ダイバーシティニュース経済(8/3)川崎裕一【9月30日まで限定公開】

川崎裕一(かわさき・ゆういち):スマートニュース株式会社 執行役員
1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。日本シスコシステムズ株式会社(現シスコシステムズ合同会社)、ネットイヤーグループ株式会社を経て、2004年8月に株式会社はてな入社、同年12月に取締役副社長に就任。2010年株式会社kamado設立、代表取締役に就任。2012年、同社を株式会社ミクシィが買収し、2013年1月にミクシィへ入社。同年6月に取締役最高事業責任者(COO)。2014年、スマートニュース株式会社入社。2020年7月からシニア・ヴァイス・プレジデント メディア投資事業担当。twitter

川崎裕一さんのニュースピックアップ

1.Facebook、米国内のニュース発行元との契約を打ち切り

メタ・プラットフォームズが運営するInstagramでは、アルゴリズムを通じユーザーに「オススメ」を表示している。Facebookもこの流れに沿っていたが、TikTokのようにコンテンツを重視する方向へ舵を切った。ユーザー数と滞在時間を増やす上で、ニュースの配信は有効ではないと判断したといえる。コストのかからないコンテンツを増やしたいという考えもあると思われる。

2.テスラ、メタ… 米国の成長企業が相次ぎ減収を発表

これまで好調だったメタ・プラットフォームズ、テスラ、ネットフリックスの2022年4~6月期決算は、相次いで減収となった。今後は3つのシナリオが予想される。1つは景気が回復すれば再成長するという楽観的なもの。2つ目は広告モデルなど、ビジネスモデルによっては再成長が可能というもの。3つ目は、減収は新たな技術に乗り遅れたことが原因であり、二度と復活はできないというものだ。今後の動向に注目したい。

3.米ベンチャーキャピタルによる新興企業への投資が減速

不景気の煽りを受け、スタートアップ企業への投資が急減速している。だが、新たな産業や技術を生み出す役割を担っているのはスタートアップ企業である。収益化のメドが立っておらず、創業間もない規模の小さなスタートアップ企業に出資する投資家がいなくなるのは問題だ。税制の優遇などによって投資を促していく必要があるだろう。

4.Web3ブーム崩壊の足音? 仮想通貨の暴落で懸念

株価が下がったことに連動して仮想通貨は全面安となった。リスクが認識された形となったが、仮想通貨の中に革新的な商品がないとは証明できない。Web3ブームの真っ最中に動いた海外投資家は痛手を負ったが、日本人はリスクを取らなかった。Web3はこれから成長が期待できる分野でもある。様々なWeb3企業への投資チャンスがあるとも言える。

5.Twitter、従業員をレイオフ 人材獲得部門で30%

米Twitterが人材獲得部門の社員30%をレイオフ(一時解雇)するというニュースが出た。カナダのショッピファイは全社員の1割を削減するという。ネガティブなニュースに見えるが、米国ではレイオフによって退職金を手にした能動的・優秀な人間が新たな会社の立ち上げや転職をし、次の5年、10年の経済の土台を作ることにつながっている面もある。

【スペシャルトーク】苦戦する暗号資産

スペシャルトークでは、苦戦する暗号資産について掘り下げていただいた。

「暗号資産」と「仮想通貨」は大まかに言うとほぼ同一だ。その中にビットコインやイーサリアムなど様々な商品がある。暗号資産とは、ブロックチェーン(分散台帳技術)を基礎に、(契約を自動化する)スマートコントラクト技術を活用した環境で、アプリケーションが導入されたもの。無数にあるアプリケーションの一つに「通貨」がある。その他にもNFT(デジタル所有権)やDeFi(分散型金融)など、様々なアプリケーションが存在している。ブロックチェーンはOSのようなもので、通貨やNFT、金融などのアプリケーションが全て「暗号資産」となり、アプリケーションごとに独自の仮想通貨が設定・発行できることとなる。

また仮想通貨は、株式相場の影響を受けてその価値が変動している。現実世界と切り離された独自の経済活動が行えるのであれば、仮想通貨自体に問題ないが、円やドルに変換しようとするとどうしても実際の株式相場の影響を受けてしまう。

株への投資にも共通することだが、価格には将来性への期待値が含まれている。その期待が裏切られた今、暗号資産が「苦戦」している。コロナ禍を受けた金融緩和策により、マネーが市場にばら撒かれた結果、過剰な規模のマネーが仮想通貨に流入した反動も出ている。

現在のインターネットサービスでできないことを、(ブロックチェーン技術などが活用された)Web3の概念によって実現できることを示さなければ、失望はさらに広がるだろう。

従来型のインターネット=Web2と、Web3の大きな違いは2つある。1つはNFTという技術。インターネット上で保有する財産を証明するものである。jpgなどのデータの多くは複製が可能で作者も不明なことが多いが、NFTによって複製ができなくなり、誰が作成したか、所有権がどう移転したか、全て記録に残るようになる。記録が残るため経済活動や売買もWeb上で可能となる。

2つ目はIDの変化だ。例えば現在はFacebookを使用する際にIDとパスワードが必要だが、Web3によって不要となる。暗号資産は、苦戦と言われているとはいえ、インターネットの進化の中で確実に必要なものだと言える。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
2. YouTubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA
3. radikoでも聴取可能です

最新情報は、Twitterでご確認ください。

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