ダイバーシティニュース 社会(6/13)藤沢烈【7/31までの限定公開】

藤沢烈(ふじさわ・れつ):一般社団法人RCF代表理事
1975年京都府生まれ。一橋大学卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て独立。NPO・社会事業等に特化したコンサルティング会社を経営。東日本大震災後、RCF復興支援チーム(現・一般社団法人RCF)を設立。復興および地方創生事業を、行政や企業など多様なセクターとの連携を通じて全国で展開する。著書に『社会のために働く 未来の仕事とリーダーが生まれる現場』(講談社)『人生100年時代の国家戦略~小泉小委員会の500日』(東洋経済新報社)など。Twitter

藤沢烈さんのニュースピックアップ

1. 都が首都直下地震の被害想定 最大死者数は6,100人超

今回の予測は、災害による火災や建物倒壊、あるいは津波などで直接亡くなる「直接死」の数だが、避難所生活における体調悪化などで亡くなる「間接死」というものもある。東日本大震災では約2万人に及んだ死者のうち4,000人弱、熊本地震では8割が間接死だったとされる。首都直下地震でも直接死と同規模、またはそれ以上の方々が避難生活などで亡くなる可能性があるという点には留意していただきたい。

2. 福島県葛尾村の避難指示解除 一部地域が居住可能に

避難を強いられていた福島の12市町村も今は少しずつ帰還できるようになっているが、震災前におよそ8万人が暮らしていた12市町村に帰還したのは2万人ほど。10年も経つと別の場所で家を購入したりして、仕事や家族を含め生活基盤が変化した方も多いためだ。ただ、東北で復興に関わる方々にもっと来ていただきたくという意味でも、新しく住める場所が今もまだ広がっていて、復興が続いていることを知っていただきたい。

3. サッカー日本代表ブラジル戦 スタジアムで声出し応援続出

私自身も2年ほど理事としてお仕事をさせていただいたJリーグは今、声出し解禁を視野に入れ、6月11日には茨城のスタジアムで声出し応援の運営検証が行われた。新型コロナウイルスの新規感染数も落ち着き、「もう声を出しも大丈夫では?」という声はあると思う。半面、Jリーグは地域との深い関係のなかで運営されるので、じっくり、根拠を確かめながら解禁を目指すことになる。期待しつつ、もう少しだけ待っていただけたらと思う。

4. 困窮家庭を襲う値上げラッシュ 官民一体の支援急務

ロシアによるウクライナ侵攻の影響もあり、小麦製品をはじめさまざまな食品価格が上昇している。RCFは所得が少ない家庭を対象に食事を届ける「こども宅食」の取り組みを行っているが、コロナ前に比べて反響は非常に大きい。支援先の7割はシングルマザーのご家庭で、社会が不安定になると真っ先に仕事を失いやすい非正規社員の母親が多い。困窮家庭を支えるフードバンクなど、支援団体のサポートが重要になる。

5. 「新しい資本主義」実行計画 4分野に重点的投資へ

物価高が進む状況のもと、「人」に投資を行うことでいかに賃金を高めていけるかが「新しい資本主義」の最大のポイントになると思う。利益を追求する株式会社と特定非営利活動法人(NPO)の「合わせ技」となるような新しい法人格をつくる動きも実行計画に盛り込まれており、こちらも注目だ。こうした新しい法人が融資だけでなく投資を受けることも可能になれば、社会問題を解決する動きも加速するのではないか。

【スペシャルトーク】新しい資本主義

スペシャルトークでは、岸田内閣による「新しい資本主義実現会議」の有識者メンバーの1人であり、READYFOR株式会社の代表取締役CEO(最高経営責任者)である米良はるかさんにお話を聞いた。

「新しい資本主義実現会議」はメンバー15人のうちほぼ半分が女性だ。総理が議長となる会議でこれほどの男女比率になったことはなかったと思う。会議の前には大臣の方々も交えて皆でいろいろ話をするような時間も設けられていたりして、問題解決に向け皆で意見を出し合えるような会議の設計をしていただいていると感じる。

この会議は、資本主義が内在する課題を解決するという壮大なテーマを掲げている。資本主義は、どうしても短期で利益が生まれる領域にお金が流れやすい構造となっている。これに対して私としては、経済合理性だけで解決できないような問題に挑む社会起業家の方々を、官民連携のパートナーとして問題解決の中心に据えていくことが重要ではないかと申し上げている。そのうえで、経済合理性の外にある領域へヒト・モノ・カネが流れるようなエコシステムをつくるべく、インパクト投資や新しい法人格に関する議論などに取り組んでいく必要がある。

READYFORとしても、クラウドファンディング(CF)、遺贈寄付、休眠預金活用といった新しいお金の流れに介在することで社会的インパクトを最大化していきたい。重要なのはお金の流れを可視化すること。今までは募金箱に入れたお金がどう使われているか分からないことも多かったので、「ここにお金を出して良かった」と思ってもらえるような流れをつくりたい。

岸田総理に関しては、ご自身でおっしゃっている「聞く人」という通りの印象を受けている。以前、さまざまな社会起業家の方々と車座でお話をしていただいたときは、それぞれの現場でどのような問題が起きているのかという話を聞きながら非常に熱心にメモをされていて、ご自身でも質問をなさっていた。社会問題に耳を傾け、真剣に解決しようという想いを持った方だと感じる。

「新しい資本主義実現会議」は、課題解決を成長エンジンにするということを大きく打ち出している。今後はプレイヤーをどのようにサポートしていくか、官民連携はどうあるべきかといった点を具体化していく必要がある。本会議でも、私自身の企業経営でも、NPOや社会起業家の皆さまと連携していき、今年が社会課題を解決する皆さまにとって何かしらの“元年”になるよう頑張っていきたい。

米良はるか(めら・はるか):READYFOR株式会社代表取締役CEO
1987年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。2011年にクラウドファンディングサービス「READYFOR」の立ち上げを行い、2014年に株式会社化し代表取締役 CEOに就任。World Economic Forumグローバルシェイパーズ2011に選出。日本人史上最年少でダボス会議に参加。現在「新しい資本主義実現会議」有識者メンバーを務める。Twitter

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
2. YouTubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA
3. radikoでも聴取可能です

最新情報は、Twitterでご確認ください。

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