ダイバーシティニュース 政治(12/14)河添恵子【1/31までの限定公開】

河添恵子(かわそえ・けいこ):ノンフィクション作家
一般社団法人美し国なでしこオピニオンの会顧問。1963年千葉県松戸市生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、1986年より北京外国語学院、1987年より遼寧師範大学(大連)へ留学。『中国人の世界乗っ取り計画』(産経新聞出版)、『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)、『豹変した中国人がアメリカをボロボロにした』(産経新聞出版)、『覇権・監視国家 世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)等、著書多数。報道番組でのコメンテーターとしての出演も多数。Twitter

河添恵子さんのニュースピックアップ

1. 約100の国と地域招き「民主主義サミット」がオンライン開催

同サミットでバイデン大統領は、世界を「民主主義vs権威主義」という構図で分けている。対中政策を強める意図があるのだろう。その中国は「アメリカの民主主義は金権政治になり下がった」などと批判しているが、民主主義と権威主義の違いは「法の支配」と「法による支配」。権力集中を防ぐためチェック&バランスの機能を働かせる前者と異なり、権威主義は独裁者が勝手に決めた法によって人々を支配するものだと考えている。

2. 国際テニス連盟(ITF)も中国での大会開催を見送りか

彭帥選手が安否不明となっている件で、今はフェデラー選手や大坂なおみ選手といったトッププレイヤーたちも懸念を示している。彼らが中国での試合に出場しないならITFとしても同国で大会を開催する旨みはないだろう。一方でIOC(国際オリンピック委員会)の対応はだいぶ異なるが、バッハ会長は習近平氏とも、彼と敵対関係にあるとされる江沢民派の張高麗前副首相とも会談しており、両勢力におもねっているかもしれない。

3. 林外相への批判も 自民党内で高まる対中国政府強硬論

永田町全体が中国共産党への警戒モードに入っている今、日中友好議員連盟の会長だった林芳正外務大臣は批判に晒されることが多い。ただ、林氏は米国政府内で知日派を育成せんとする「マイク・マンスフィールドフェローシップ・プログラム」を立ち上げた方でもある。アメリカとの関係は大変深く、中国を観察する意図もあって同連盟の会長をしていたのかもしれない。簡単に「媚中」「親中」と括れないように思う。

4. 米、ウイグル人権侵害に関与の中国AIベンチャーに投資禁止

当該企業が開発したAIを用いると、マスクやサングラスをしていても顔認証ができてしまうという。そうした技術がグローバルに広まれば世界中の人々が中国に監視されるわけで、前述の「民主主義サミット」には、北京に各国の情報が掴まれることを是が非でも防ぐという目的もあったのだろう。「人権」「民主主義」という耳当たりの良い言葉を使っているが、実情は中国の軍拡を防ぎたいとの思惑や焦りがあるのだと思う。

5. 英非政府組織がウイグル人権侵害を「ジェノサイド」と認定

イギリスは何年も前から「中国はジェノサイドを行っている」と強く言っていた。そもそも共産主義は「キングやクイーンのような君主は不要」とする立場。英連邦の君主制と非常に相性が悪い。また、現在はWHO(世界保健機関)のように中国共産党の影響力に“赤く”染まってしまった国連機関も多い。そうした状況を打破するため、人権問題を扱うNGOにお金を投下するなどして反共産党キャンペーンを張る意図があるのだろう。

【スペシャルトーク】「民主主義と人権」が中国の軍事拡大を牽制

スペシャルトークでは、軍拡を続ける中国と、それを牽制する西側諸国の動きについて、河添恵子さんに掘り下げていただいた。

国防費を増大させる中国だが、同国では企業も共産党のコントロール下にあり、民間には軍事目的でも使える「デュアルユース」の技術が多い。また、今は9,500万人にものぼる共産党員が、日本を含む西側各国で軍事転用できる技術を盗み、中国に持ち帰っている疑いも多い。そこまで考えると、中国では民間企業も共産党員もすべてが軍拡をしていると捉えることもできる。これは大変な恐怖だ。

そうした流れのなか、2016年にはイギリスを訪れた習近平国家主席の一行に関し、「とても失礼だった」というエリザベス女王の発言もあった。その頃から、すでにイギリスでは「中国の軍拡をこれ以上野放しにしてはいけない」というゴングが鳴っていたのだと思う。

また、中国の「一帯一路構想」に参加すればHUAWEIやZTE(中興通訊)のインフラを使うことになり、「どの企業が何をどう運んだか」といった物流情報等も共産党へ筒抜けになる。だからこそデジタル監視者社会の覇権を北京に握られないよう、西側は人権と民主主義を踏まえた「クリーンネットワーク」の考え方も掲げつつ、中国の影響力を排除しようとしているわけだ。

こうした状況にあって、日本はいわば股裂き状態とも言える。「中国側につくのはダメ」という圧力を受けることで、周回遅れではありつつも、政治の側は欧米と歩調を合わせてきた。中国を警戒する右派の人々が自民党内で主流になってきたし、その中心が高市早苗議員でもあるのだと思う。

問題は企業だ。今は中国から出るも地獄、残るも地獄。出ていくなら裁判を起こされ、お金も技術も根こそぎ取られてしまったりする。しかし、世界は中国寄りの対応に冷たくなってきており、政治的中立ばかり掲げていては、いずれ“お仕置き”をされる可能性がある。西側だけが正しと言うつもりはないし、経営者の決断に我々はとやかく言えないが、世界の流れをつくっているのは日本ではない。だからこそ、中国に関するリスクマネジメントをしっかり行っていくしか日本企業に生きる道はないのだと思う。平成の感覚のまま、中国にだけ肩入れしているような企業の先行きは暗く、西側諸国との関係も切れてしまいかねないと思う。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
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