ダイバーシティニュース 政治(9/20)津田大介【10/31までの限定公開】

津田大介(つだ・だいすけ):ジャーナリスト/メディア・アクティビスト
メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。ソーシャルメディアを利用した新しいジャーナリズムをさまざまな形で実践。オンラインメディア「ポリタス」編集長を務める。Twitter

津田大介さんのニュースピックアップ

1. 五輪めぐる贈賄容疑で角川会長逮捕 JOC前会長も任意聴取

社内の弁護士は違法な資金提供にあたる可能性を事前に指摘していたという。角川歴彦氏が賄賂性を認識したうえで指示を出したと、東京地検は判断したのだろう。今後のポイントは五輪招致段階の収賄疑惑にも捜査がおよぶかどうかだ。また、賄賂の横行を許していた政治の側では、森元首相に加え、安倍元首相が警察に圧力をかけていたと示唆するような報道もある。2人の関わりがどこまで明らかになるかにも注目したい。

2. 官房副長官から元復興相まで 次々明らかになる教団との関係

誰がどこまで旧統一教会と関わりがあったのか。党内調査結果を公表した後も新たな接点が次々と明らかになっている。自民としては早く幕引きをしたいのだろう。できるだけダメージを少なくしようとふわっとした調査を行っていることが、「調査は不十分」との声が大勢を占める各世論調査にも表れている。この調子で長引けば来年4月の統一地方選に大きな影響が出る。党の方針が改めて問われている。

3. 岸田政権の支持率が急落 毎日新聞調査では3割下回る

ここ数日、大手メディアの世論調査ではすべて過去最低の支持率となった。旧統一教会問題に加え、明確な説明なく安倍元首相の国葬を進めている点、内閣改造にも目新しさがなく改革への期待感が失われている点などが影響している。ただ、10月の臨時国会で冒頭解散を行うとの観測もある。選挙を通じ、旧統一教会と関係の深い議員が多いとされる安倍派が力を失えば、むしろ岸田政権としてはやりやすくなるのかもしれない。

4. 安全装置設置の義務化も 子どもの車内置き去り根絶に向けて

2021年に教育・保育施設で発生した事故は過去最多の2347件。待遇改善が進まない保育現場が慢性的な人手不足に陥っている背景を考えると、本件は政治の問題とも言える。他方、今起きている死亡事故を防ぐためには、例えば送迎バスのエンジンを停止するとアラームが鳴り、最後部座席まで行かないとアラームを止められないなどで車内をすべてチェックできる仕組みにしたり、天井にセンサーを設置したりするなど、技術で防ぐ視点も必要だ。

5. パタゴニア創業者、およそ4200億円を環境保護団体に寄付

今回の寄付は会社を“社会の公器”にするスキームとも言える。環境保護活動を行う非営利組織(NPO)に全株式の98%を譲渡し、毎年150億円ほどの配当金を安定的な活動資金とするわけだ。創業者が社会に価値を還元する意味で、これこそ「新しい資本主義」ではないか。NPO業界の底上げにもなるだろう。後年振り返って「あれが資本主義の曲がり角になったかもかもしれない」というほどのインパクトを感じる。

【スペシャルトーク】沖縄県知事選

スペシャルトークでは、9月11日に投開票が行われた沖縄県知事選について、津田大介さんに掘り下げていただいた。

票差だけを見ると、一騎打ちであった4年前の知事選でついた8万票は、三つ巴になった今回、6万票に縮まっている。ただ、前哨戦の名護市長選は実質的な辺野古容認派の現職が勝ったし、「争点が辺野古だけでは厳しいのでは?」との見方はあった。辺野古反対派の玉城デニー氏が勝つにしても接戦になると言われていたが、結果的には6万票の差がついた。

一番のポイントは、自公が推す佐喜真淳氏と玉城氏との一騎打ちに割って入った下地幹郎氏の存在だろう。保守層に一定の票を持つ下地氏は今回も5万票以上を獲得した。結果的には佐喜真氏の票を削ったのだと思う。一方、前回の知事選と異なるのは、沖縄経済界を支える金秀グループが、保守と革新の垣根を超えて辺野古移設に反対するオール沖縄から離れたこと。沖縄では経済界の組織票が強く、玉城陣営はかなり票を減らすと見られていた。ただ、今回は佐喜真氏側に旧統一教会問題が浮上していた。関連団体のイベントに複数回出席するなど、相当濃厚な付き合いが報道されていたことも不利に働いたのだろう。

また、今回は知事選と同時に行われた県議会議員補欠選挙も、今後の玉城県政4年を考えるうえで重要だった。オール沖縄以外の候補が勝っていたら、知事が何かやろうとしても議会で否決されたりして、ある種の「ねじれ」になる可能性があったためだ。しかし、結果的には議会もオール沖縄で過半数を抑えることができた。知事はご自身の選挙以上にほっとしていたかもしれない。

ただし、今回は投票率が下がっており、現地での取材でも「盛り上がりに欠ける」という声は多かった。安倍政権下で辺野古への土砂投入が強行されたことなどもあり、「デニーさんが勝っても変わらないでしょ」という諦めの気持ちもあったと思う。コロナの影響で主要産業の観光業が大打撃を受けたこともある。今後は「こういう沖縄にしたい」というの玉城知事の県政ビジョンも問われていくのだと思う。

それと、今回の結果をうけ、読売新聞は「国と不毛な対立を続けているだけでは県の発展にはつながらない」といった社説を書いているが、不毛にしてきたのはどちらか。沖縄県民が何度も民意を示しているにも関わらず国側が移設を強行しているわけで、対応は国側に求めるべきだと感じる。この点、岸田政権は「辺野古移設が唯一の選択肢」としか言わない今までの方針を改め、別の解決策を沖縄とともに考える必要があると思う。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
2. YouTubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA
3. radikoでも聴取可能です

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