ダイバーシティニュース テクノロジー(4/8)中村友哉【5/31までの限定公開】

中村友哉:株式会社アクセルスペースCEO

東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程修了。在学中より、超小型人工衛星の開発に携わる。2008年に株式会社アクセルスペースを設立。超小型人工衛星を活用した宇宙ビジネスを展開している。

中村友哉さんのニュースピックアップ

1.星の発見続け30年 太陽系外惑星の確認数5000個突破

アメリカ航空宇宙局(NASA)は、太陽系外惑星アーカイブに登録されている確認済み系外惑星の数が5005個になったと明らかにした。系外惑星とは太陽以外の恒星の周りを公転する惑星のこと。観測方法も進化し、見つかる頻度は飛躍的に増えてきている。地球以外にも生命の存在する星が見つかる可能性が高まっていると言えるだろう。

2.新型月ロケット「アルテミス1号」 発射台に設置

NASAの新しい月探査計画 アルテミス計画の土台となる新型月ロケット「アルテミス1号」が3月17日、発射台に設置された。発射直前までの実証実験を行ったがトラブルが発生し、6月に予定されていた打ち上げも後ろ倒しになる予定。人間が月に行くのは「アポロ計画」以来。万全の準備をして成功させてほしい。

3.H3ロケットのエンジン燃焼試験、計画通り完了

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、次期基幹ロケット「H3ロケット」におけるLE-9エンジンの燃焼試験を実施した。1回目では不具合が見つかったため、3月30日に2回目の試験を追加で実施。こちらの試験で計画通り終了した。当初は昨年に打ち上げられる予定だったが後ろ倒しになっている。今後の動向を注視していきたい。

4.競合のOne WebとSpeceXがタッグ ロシアに頼らず 

イギリス政府が出資する衛星通信企業 OneWebは、新たな衛星をSpaceXのロケットに搭載して打ち上げると発表した。もともとOneWeb社はロシアのロケットによる打ち上げを予定していたが、情勢変化により別の道を模索。SpaceX社と手を組むことになった。OneWeb社とSpaceX社は競合関係にあたるので、非常に驚いている。

5.地上と空は別!? 宇宙船でのアメリカとロシアの関係性

国際宇宙ステーション(ISS)に滞在していたアメリカとロシアの宇宙飛行士3人が3月30日、ロシアの宇宙船で地球に帰還した。予定されていた帰還とはいえ、今回は米ロの緊張が高まる中で注目が集まっていた。宇宙から見れば、地球はその中のちっぽけな星の一つ。宇宙飛行士は、国が違っても同じ地球の仲間であると感じるのだと思う。

【スペシャルトーク】小型SAR衛星

スペシャルトークでは「小型SAR衛星」について、同衛星を開発・運用する宇宙企業、株式会社Synspective 執行役員・淺田正一郎さんにお話を頂いた。

小型SAR衛星とは自分からレーダーを飛ばし、その反射波を捉えて画像情報を得る衛星だ。光学衛星は太陽光の反射を捉えるのでカラー写真を撮れるが、夜間であったり、雲があったりすると撮影ができない。一方、SAR衛星は、夜でも雨でもいつでも撮ることができる。Synspectiveが開発している小型SAR衛星は、高度500kmを飛ぶが、地面におけるミリ単位の変化を捉えられる。そのため地盤沈下も予兆がでたタイミングで気づくことが可能。このように災害の予測に役立てられ、数を増やせばよりスピーディーに情報を収集し届けられるため、3年以内に10機以上をあげる予定がある。

私は三菱重工業でロケット事業に30年以上携わってきた。いま民間企業がロケットを開発する時代になってきているが、そのきっかけをつくったイーロン・マスク氏の動きには当時から注目していた。マスク氏はロケット事業で「当たり前」だったことを次々と覆していった。例えば、ロケットのコストダウンといえば、エンジンの数を減らし、部品点数を減らすことだった。しかしSpaceXのロケットにはエンジンを9基も積んでいる。使い捨てだったエンジンを再利用することまで考えた。別の業界から来た人物だからこそできた発想の転換だと思う。

最近、日本でも民間でロケットを開発する動きが活発になってきているが、今後のロケット開発は2極化していくと思う。一つは、我々がつくるような小型の衛星を運ぶための小型ロケット開発。そしてもう一つは火星探査など、大きなミッションを担う大型ロケット開発だ。個人的には日本でのロケット打ち上げが活発になってほしい。「日本製の人工衛星を日本で打ち上げる」ことが当たり前の話になると期待している。

淺田正一郎(あさだ・しょういちろう)さん経歴:東京大学大学院工学系研究科航空専攻修了後、三菱重工株式会社に入社。N-1ロケット、N-2ロケット、H-1ロケット、H-2ロケットの構造設計開発など、様々な宇宙開発事業に携わる。米国三菱重工業副社長を経て2017年退職。日本ロケット協会会長、財団法人日本宇宙フォーラム常任理事も歴任。現在は株式会社Synspective 執行役員ビジネス開発部ゼネラルマネージャー。

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