ダイバーシティニュース 政治(1/11)河添恵子【2/28までの限定公開】

河添恵子(かわそえ・けいこ):ノンフィクション作家
一般社団法人美し国なでしこオピニオンの会顧問。1963年千葉県松戸市生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、1986年より北京外国語学院、1987年より遼寧師範大学(大連)へ留学。『中国人の世界乗っ取り計画』(産経新聞出版)、『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)、『豹変した中国人がアメリカをボロボロにした』(産経新聞出版)、『覇権・監視国家 世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)等、著書多数。報道番組でのコメンテーターとしての出演も多数。Twitter

河添恵子さんのニュースピックアップ

1. 在日米軍関係者に2週間の外出制限 マスク着用義務も

今は何が起きてもおかしくない時期。行動を制限するにしても米軍の士気が下がらないよう配慮して欲しい。2022年は沖縄の本土復帰50周年、日台断交から50年、そして日中国交正常化50周年という節目の年。中国に限らず、どこかが何かを仕掛けてくるかもしれない。バイデン政権は「台湾侵攻は現実の脅威である」と述べているし、ひとたび台湾有事となれば沖縄はじめ日本の安全保障には大変な影響がおよぶ。

2. 北京隣接の天津でオミクロン株確認 全住民にPCR検査へ

習近平政権はコロナ陽性者ゼロを目指してきたが、そもそも数字を操作する国であるし、これまでの少ない数字が本当だったどうかも分からない。また、天津は張高麗元副首相のお膝元。習氏と敵対関係にある江沢民派に属する張氏だけに、北京五輪の成功による国威発揚を目論む習氏の邪魔をする可能性も否定できない。五輪の利権も絡んでくれば、内紛というより内戦のような状況にすらなり得るのではないかと感じる。

3. 融和から一転、ドイツ新政権は人権問題で中国に厳しい姿勢

前首相は「中国が最も重要なパートナー」とまで言っていた。そのなかでドイツの自動車産業は中国市場で大変な利益をあげていたが、今後は厳しくなるのかなと思う。「我々とEUはWin-Win関係」と言う中国と対照的に、今はドイツ産業連盟も「両国の貿易には不均衡がある」と言っている。一帯一路構想への実質的カウンターとなる「グローバルにつながる欧州」構想も打ち出されており、両国関係は大きく変わってきた。

4. フィンランド大統領がNATO加盟発言 欧露間で高まる緊張

日本から欧州に飛ぶ際はヘルシンキで乗り継ぎをすることも多く、“最も近いヨーロッパ”とも言えるフィンランドだが、歴史的にはロシア帝国から独立した国。他の北欧諸国と異なり、西側対ロシアという構図のなかで元来はどっちつかずの立ち位置だった。ただ、最近は北欧やバルト三国もロシアに警戒感を高めている状況にあり、ロシアとしてはフィンランドのNATO(北大西洋条約機構)加盟に怖さを感じているのだと思う。

5. シティグループがワクチン未接種の米国内従業員を解雇

日本でも起きかねない話だ。大企業がコロナ禍に便乗した人減らしをしているようにも感じる。ただ、接種の選択肢しかない状況が本当に良いことなのか。アメリカではワクチン接種証明がないとオフィスに入れない企業も出てきたが、さまざまな理由で接種できない方もいる。最近はテニス世界ランキング1位のジョコビッチ選手が接種をめぐり豪州に入国を拒否されたというニュースもあった。各国で全体主義のような流れも感じ、強く危惧している。

【スペシャルトーク】北京冬季五輪後の世界

スペシャルトークでは、「北京冬季五輪後の世界激震はあるか?」というテーマで、緊張感を増す今後の世界情勢について河添恵子さんに掘り下げていただいた。

日本は「戦後○○年」のように“戦後”という言葉を使うが、世界を見渡すと、すでに戦前か戦中といった感覚がある。事実、今はあちこちに火種がある状況だ。

まず、最近はNATOの話がよく出てくる。これに相対するロシア主導の集団安全条約機構に加盟しているのは2022年時点で6ヶ国。アメリカをはじめ30ヶ国を擁するNATOに比べ圧倒的に少ない。NATOは当初12ヶ国で構成されていたところ、ポーランド、ルーマニア、ブルガリアが次々加盟し、今後はウクライナも加わる可能性が出てきた。今はフィンランドもスウェーデンも同陣営に近づいているし、かつてソ連構成国だったバルト三国すらNATO側。別にプーチン大統領の代弁をするわけではないが、ロシアからすれば「脅威に感じているのは我々のほうだ」という話なのだろう。

ロシアがカザフスタンに介入したのは、そうした流れに対する危機感があったのではないか。カザフが西側陣営に取り込まれたら、数千キロにおよぶ同国との国境で西側と向き合うことになる。ロシアにとっては耐えられないことだ。だからすぐに軍を出してきたのだろう。

また、今は中国も中央アジアに入り込んできた。一帯一路のルートに入るカザフスタンには中国企業が増えており、この動きもロシアは歓迎していない。もしかしたらカザフを内側からかき回している勢力のなかには、中国もあるかもしれない、と。中国には中国の国益があるわけで「ロシアとの関係が悪くなるような動きはしない」と考えるべきではない。

いずれにせよ、戦争の形も複雑になっているなかで今はパワーバランスが崩れ、小さな国々は右往左往する一方、大きな国は周辺国を自陣営に取り込むような動きを活発化させている。そうしたなか、2014年には世界的イベントであるソチ冬季五輪のあとロシアがクリミアに侵攻し、ヨーロッパとの関係が大きく変わった。同じように、北京冬季五輪のあとも何かあるのではないかと考えるのはおかしくないと思う。各国がそれぞれ思惑を持った複雑怪奇な国際関係のもと、これから世界は大きく姿を変えると思う。また、その変化についていけず消えてしまう日本企業も今年以降は増えていくのではないかという危惧がある。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
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