【社会】日本の性教育やLGBT法成立に向けた課題など|NPO法人フローレンス代表 駒崎弘樹×丸山裕理【ダイバーシティニュース】

駒崎弘樹さんのニュースピックアップ

1. 2020年の子ども自殺数は過去最多に 連休明けに注意

連休明けに学校へ戻る段階で絶望して自殺してしまう子がいる。子どもはなかなか悩みを言語化できない。「体調がおかしい」「起きれない」という段階で親御さんも「何やってるの」と言わず、受け止めたうえで医療機関や専門家へつなげるケアが命を守る。

2. LGBT法成立に向け「差別禁止明記」の訴え

法律制定の動き自体は一定の評価もできるが内容は不十分。トランスジェンダーであることを理由に採用面接を打ち切られたり、アウティング(性的指向等の暴露)され教室から追い出されたり、「そんなことあるの!?」と思える差別はまだまだある。差別禁止を法律に明記することが重要だ。

3. ステイホームにより児童虐待が潜在化する恐れも

以前は子どもが外へ出たときに「あれ?おかしいな」と周囲が気づくきっかけもあったが、ステイホームでその機会も失われている。今は「189(イチハヤク)」という匿名の虐待対応ダイヤルもある。「勘違いかも」と思っても伝えて欲しい。多くの虐待は周囲もうすうす知っていた環境で起きる。

4. 社会的養護経験のある若者の8割が中高卒

虐待等で親元から離れ、児童養護施設や里親家庭で育ったことのある社会的養護経験者(ケアリーバー)が、大学等の高等教育に進む割合は1割強。経済的理由に加え、携帯を持てず進学や奨学金に関する情報を知り得なかったり、限られた人しか彼らを支えられていない背景がある。

5. 【#許すなわいせつ教員】数十年間、胸にしまった忌まわしい記憶

子どもの頃に教員から受けた性被害で何十年もトラウマに苦しむ方は多い。子どもは自分で被害を受けたと言えないが、男女とも被害に遭うし、加害者は再犯率が高い。そこで我々は、性犯罪履歴がないという証明書をもらうことで初めて教員等の仕事に就ける「日本版DBS(Disclosure and Barring Service)」を提言している。

【スペシャルトーク】ゲスト:シオリーヌさん(助産師、性教育YouTuber)

性教育に関する講演のほか、性教育YouTuberとして活躍するゲストのシオリーヌさんに、日本における性教育の現状や「生理の貧困」についてお話を聞いた。

日本の義務教育では性行為についても「具体的には取り扱わないものとする」と定められていたりする。性の知識は自分の人生を自分で選び取るために欠かせない。学校教育できちんと提供されるべきだ。

家庭でも「どんな言葉で説明したら良いか分からない」との悩みを聞くが、「赤ちゃんはどうやって生まれるの?」とか、子どもの素朴な疑問にきちんと向き合うことが一つの教育になる。

今までは、特に大きな権限を持つ上の世代で性教育に根強いタブー観があったが、最近は大切だと考える人が増えてきた。その声を上の世代へ届ける段階に来ている。

「生理の貧困」に関しては、「どんなケアやコストが必要か」等、性教育の欠如による知識不足が根本の問題だと思う。「生理の貧困」という言葉をきっかけにして多様な議論につながって欲しい。まずは性の話についてタブー観をなくす第1歩として、身近な人と日常会話で話題にしてみて欲しい。

シオリーヌさんご経歴: 総合病院の産婦人科、精神科児童思春期病棟などの勤務を経て、現在は学校での性教育に関する講演や性の知識を学べるイベントの講師の他、性教育YouTuberとして活躍中。著書に、『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』(イースト・プレス)、『こどもジェンダー』(ワニブックス)など。

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