ダイバーシティニュース 政治(1/4)津田大介【2/28までの限定公開】

津田大介(つだ・だいすけ):ジャーナリスト/メディア・アクティビスト 
メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。ソーシャルメディアを利用した新しいジャーナリズムをさまざまな形で実践。オンラインメディア「ポリタス」編集長を務める。Twitter

津田大介さんのニュースピックアップ

1. 公明党元議員らが日本公庫への違法仲介で在宅起訴

コロナ禍で日本政策金融公庫への借り入れ申し込みが殺到していた時期も、同公庫を所管する財務省で副大臣を務めていた遠山清彦元議員に仲介を頼むと、すぐ審査が通ったという。その見返りに遠山氏は計約1000万円を受け取っており、普通に聞いた限りでは収賄だと感じる。公明党幹部候補だった議員時代の話であるし、今回は他の公明議員秘書も在宅起訴された。党として調査したうえで結果の公表が求められると思う。

2. 次世代高速炉開発で日米連携 「もんじゅ」の技術を再利用

高速炉が本当に実用化できれば核のゴミが減らせるし、CO2を出さずに電力を安定供給できる利点もある。ただ、扱いが難しいナトリウムの漏洩事故もあり、結果としては25年以上の時間と1兆1,300億円の経費をかけながら「もんじゅ」は廃炉となった。前提条件となる再処理工場の完成も予定されていた2022年上期は難しいと言われており、夢のある技術ではあるが、現実味はどこまであるのかと感じる。

3. 2030年冬季五輪は札幌か 22年度内に候補地一本化へ

東京五輪で感じたのは「IOC(国際オリンピック委員会)にぼったくられたのでは?」ということ。「札幌はすでに冬季競技のインフラが整っており、整備費は800億、市の負担は450億に抑えられる」と言うが、東京五輪でも似た話を聞いた。コロナ禍にあって開催に踏み切った東京五輪で、当初予定を遙かに超える費用がかかり、そのことで誰も責任すら取らず税金を突っ込んだ理由を先に検証すべきではないか。

4. デジタル田園都市国家構想で地方のデジタル環境整備を推進

生産性向上のためにも社会全体のデジタル化は不可欠だが、2023年度までに5G比率を9割に高めるとのことで、基地局設置等の採算が合わない地域については国と事業者で費用負担の綱引きになりそうだ。また、もともと日本の回線インフラは世界トップクラスだったわけで、単なる通信システムの整備で終わらせてはいけない。5Gを活用し世界に通用するサービスを生み出して初めて意味を成すのだと思う。

5. 大阪府がIT業務を民間に委託 来年度に新会社設立も

パブリックセクターのスリム化という維新の改革路線に則った施策であり、公務員の給与体系では優秀なIT人材を確保できないことも新会社設立の背景にあるという。ただ、それなら特別公務員として給与だけを民間に合わせればいいと思うし、なんのための民営化なのか、少し見えにくい。民営化で議会が関与しづらくなるガバナンスの問題もあり、どのようなスキームで進めるのかを今後精査する必要がある。

【スペシャルトーク】「ヤフコメ」の誹謗中傷問題

スペシャルトークでは、Yahoo!ニュースのコメント機能(以下、ヤフコメ)における誹謗中傷の問題について、津田大介さんに掘り下げていただいた。

ヤフージャパンが昨年取りまとめた「透明性レポート」によると、たとえば昨年3月は1カ月で35万件のヤフコメが「過度の批判や誹謗中傷」等の理由で削除されている。コメント全体の3%にあたるという。たとえばツイッターもアクティブーザーは4,500万人いるわけで、実際に炎上等で参加しているのはその1~3%前後。誹謗中傷を繰り返すのは、いわば“ラウドマイノリティ”だ。

もちろん、ごく一部だから放っておけばいいということはない。ニュースに酷いコメントがつけば、何かの被害を受けた人に対して2次加害のような中傷も増えたりするわけで、その分かりやすい例が昨年の小室圭氏叩きだった。ヤフーはこれまでそうした問題に対応してこなかったが、Yahoo!ニュースの成長に伴いヤフコメの社会的影響力が大きくなってきたこともあり、昨年、小室氏に関するニュースではコメント欄をすべて閉じるなどの対応もあった。

ただ、それだけでいいのか。皇室トピック以外でも誹謗中傷は尽きず、例えば法務省がヘイトスピーチと認める在日コリアンへの「国に帰れ」といった物言いもいまだ多い。憎悪感情の放置によって社会不安が煽られているような面があり、ヤフーにはなんらかの社会的責任が問われるのではないか。

同社は現在、AIによる監視・自動削除とともに、万能でないAIを補完すべく70人を動員したパトロール巡回も行っているという。ただ、結果を見る限り人手は足りていないし、今後は一日中酷いコメントをチェックしなればいけない方々のメンタルに配慮する必要も出てくるだろう。そこまで考えると「ヤフコメの運営はすでに破綻しているのでは?」と思えるが、それでも運営を続けるなら、問題のある投稿に関し、すぐ削除要請や発信者情報開示請求ができるようにする等の対応を取るべきではないか。

加えて、先日はロシアのメディアがヤフコメを一部ねつ造して自社ニュースに転載しているとの報道もあった。ロシア国内向けの世論工作だ。日本には直接関係ないように思えるが、そうした工作が当たり前になれば、たとえば北方領土交渉にネガティブな影響を与えるような世論をつくりだす可能性もある。ひとえにYahoo!ニュースが持つ社会的影響力の大きさによるもの。ヤフーはもっとコストをかけ、人権等について多様なステークホルダーを加えたうえでコメント運営を検討・改善する必要があると感じる。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
2. YouTubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA
3. radikoでも聴取可能です

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