして、それは田村正和さんがいなければ成立しなかったドラマだと思う。

【スペシャルトーク】テーマ:「もののけ姫とハンセン病」「オカルトは社会の路肩」

作家・評論家の古谷経衡さんに、「ハンセン病訴訟から20年 もののけ姫とハンセン病」と「オカルトは社会の路肩」の2つのテーマについてお話を聞いた。

「ハンセン病訴訟から20年 もののけ姫とハンセン病」

5月11日、ハンセン病患者の強制隔離政策を違憲と判決してから20年が経過。1997年に公開された宮崎駿監督による映画「もののけ姫」は、ハンセン病の元患者さんとの交流で構想されたものだ。映画の中では、包帯を巻いて鉄砲鍛冶を行なう人々が出てくるが、それはハンセン病の患者の方たち。村落から追い出され、生きる場所を失った人たちの姿だ。

彼らの言葉の中に「生きることは苦しいこと。世を呪い、人を呪い、それでも生きたい」というものがある。僕が一番好きなシーン。「もののけ姫」のキャッチコピーである“生きろ”の言葉の意味を深く感じることができる。そして、訴訟20年が経った今でも差別や偏見で苦しんでいる人はたくさんいる。そういうことを想像して「もののけ姫」を見てみることをお勧めしたい。

「オカルトは社会の路肩」

1970年代、UFO・都市伝説・怪談・ノストラダムスの大予言などオカルトブームというのがあった。オカルト雑誌も多く出版された。時代背景を見てみると、当時はオイルショックなどもあったけれど、景気は良かった。80年代のバブルに向けて、経済的に余裕がある時代だった。その後、90年代にはいるとオカルトブームが廃れていく。その理由の一つに、オカルトで想像していた暗い未来が、より現実世界に近づいてきたからなのではないかと思う。

路肩というのは、歩道と車道の間。余裕のある部分を意味している。実は、オカルトを楽しめるというのは、時代的な余裕があるからなのではないか。オカルトが人目を気にせず楽しく語れる社会のほうが余裕が合って良いのではないか、と思う。

古谷経衡さんご経歴:札幌市生まれ、立命館大学文学部卒。作家・評論家として活躍する一方、テレビ・ラジオなどでコメンテーターも務める。オタク文化にも精通。主な著書に『愛国商売』(小学館)、『日本型リア充の研究』(自由国民社)等多数。

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