ダイバーシティニュース 社会(12/13)駒崎弘樹【1/31までの限定公開】

駒崎弘樹(こまざき・ひろき):認定NPO法人フローレンス 代表理事
1979年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2004年にNPO法人フローレンスを設立し、日本初となる「共済型・訪問型」の病児保育サービスを開始。2010年より内閣府政策調査員などを歴任。 現在、厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員会座長、内閣府「子ども・子育て会議」委員。『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』(英治出版)など、著書多数。公式サイトTwitter

駒崎弘樹さんのニュースピックアップ

1. 不妊治療行う夫婦に里親・特別養子縁組の情報提供を強化

日本で親と暮らせない子どものうち里親などと暮らす子どもは22%。米英の70~80%台と比べて大変低い。一方で、体外受精の実施件数は年間46万件に達するものの、誰もが不妊治療に成功するわけでもなく諦めるカップルは多い。そうした方々に養子縁組の橋渡しをしようという施策であり、不妊で苦しむ方々に子どもを迎える選択肢と、子どもたちが家庭に近い環境で暮らせるチャンスが増えるのははすごく良いことだと思う。

2.  有識者会議が子ども政策への思い切った財源投入を提言

提言には「こども庁をつくっただけでは駄目ですよ」という、いわば裏のメッセージがある。厚生労働省の子ども家庭局や内閣府の子ども・子育て本部等、各省庁の部門を集めて創設されるこども庁だが、働く人の数が変わらなければできることは今までと変わらない。予算についても同じだ。省庁を切り出しただけという結果にせず、政策を前へ進めるため、ぜひ岸田政権には大胆に予算をつけていただきたい。

3. 10万円相当給付で全額現金を検討する自治体相次ぐ

クーポンに対して批判は多いが、経済的に困窮している方々のためにも即効性ある現金給付自体は行うべきだと思う。ただし、保育園や一時保育・病児保育等、社会保障の世界で「現物支給」と言われる各種行政サービスのほうが、長い目で見ると現金給付より大事なことはある。保育園のような社会インフラが利用できなければ現金を持っていても子育てはしづらいままだったりするわけで、現物給付も充実させていただきたい。

4. 乳幼児の死亡検証で 添い寝・添い乳による窒息多数か

乳幼児の死因についてはよく分かっていない部分も多かったが、滋賀県で死因を検証するCDR(チャイルド・デス・レビュー)のモデル事業が行われた結果、窒息死が多いことも分かったという。添い寝、あるいは母乳をあげながらウトウトしてしまったとき、寝返りが打てない赤ちゃんを抑えてしまい窒息を引き起こしてしまう、と。こうした原因が分かれば啓発活動等で再発防止につながることもあるので、CDRは全国に広がって欲しい。

5.定員割れで保育所存続困難に 多機能化で持続可能性探る

政府・保育関係者の努力や少子化が相まって、あと1~2年で待機児童を解消できるところまできたが、今後はポスト待機児童時代。子どもの数で補助金が決まる保育所は定員割れを起こすと経営できなくなる。大変もったいない。共働きの家庭だけでなく専業家庭にも子どもを預けたいニーズはある。地域で暮らすすべての子どもと、その親を支える場所へと、今は多機能化によって保育所の存在意義を変えていく転換点にあるのだと思う。

【スペシャルトーク】環境問題と社会貢献

スペシャルトークでは、環境問題を身近な問題として捉えた著書『最近、地球が暑くてクマってます。シロクマが教えてくれた温暖化時代を幸せに生き抜く方法』(文響社)を最近発表した作家の水野敬也さんに、社会貢献や環境問題の考え方についてお話を聞いた。

若い頃、初めて訪れたラスベガスのビュッフェでカニを食べていたとき、トイレに行こうと席を立ったらウェイターが食べかけのカニを下げてしまった。で、新しいカニが盛られたテーブルを指して、「あそこにあるから」と言う。皆、毎日そんな風に食いまくっていたわけだ。「カニって、そんなに地球にいるのか?」と。若い頃からそんな不安が少しありつつ、ここ3~4年でいよいよ気候変動が大きな問題になってきたことが、今回の本を書いた経緯にもなる。

気候変動による本当の影響はまだ誰も分からないというのが正直なところだと思う。「珊瑚礁が99%なくなる」と言われてもピンとこないし、水害が増えているといった話を除くと、「自分たちの生活が明確に危なくなるのはいつの話なのかな」と。だから、その影響をポップに、ジョークも交えつつ伝えられないかと考え、著書はシロクマによるプレゼンという形にした。それでも伝え切れていないと思う面はあるけれど。

いずれにしても、「お金持ちになりたい」みたいな煩悩にまみれて生きてきた僕は、その煩悩を突き詰めていった先、“自分の範囲”が広がったというか。「自分がお金持ちになるだけだと幸せになれないぞ?」と感じる一方で、その範囲を自分の子ども、あるいは見知らぬ子どもたちにまで広げると、求めていた“満たされる感じ”に近づける。そんなことを感じるようになった頃、駒崎さんとも出会った。

僕は中学時代、好きな女の子が川で溺れているのを助けるなんていう妄想をよくしていたけれど、フローレンスさんへの寄付はそれに近いかもしれない。何かサポートさせていただいたことで「こういう結果につながるんじゃないか?」というのが、「救出した女の子に惚れられる」という想像から得られる感動に近いような。

資本主義のピラミッドを登る過程で手に入れた多くのものは自分を幸せにしてくれなかった一方、たとえば子どもを育て、支えていくことは自分の幸せに直結する感じがあった。「ということは、やっぱりそこに何かあるぞ」と。印税収入のような直接的見返りと違って、寄付等の社会貢献をして良かったと思えるタイミングは未来にしかない。10年後、20年後、もっと言えば死ぬ間際に「あのとき寄付しておいて良かったな」と思える可能性があるというか。僕が寄付をしているのは、そういうところに興味を持っているからかもしれない。

水野敬也(みずの・けいや):作家
1976年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒。処女作『ウケる技術』(共著)が25万部のベストセラーに。代表作『夢をかなえるゾウ』は170万部を超え、現在も版を重ねている。他の著書に『雨の日も、晴れ男』『大金星』がある。作家活動以外にも、恋愛体育教師・水野愛也として、著書『LOVE理論』、講演DVD『スパルタ恋愛塾[ソフト編・ディープ編]』がある。またDVD『温厚な上司の怒らせ方』の企画構成・脚本や、漫画『地球くん』の企画・原案を手がける。株式会社ミズノオフィス公式HP公式ブログTwitter

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
2. YouTubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA
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