ダイバーシティニュース テクノロジー(9/16)宋美玄【10/31までの限定公開】

宋美玄(ソン・ミヒョン):産婦人科医・医学博士・性科学者・丸の内の森レディースクリニック院長

大阪大学医学部卒業後、川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、国内で産婦人科医として勤務。日本新生児周産期学会会員、日本性科学会会員、日本産婦人科学会専門医。“カリスマ産婦人科医”として様々な女性の悩み、セックスや女性の性、妊娠などについて女性の立場からの積極的な啓蒙活動を行っている。 Twitter

宋美玄さんのニュースピックアップ

1.過去最少の出生数に 2022年上半期は38万人

厚生労働省が公表した人口動態統計によると、2022年上半期の出生数は、前年同期と比べて5%少ない38万4942人だった。今年の出生数は80万人を切ると予測されている。これはもともとの予測より10年も前倒しの数字。児童手当など様々な支援制度があるが、子供一人あたりの支援を増やしても出生数は増えていかない。子供を育てていく親への支援をどれだけ充実させていくかが重要なのだと思う。

2.子どもへの性的暴行 元ベビーシッターに懲役20年の実刑が

ベビーシッターの派遣先で5歳から11歳の男の子あわせて20人に対して性的暴行を加えた罪などに問われた元ベビーシッターに対し、東京地裁は懲役20年の実刑判決を言い渡した。これはマッチングサービス「キッズライン」利用で起こった事件。企業として規模の拡大と、シッターの質の担保の両立は非常に難しい。利用者が安心して使えることを最優先に考えてほしい。

3.「こども保険」の導入を検討 新たな財源確保に向けて

自民党は来年4月の「こども家庭庁」発足を見据え、新たな財源確保の手段として「こども保険」の導入を模索している。保険は互助の要素が強いが、子供をつくらない人や子供をつくりたくてもできない人が「こども保険」として給与控除されたらどう思うか。今のままで財源が足りないことは目に見えている。ただ保険という形がベストかどうかはわからない。続報が気になるところだ。

4.出生前検査、全国に広がる 新たに204施設が認証へ

妊婦の血液からおなかの赤ちゃんの染色体異常を調べる出生前検査について、日本医学会の委員会は、地域の産婦人科クリニックなど178施設を「連携施設」に、26施設を「暫定連携施設」に認証したと発表した。ここでいう検査は「NIPT」(新型出生前診断)のこと。「NIPT」は今まで基準が厳しすぎたので、未認証で行っている施設が多くある。実施する際には、認証施設を選んでほしい。

5.人工中絶に配偶者の同意が必要か? 撤廃すべきが55.5%に

NHKと医療情報専門サイト「m3.com」が共同で行った「産婦人科医オンライン・アンケート調査」の結果によると、「人工中絶の配偶者同意を撤廃すべき」と答えた医師は55.5%だった。私のまわりの産婦人科医は「撤廃すべき」の意見ばかりなので、約5割だけなのかという印象。日本産婦人科医会の会長は、配偶者同意について事情によっては無くて良いと明言している。しっかりと周知していってほしい。

【スペシャルトーク】先天性風疹症候群について

スペシャルトークでは、先天性風疹症候群の患者でつくる「風疹をなくそうの会『hand in hand』」の共同代表、可児佳代さんにお話を頂いた。

先天性風疹症候群とは、風疹に対する免疫のない女性が妊娠初期に罹患すると、風疹が胎児に感染し、出生児に白内障、先天性心疾患、難聴などの障がいを引き起こす一連の症候。私も妊娠初期、風疹に罹患し、目、耳、心臓に障がいを持った娘を産んでいる。重い障がいを持たせてしまったという想いがある。その娘は今から20年前、高校卒業目前の18歳で亡くなった。

娘が生きているときは、国は人の命を守るため動いてくれているだろうと思っていた。しかし、そうではない事実をあるキッカケを通じて知った。それはテレビで若いお母さんが先天性風疹症候群をこの世から無くしたいと訴えていたのを見たときのこと。調べてみると日本は風疹への対策が軽んじられており、先進国で風疹の流行が起こるのはいまや日本ぐらいしか無いのが分かった。なにより心を動かされたのは、その若いお母さんが、自分の娘が生きていれば同じ年齢だったことだ。私の世代がきちんと声を上げてこなかったから、先天性風疹症候群で娘の世代が苦しみ、そして孫の世代が障がいを持って生まれてきている。自分の娘から「お母さん何してるの?」と怒られたような気持ちになった。

いまは風疹をなくそうの会『hand in hand』を立ち上げ、風疹排除に向けての啓発活動を行っている。昭和37年~54年生まれの男性は風疹ワクチンを打てていない可能性が高い。これから父親になる方もいるだろうし、子供が孫を生む方もいると思う。集団免疫を作るためにも風疹ワクチンを打ってほしい。また風疹が流行らない社会にするため「あの感動をもう一度!舞台「遙かなる甲子園」を観て一歩前へ!」という名前で、クラウドファンディングも行っている。こちらも是非見てみてほしい。

可児佳代(かに・かよ)さん経歴:風疹をなくそうの会『hand in hand』共同代表。国や自治体、メディアに対して風疹対策の推進を訴える他、風しん排除に向けての啓発活動を行う。風疹をなくそうの会HP クラウドファンディング「あの感動をもう一度!舞台「遙かなる甲子園」を観て一歩前へ!」

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz

2.YouTubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA

3. radikoでも聴取可能です

最新情報は、Twitterでご確認ください。

※当コンテンツは作成時点までの信頼できると思われる情報に基づき作成しており、正確性、相当性、完成性などのほか、当情報で被ったとされる利用者の不利益に対しグロービス知見録編集部は責任を負いません。

GLOBIS 学び放題では、過去のダイバーシティニュースを動画でご覧いただけます。

RELATED CONTENTS

RELATED CONTENTS