アマゾンがテクノロジー体験型ヘアサロンを開業、日銀がデジタル通貨CBDCの第1弾実験を開始など|GCP湯浅エムレ秀和×瀧口友里奈【ダイバーシティニュース】

湯浅エムレ秀和さんのニュースピックアップ

1. アマゾンがテクノロジー体験型ヘアサロンを開業

2021年4月、アマゾンがロンドンにテクノロジー体験型のヘアサロンを開業した。AR(拡張現実)を活用した鏡で希望のヘアスタイルを試してから施術を依頼できる。アマゾンの企業向け卸売事業へのテコ入れが目的だと思われる。なぜヘアサロンなのかは予想だが、美容業界は個人事業主が多く、アマゾンからの仕入れに対する抵抗感が他業界よりも少ないからではないか。一般消費者としてすでに購入経験のある美容師をB to Bに寄せていこうという狙いがあるのだと思う。

2. スペースXがインターネット衛星60基を追加打ち上げ

米国航空宇宙メーカーのスペースXがインターネット衛星60基を追加打ち上げし、累計1,500基以上となった。インターネット衛星は自宅にあるアンテナと直接通信をしてインターネットにつなげることができるため、ネット設備が手薄な地方や山間部をカバーする画期的な技術だ。ウェイティングリストの掲載者はすでに50万人にのぼる。ただし、衛星網の完備には衛星4,500基必要とされ、まだまだ収益性の確保は難しいと思われる。

3. ツイッターが定額課金サービスを開始するとウワサ

ツイッターが月額2.99ドル(約330円)の定額制サービス「Twitter Blue」を始めるのではないかと噂されている。広告ビジネスで成り立つツイッターは、かねてから課金サービスの提供を検討していると言われてきたが、2021年2月にローンチを正式発表した。ただし詳細は今だ未公表で、今回の噂につながった。広告の非表示、投稿の取り消し、ツイートのカテゴライズ等の機能が予想されている。ユーザーデータを使った広告ターゲティングへの規制が強まる中、ツイッターは新しい収益の柱を見つける必要があるだろう。

4. App Storeの手数料をめぐり法廷で判事が和解案を示唆

人気オンラインゲームのフォートナイトを配信するEpic GamesとアップルがApp Storeの手数料をめぐり争う法廷で、判事が和解案を示唆した。裁判の発端は、Epic Gamesが外部決済リンクの提示で手数料支払いを避けようとしたところ、アップルがフォートナイトをApp Storeから削除したこと。判事は外部リンクの許可を示唆し、これが実現すれば批判も多いアップルの独占的な立場は崩れ、アプリ経済圏でより多くのコンテンツが流通するようになるだろう。

5. 日銀がデジタル通貨CBDCの第1弾実験を開始

日銀は2020年10月に中央銀行が発行するデジタル通貨CBDC(セントラル・バンク・デジタル・カレンシー)の3段階の実験計画を発表したが、2021年4月から1年間、第1弾の実験に取り組む。暗号資産(仮想通貨)は値動きが激しいが、日本のCBDCは円建てて信頼性が高く決済に使いやすい。背景には、中国のデジタル人民元との覇権争いがあると思う。基軸通貨を持つ欧米や日本はCBDCを推し進めるインセンティブはあまりないが、「やらないリスク」を避けるための動きといえるだろう。世界の情勢を大きく変えうる動きになるかが注目される。

【スペシャルトーク】ゲスト:中山田 明さん(MFS代表取締役CEO)

日本の住宅ローン証券化の草分け的存在である中山田明さんに、住宅ローンの借り入れ・借り換えをオンラインで紹介するサービス「モゲチェック」について伺った。

モゲチェックはオンライン上でその人に最適な住宅ローンを見つけ、そのまま申込み、借り入れ・借り換えができるサービス。モーゲージは抵当権を意味し、住宅ローンはモーゲージ・ローンと呼ばれる。

日本では不動産会社の営業マンが自身の人脈や経験に基づいて住宅ローンを斡旋するが、彼らは不動産の専門家であり、ローンの専門家ではない。モーゲージ・ブローカーは住宅ローンの専門家を集めて、金利や団信などをトータルで判断し、最適な条件を提案する。住宅ローン証券化の本場、米国では住宅ローンの金利が下がればモーゲージ・ブローカーが積極的に借り換えを勧誘する。

日本の金融機関でも住宅ローンのオンライン受付は増えており、消費者が自分で調べて借り換えを申し込むこともできるが、審査に通るかは申し込んでみないとわからない。金融機関も審査に受からない人の対応に追われ、消費者にも金融機関にも負荷が大きい。そこで、モーゲージ・ブローカーが金融機関の審査情報とユーザー情報を整理してファイナンスをマッチングさせれば、より効率的な借り入れ・借り換えが可能になる。

今、ネット銀行でも金利が0.4%まで下がり、最大13年間、税控除も受けられる。住宅ローンはまさに借り時だと言える。モゲチェックの借り換えによる平均的な返済削減額は約300万円。ユーザーは無料で利用でき、銀行から送客費用を受け取るビジネスモデルだ。

創業して6年半。当初は来店サービスとして全国100店舗を目標に掲げていたが、現在は完全にオンライン化。ファイナンスはロジックの世界なのでデータさえあれば構築できる。デジタル化、オンライン化、AI化の融合で効率化が進む。フィンテックでもデータを活用したAIサービスが拡大していくだろう。消費者が求めているのは住宅ローンの先にある「家」なので、審査が自動的に進むなど、金融サービスの透明化が進んでいくことも予想される。

中山田 明さんご経歴:1967年生まれ。大阪府出身。1991年東京大経済学部卒業後、ベアスターンズ証券で日本初の住宅ローン証券化を担当。新生銀行・新生証券で住宅ローン証券化チームの責任者となり、総額5,000億円以上の住宅ローンを証券化。SBIモーゲージ(現アルヒ)CFO(最高財務責任者)を経て、2014年にMFSを創業。

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