ダイバーシティニュース テクノロジー(9/23)清水亮【10/31までの限定公開】

清水亮(しみず・りょう):AI研究者

深層学習を中心とした人工知能分野の研究開発を専門とし、自らプログラミングも行う。2005年には情報処理推進機構(IPA)より「天才プログラマー/スーパークリエイター」として認定。代表的な著書は『よくわかる人工知能』(KADOKAWA)、『教養としてのプログラミング講座』(中央公論新社)他。

清水亮さんのニュースピックアップ

1.「iPhone 14」シリーズ発売開始 開店前から行列が

9月16日に「iPhone 14/14 Pro/14 Pro Max」の3機種が発売され、東京の「アップルストア表参道」には、発売を待ち望んでいた人々が並んだ。実は私も朝4時から並んで購入している。15年前にはiPhone 3Gの行列の先頭にいたので、並ぶのは2度目のこと。その時は取材され、当時のWeb記事にも掲載されている。今回のiPhoneは、外装の色も良く、写真がキレイに写るところが良い。

2.AIが描いた作品が美術品評会で1位に アーティストは激怒

アメリカで開催された「第150回コロラド州品評会」のデジタルアート部門において、画像生成AI「Midjourney(ミッドジャーニー)」が描いた作品が1位を獲得。AIが人間を差し置いたことが物議を醸している。現代アートの文脈は絵がキレイとか上手いではなく「どう捉えるか」でしかないので、怒るのは違うように感じる。そもそもアーティストも注目を浴びるため、パフォーマンスとして怒っているのではないか。

3.日本語に特化した画像生成AI登場 今後の展開は?

rinna株式会社が、日本語に特化した画像生成AIモデル「Japanese Stable Diffusion」を9月9日に発表した。rinnaはマイクロソフトのあるチームが独立してできた企業。Stable Diffusionはオープンソースの画像生成AIなので、今回のように活用したサービスが出てくるのは予測していた。様々な企業が参入することで、描きたい絵を生成するハードルは低くなっていくはずだ。

4.「Stable Diffusion」が10億ドルの資金調達

無償公開され人気を呼んでいる画像生成AI「StableDiffusion」は、複数の投資家から熱い視線を送られている。10億ドルの資金調達は久しぶりのユニコーンと言える。世界中を巻き込んだブームをつくったので当然の結果だ。将来性は無限大だが、ここからが山場だろう。現状は生成画像のもととなる画像データの精査ができてない。ユーザーがイメージしたとおりの絵を描かせるにあたっての解決すべき課題は多い。

5.実体験レポート 無料の画像生成AIサービスを作ってみたら

「Stable Diffusion」を使い、日本語で言葉を入力すると、英語に翻訳して絵を描ける無料のサービスを立ち上げた。私自身のニュースで恐縮だが「Stable Diffusion」の出現は寝られなくなるほど興奮した。2時間後に本サービスのプロトタイプをリリースしたぐらいだ。結果、利用者が増えすぎてサーバー料金が1日に10万円を超えた日もあった。嬉しい悲鳴とはこのことだ。

【スペシャルトーク】AIにより開かれたパンドラの箱

スペシャルトークでは、「AIにより開かれたパンドラの箱」についてお話を頂いた。

「Stable Diffusion」や「Midjourney」の出現により、いままでAIに目を向けていなかった多くの層が、うまくやれば何かに使えると思い始めている。これは人間の想像力が刺激された瞬間であり「パンドラの箱」を開けてしまったとも捉えている。

画像生成AIにより、コンテストで優勝できなかったと怒っている人もいれば、自分の画風が剽窃されたと怒っている人もいる。また、AIが生成した画像をストックフォトサービスで販売しようとして、プラットフォーム側に一括で削除された人がいたり、NFT(偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ)市場で流通されることに、AI生成画像はそもそも非代替性があるのかと問題になったりしている。このように問題ばかりが起きている画像生成AIだが、はたして価値はあるのか、と議論になりつつある。

この事象をみていて思い出すのはインターネット上の「検索」についてだ。今や「検索」は当たり前だが、20年前は違った。なぜなら当時は多額の広告費を得るには、同じサイトにどれだけ滞在させるが重要だったからだ。その頃のYahoo!では、ほしい情報を素早く手に入れるための検索機能を担当するチームは数名だったという。「検索」に価値はない、そう思われていたのだ。

「検索」は結果を出すだけだ。しかし、AIは検索し、解釈し、さらには新しいものを出力するまで実施する。つまり画像生成AIの価値は「検索」以上のものといえるだろう。おそらくこの分野を極めれば、Google以上の企業になっていくだろう。神話では「パンドラの箱」が開き、悪なるものが飛び出した後、底に残ったのは希望のみとある。誰がその希望をつかむのか楽しみだ。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz

2.YouTubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA

3. radikoでも聴取可能です

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