ダイバーシティニュース経済(10/19)湯浅エムレ秀和【11月30日までの限定公開】

湯浅エムレ秀和(ゆあさ・えむれ・ひでかず):グロービス・キャピタル・パートナーズ ディレクター
グロービス・キャピタル・パートナーズで主にフィンテック(金融×IT)、人工知能、ブロックチェーン、ドローン、インターネットメディアの投資案件を担当。オハイオ州立大学ビジネス学部卒(優秀賞)、ハーバード大学経営大学院MBA修了。Twitter note

湯浅エムレ秀和さんのニュースピックアップ

1.首都圏から地方への本社移転が2年で300社超、新規商機も

帝国データバンクの調査によると、首都圏から地方へ本社移転した企業は昨年1年間と今年6カ月間で合計300社を超える見込み。移転先のトップは茨城県。逆に大阪は流出が増えている。コロナ禍でリモートワークが進んだことに加え、デジタルツールの発達により離れていても一緒に働ける環境が充実。今後もこの傾向は続くだろう。東京―福岡の航空券の月間定額サービスなど、地方分散を想定した新しい商機も見込まれる。

2.コロナ交付金で巨大イカモニュメントを建設し6億円の経済効果

石川県能登町にある全長13mの巨大なイカのモニュメント「イカキング」が話題を呼び観光地化している。イカキングはスルメイカの日本三大漁港のひとつである能登町が、「イカに食うか喰われるか」というコンセプトで、国の新型コロナ対応の臨時交付金2700万円を投じて建設したもの。税金の無駄使いだと批判されたが、経済効果は6億円(2021年4月~22年7月の間で算出)に上ると発表した。今後にも期待が持てる素晴らしい経済政策となった。

3.王道の裏返しでヘビメタを模した缶入り飲料水の売上が急上昇

米国のスタートアップ飲料水メーカーのLiquid Death(リキッド・デス)が、アルコール飲料のようなパッケージの缶入り飲料水を2年ほど前に販売。売上が急上昇している。Netflix出身のクリエイターが、ライブ会場などでも気兼ねなく水を飲みたいとヘビメタ風の毒々しい包装を発案。批判も出たが、その批判を曲名にしてヘビメタのアルバムを作り配信もしている。王道の裏をかき、批判すらマーケティングに活用する姿勢を見習いたい。

4.米マクドナルドが大人向けのハッピーセットを発売

米マクドナルドが、これまで子ども向けに販売してきたハッピーセットを大人向けにも発売した。ビッグマックやマックナゲット10ピースに、セレブに人気のアパレルブランドとコラボしたマスコットをおまけの玩具として付けた。レアアイテムとしてファンに人気が出ている。子どもだけでなく大人やシニア層が興味を持てるアイテムを付けて売るマーケティングが興味深い。米国だけでなく他国にも展開できるのではないか。

5.大企業の新興企業買収の減税を政府が検討、M&Aや起業を後押し

政府は大企業のスタートアップ買収にかかる法人税を減税する方向で検討に入った。岸田政権は2022年を「スタートアップ創出元年」とし、起業を5年間で10倍に増やす計画。日本では買収の8~9割はIPO(新規上場)が目的で大型のM&Aが少ない。一方、米国では次の商機の種や新技術を発掘する目的で大型買収が盛んだ。200~300億の時価総額がないと難しいIPOよりも、裾野の広いM&Aを促進すべきという意図の表れだろう。

<スペシャルトーク>ポスト・コロナの世界で日本が取り組むべきこととは

スペシャルトークでは、湯浅さんに、歴史を振り返りながら、ポスト・コロナの世界で日本が取り組むべきことについてお話をいただいた。

コロナ禍の終わりが見え始めているが、この先、世の中はどう変わっていくだろうか。歴史を振り返りながら予想してみたい。

新型コロナウイルス感染症は悲劇的なイベントといえるが、人類史上初めてのことではない。1918年には、第一次世界大戦によって軍人が世界中を往来したことをきっかけに、スペイン風邪が大流行した。当時の世界の人口約20億人のうち5億人が感染したと言われている。第一次世界大戦が終戦するとスペイン風邪も落ち着いたが、1920年頃から、「ローリング・トウェンティーズ(狂騒の20年代)」が巻き起こり、テクノロジーと経済が一気に発展していく。これは、デジタル技術の進展が著しい現代に近い状況かもしれない。

ただ、ローリング・トウェンティーズの後の1930年代には、ナチス政権が台頭し、第二次世界大戦が勃発した。先日、私が参加した国際カンファレンスでは、ロシアがウクライナに侵攻したことで、西側とロシアの間で対立の溝が深まっているという話や、アメリカやヨーロッパが中国の台頭を警戒する流れで、「インドパシフィック」という聞きなれない言葉も出てきた。1930年代と同じような歩みを繰り返さないようにしなければならない。

狂騒と繁栄の対義語として使われる言葉は「失われた20年」だが、日本はこれがずっと言われている。1つ象徴的なのは、アメリカの上場企業の時価総額が10年前の2,000兆円から約3倍の6,000兆円に成長しているのに対して、日本ではほぼ横ばいであることだ。
アメリカの成長の背景には、マイクロソフト、アップル、アルファベット、アマゾン、テスラ、フェイスブック、エヌビディアの7社が爆発的に伸びていることが挙げられる。日本も、この7社と同等の成長企業をいかにつくっていくかを考えないといけない。米国の7社は広告業と小売業だが、日本は製造業に強みを持っている。現在、空いている領域といえる製造業でプラットフォーマーとなり、業界を率いて変革を推進していくような企業が出てくれば、アメリカのように成長し競争優位を保てるのではないか。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
2. YouTubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA
3. radikoでも聴取可能です

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