ダイバーシティニュース 社会(4/11)駒崎弘樹【5/31までの限定公開】

駒崎弘樹(こまざき・ひろき):認定NPO法人フローレンス 代表理事
1979年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2004年にNPO法人フローレンスを設立し、日本初となる「共済型・訪問型」の病児保育サービスを開始。2010年より内閣府政策調査員などを歴任。 現在、厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員会座長、内閣府「子ども・子育て会議」委員。『政策起業家 ――「普通のあなた」が社会のルールを変える方法』(ちくま新書)、『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』(英治出版)など、著書多数。公式サイトTwitter

駒崎弘樹さんのニュースピックアップ

1. 自公「こども基本法案」了承も第三者機関の設置は見送り

「子どもの権利条約」に則った法律がないからこそ、教育現場でいじめ対応が進まない等、子どもの権利が踏みにじられることが多かった。その権利侵害を調査・勧告するコミッショナーの設置に自民党の一部からは「わがままな人間が育つ」と反対する声が出ているが、いじめから子どもを守ることでなぜわがままな人間が育つのか。こども基本法自体はできるので、とりあえず今回は半歩前進だが、ゆくゆくはコミッショナーも設置させたい。

2. 学生の官僚離れ 国家公務員試験の受験者数が5年連続減

“ブラック霞が関”と言われるほど官僚の世界は働き方改革が進んでおらず、今は優秀な官僚ほど辞めてしまう状況でもある。今後は国会の適正なルール化が鍵になるし、質問趣意書を夜中まで書かせたりする政治家がまず変わらなければいけない。国民も「税金で食っているんだから」と考えるべきでない。資料持参で議員事務所まで来させて説明させるような前時代的働き方を改め、オンライン等を活用するDXも必要だ。

3. 特別養子縁組の理解拡大へ 厚労省が情報提供

特別養子縁組制度・里親制度が知られておらず、不妊治療で悩む方々に血縁関係でなくとも家族ができる選択肢があると伝わっていない。アメリカでは不妊治療を行うクリニックに養子縁組のチラシが置いてあり、ソーシャルワーカーの説明を受けたりできる。今回、ようやく厚生労働省が医療機関における説明の手引等をつくった。予期せぬ妊娠で悩む方も絶望せず、養子縁組で子どもを託す方法があることを知って欲しい。

4. 「父親の育休」取得増へ 改正育児・介護休業法が施行

配偶者が妊娠した男性社員に、企業側から「育休が取得できるよ」と伝えることが義務化された。4月以降「自分は教えてもらえなかった」という方がいたら、それは会社が違反している状態となる。産前産後の“男性産休”が取得可能になった点も大きい。出産後女性の死因1位となる産後うつによる自殺を防ぐためにも、のちのち2馬力で育児をするうえでも、出産直後から男性が育児にコミットすることは大変重要だ。

5. 北九州市が妊娠届のアプリ申請に対応 母親の負担軽減へ

行政手続きの申請は極めて面倒だ。役所まで足を運び何度も名前や住所を書かねばならず、外国籍の方や読み書きに難のある方は特に大変だろう。今後は出生届や転居届など、さまざまな申請を自宅でもデジタルで行えるようにすべきであり、行政のDXは待ったなし。コロナ給付金についても、デジタルで銀行口座の情報等にすぐアクセスできるような状態であれば、もっと迅速に対応できていたと思う。

【スペシャルトーク】東京都のデジタル改革

スペシャルトークでは、ヤフーの代表取締役社長を経て、現在は東京都副知事として活躍する宮坂学氏に、東京都のデジタル改革の現状と今後の展望についてお話を伺った。

東京都のDX改革がなぜ必要かと言えば、デジタル技術の活用で行政サービスをもっと便利にできるチャンスがあるから。かつては井戸で生活できていたが、水道インフラという便利な技術の導入後、その便利さに気付いてからは、みな井戸に戻れなくなった。今はその便利な技術がデジタルにあたるのだと思う。デジタルを活用し、もっと簡単に行政手続きができるようにしたり、行政の窓口から行列を解消したりしていきたい。

今は主に3つのテクノロジーに取り組んでいる。まずはハードウェアやネットワークに関する取り組みだ。家庭のデジタル環境に関わらず、あるいは災害時を含めて、「いつでも誰でも、何があってもつながる東京」にしていく。2つ目は、都が管轄する水道局や交通局のデジタル化推進だ。交通であればMaaS(Mobility as a Service)の実現などによって行政サービスをより良いものにしていきたい。これは「街のデジタル化」と呼んでいる。そして、3つ目は都の職員にとって働きやすい仕事環境をつくる取り組み。自宅でのオンライン会議の参加や、スマホを活用した業務などだ。デジタルは仕事をする道具であって、ケチるとろくなことにならない。「道具のデジタル化」も必要だと考えている。

もともと、東京都でもデジタル化が進んでいた部分はあったが、今後はサービスを使う側にスポットを当てて使い勝手を高めていく必要がある。デジタルの役割は、たとえば対人サービスやインフラ等、今ある都庁の本業をさらに良くしていくこと。現場が分からないと的外れなものになってしまうし、現場で活躍する職員の方々が自分たちで少しでも分かるようになることが重要だと考えている。

個人的には、焦って物事を一気に進めようとしないように気をつけている。スピード感は大切だが、あくまでも都の本業に影響が出ないよう、連続性を大切にしつつ着実に進化させていきたい。ヤフーにいた頃のように「爆速」とは絶対に言わない(笑)。また、より良いサービスをつくるため、「使いづらい」という声でも構わないので、都民の皆さまにはフィードバックをいただけると嬉しい。

宮坂 学(みやさか・まなぶ):東京都副知事
1967年生まれ。同志社大学経済学部卒業後、株式会社ユー・ピー・ユーに入社。1997年に設立2年目のヤフーに入社。2002年メディア事業部長、2009年執行役員コンシューマ事業統括本部長、2012年代表取締役社長。2018年Zコーポレーション代表取締役社長。2019年、東京都参与を経て東京都副知事に就任。Twitter

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
2. YouTubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA
3. radikoでも聴取可能です

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