衆議院選挙翌日の風景〜自民党圧勝とその後のYES 

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あの凄まじい結果を生み出した衆議院選挙が終わって一夜明けた。しかし、自民党の勝ち方は想像を絶するものであった。

昨晩、僕は、夜8時5分前からテレビの前に釘付けになっていた。カウントダウンが始まり、現れた出口調査の結果を見て、仰天した。これが何を意味するのかもわからず、空いた口がふさがらなくなっていた。僕は、今後のYES!プロジェクトをどうすうるかを考えることもできず、虚脱感すら感じていた。自民党圧勝である。民主党は、幹部が軒並み接線か負ける、という予想すら出ていた。凄まじいの一言だ。

その後の各局の報道をチャンネルを変えながら見ていた。一つのドラマを見ているようであった。抵抗勢力に対して送られた刺客の面々。戦い終えて疲労感を漂わせながら苛立っている造反者と、すがすがしい顔の女性刺客の笑顔。抵抗勢力が結集して作られた新党のドンと、若者代表のホリエモンの登場である。注目選挙区の結果が刻一刻と出てくる。そして、万歳の嵐と敗戦の弁。対照的である。

ある程度大勢が固まった段階で、今回の劇場の主役と引立て役が登場だ。 

主役にスポットライトが当てられ落ち着いた表情で穏やかな表情で勝利を確信した弁が出て、引立て役が緊張した面持ちで潔く負けを認めていく。その間、僕は友達の名前を探し続けた。幸い、ほとんどの友達が当選していた。民主党は、比例代表で当選する人も多かった。小選挙区当選であっても、比例代表であっても、代議士は代議士である。滑り込んだもの勝ちだ。

ある程度のドラマが終わると、恒例のパネルディスカッションが始まった。僕は、ある程度の結果を確認した後で、ベッドに潜り込んだ。ベッドの中で、今回の自民党の勝利を自分なりに振り返ってみた。

選挙当日の朝、ソウルから帰国する便の中で、日経新聞で政党の広告を見比べたときに、自民党の勝利を確信した。自民党はメッセージがシンプルで、わかりやすかった。

「国民に問いたい。郵政民営化に賛成か反対か。改革を進めるか、否か。改革を止めるな。自民党」。

この文言の細部は間違っているかもしれないが、僕はそらで言えるほど覚えていた。民主党の広告は、残念ながら何がメッセーjだかわからなかった。このメッセージの違いとともに、民営化に向けての改革の姿勢の違いも大きかった。改革の姿勢を見せられたかどうかの違いだ。自民党は、抵抗勢力や有力な支持団体を切り捨てて、刺客を送ってまで改革を成し遂げようとした。民主党はその間、何をしていたんだろうか。自民分裂の漁夫の利を得ようとしていたのでは、と国民は感じ取ったのではないないだろうか。そして、党首のリーダーシップの違いであろう

※リーダーシップの重要性に関しては、「郵政法案否決・衆議院解散ー小泉純一郎というリーダーシップ」をご参照ください

僕は、この選挙を通して、メッセージの簡潔さ、姿勢を見せることの大切さ、そしてリーダーシップの重要性を学ばせてもらった。

そして、一夜明けた。睡眠不足であるが、まだその劇場を見ていた興奮から覚めやらない。僕は、朝一番の会議から、夕方のスピーチまで、姿勢を明確に出して、メッセージを簡潔にして、リーダーとしての自覚を持ちながら行動することに専念した。

そしてメールチェックが終わり、一人会社に残り、あの地すべり的勝利は何を意味するのかを考えてみることにした。僕は、何人かの友達の政治家に電話し始めた。忙しそうなので、「おめでとう」、と簡潔に祝辞を述べて、電話を切っていった。

YES!ナイトに参加してくれた自民党の政治家は、「この勝利をきっかけに、改革を進める。公職選挙法の改正は、次回の通常国会に出すべく頑張ります。YESプロジェクトもバックアップします」と言ってくれた。民主党の方からも連絡があったが、「YESプロジェクトのおかげで、公職選挙法の改正が前に進みそうです」とのことだ。この公職選挙法の改正の動きは、YES!プロジェクトとしては、注視し続けたい。

ある民主党の政治家は、「今がボトムだから後は上がるしかない」と言っていた。民主党には、これからの踏ん張りを期待したいところだ。ポジティブに考えれば、党の前向きな改革には、願っても無いチャンスだと思う。

政治家の方々は、一様に「YES!プロジェクト」の動きを良く知っているようである。投票率も10%近く上がり、現行制度では最高の投票率を記録していた。若年層の投票率をまだ見ていないので、YES!プロジェクトの成果はわからないが、小さい波紋かもしれないが、確実に一石を投じることができたと思う。

「さて、YES!プロジェクトは、これからどこに向かうべきであろうか?」

僕は、もう一晩だけ、これからのYES!プロジェクトの方向性がどうあるべきかを考えてみることとした。
今から、YESプロジェクトのブログとYES@GREEの書き込みを丁寧に見ていくことにする。

2005年9月12日
二番町のオフィスにて
堀義人 

 

京都大学工学部卒、ハーバード大学経営大学院修士課程修了(MBA)。住友商事株式会社を経て、1992年株式会社グロービス設立。1996年グロービス・キャピタル、1999年 エイパックス・グロービス・パートナーズ(現グロービス・キャピタル・パートナーズ)設立。2006年4月、グロービス経営大学院を開学。学長に就任する。若手起業家が集うYEO(Young Entrepreneur's Organization 現EO)日本初代会長、YEOアジア初代代表、世界経済フォーラム(WEF)が選んだNew Asian Leaders日本代表、米国ハーバード大学経営大学院アルムナイ・ボード(卒業生理事)等を歴任。現在、経済同友会幹事等を務める。2008年に日本版ダボス会議である「G1サミット」を創設。2011年3月大震災後に、復興支援プロジェクトKIBOWを立ち上げ、翌年一般財団法人KIBOWを組成し、理事長を務める。2013年6月より公益財団法人日本棋院理事。いばらき大使、水戸大使。著書に、『創造と変革の志士たちへ』(PHP研究所)、『吾人(ごじん)の任務』 (東洋経済新報社)、『人生の座標軸』(講談社)等がある。

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