ダイバーシティニュース 政治(9/7)川崎祐一【10/31までの限定公開】

川崎裕一(かわさき・ゆういち):スマートニュース株式会社 執行役員
1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。日本シスコシステムズ株式会社(現シスコシステムズ合同会社)、ネットイヤーグループ株式会社を経て、2004年8月に株式会社はてな入社、同年12月に取締役副社長に就任。2010年株式会社kamado設立、代表取締役に就任。2012年、同社を株式会社ミクシィが買収し、2013年1月にミクシィへ入社。同年6月に取締役最高事業責任者(COO)。2014年、スマートニュース株式会社入社。2020年7月からシニア・ヴァイス・プレジデント メディア投資事業担当。twitter

川崎裕一さんのニュースピックアップ

1.スマホ収益 世界の主流はアクティブ率向上を重視するように変化

スマホゲームのビジネスモデルが変化している。日本では「ガチャ」と呼ばれるキャラクターやアイテムが当たるくじが主な収益源だが、スマホゲームが世界に拡大すると、ギャンブル性の高いガチャ方式が問題視されるようになった。ここから、遊び放題にしたりアイテムと交換できたりする有料チケットの購入が売上の上位を占めるようになっている。結果、ユーザーの活発な交流を促し、多くのユーザーに長く遊ばせる「アクティブ率」を上げる儲け方に変化しているようだ。

2.注目のブロックチェーン、専門型増加し投資流入で価値向上

レイヤー1のブロックチェーン(BC)、Injectiveが4,000万ドルを調達した。レイヤー1とはPCのOSのようなBCで、イーサリアムやビットコインもレイヤー1に属する。重たく処理に時間がかかるレイヤー1に外付けするスキーリングソリューション(拡大解決方法)がレイヤー2で、安価な処理専用BCだ。Injectiveは金融専用BCだが、今後BCはこうした汎用型より専門型が増えるのではないか。基盤技術への投資が集中するため、相対的にBCの価値は高まると思われる。

3.保険の不正請求防止にブロックチェーンが救世主となるか?

Web3を支える基本的要素の一つがブロックチェーン(BC)であり、BCの有望な使い方として検討されているのが保険だ。米国では保険金の不正請求額が年400億ドルにのぼるが、この損害は各世帯平均400~700ドルの保険料を上乗せすることで利用者が補っている。不正請求にはパターンがあるが、その分析をBCのAIに任せるのだ。また、アナログな証書のやり取りをNFTにして所有権を明示することで、偽造請求を防ぐ方法が検討されている。

4.決済大手の米ストライプ社 垣根越えたサービス提供へ

クレジットカード決済に使う小さな端末が個人タクシーや個人商店に普及したのはここ2年ほどのこと。この決済端末の大手である米国のストライプ社が金融分野でサービスを拡大している。どこでいくら使ったかといった決済サービスで蓄積した個人の信用情報を活用することを視野に入れているのだろう。Apple PayやGoogle Payも同様の考えがありそうだ。今後消費者向け金融に起こる変革では、与信が重要な役割を果たすことになると思う。

5.Appleの業態はデバイスからクラウドへ、今後は健康・複合現実にも

AppleはPC製造会社からスマホの会社となり、ジョブズ時代に流行ったデバイス製造から、現在はクラウドビジネスへと変貌を遂げている。クラウドビジネスは利益も継続性もデバイス製造よりも高く、ティム・クックの成果といえる。今後はデバイスを通じて集めた健康情報を管理するデジタルヘルス分野や、2023年発売の眼鏡型デバイスを通じたAR・VRの複合現実分野に注力するだろう。これらのサービスには機械学習や半導体の充実が必須だ。

【スペシャルトーク】ディズニーの魔法 入園者減少なのに増益のからくり

スペシャルトークでは、引き続き川崎さんに、過去最高の売上を記録した米国のディズニーリゾートについてお話を頂いた。

米国ディズニーリゾートは、コロナ禍で入場者数を制限するなか、売上は前年同期比70%増の74億ドル、利益は3億5600万ドルから22億ドルへと大幅に飛躍させ、過去最高を記録した。これをどうやって実現したのか。

まず、これまで「与えすぎていた」特典をまるごとなくすか、もしくは有料にした。ユーザーにとっては、ファストパスや空港からのバス送迎といった「おまけ」がなくなっただけで、来場をやめるという行動にはつながらない。来場してくれるうえに、無料だったものにもお金を払ってくれることになり、これが売上増に直結した。

もう一つは、「ジーニープラス(Ginie+)」の導入だ。このサービスは、入場料とは別に一人あたり1日15ドル払うと、一部のアトラクションに並ばずに乗れるというもの。並ぶ時間が楽しいという人もいるが、時間がもったいないと感じる人にとっては魅力的なサービスだ。これによって、特にコストをかけずに、客が並べば並ぶほど儲かる仕組みを構築したというわけだ。

さらに、もっと人気があるアトラクションは、待ち時間や混雑具合に応じて10~17ドル払えば優先的に乗れるという仕組みも導入した。これは「ダイナミックプライシング」、つまり動的な価格調整の典型で、ここに新たな収益構造を見出したところがすごいと言える。ユーザーにとってみれば「値上げ」ではなく、並ばないためにお金を払うという「選択肢」を提示された形だ。巧妙なやり方だが、ユーザーに対して複数の選択肢を用意すること自体はフェアだと思う。

日本のディズニーランドでも、入園者がパーク内のアトラクションの待ち時間がわかる公式アプリを使えるが、これらのデータはすべてディズニーランド側が管理している。よって、こうしたデータは将来的にダイナミックプライシングに利用されるだろう。

たとえば、パーク内には飲食店がたくさんあるが、どこで食事をしても味は同じ。ただし、混雑の度合いは違う。僕だったらダイナミックプライシングによって、同じ料理を注文しても混雑している店は高く、していない店は安く設定するだろう。「データがお金になる」と聞いてもピンとこないという人が多いが、データを生かすとはこういうことなのだ。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
2. YouTubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)

https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA
3. radikoでも聴取可能です

最新情報は、Twitterでご確認ください。

※当コンテンツは作成時点までの信頼できると思われる情報に基づき作成しており、正確性、相当性、完成性などのほか、当情報で被ったとされる利用者の不利益に対しグロービス知見録編集部は責任を負いません。

GLOBIS 学び放題では、過去のダイバーシティニュースを動画でご覧いただけます。

RELATED CONTENTS

RELATED CONTENTS