ダイバーシティニュース テクノロジー(12/3)鈴木寛【1/31までの限定公開】

鈴木寛:東京大学教授/慶應義塾大学教授

東京大学法学部卒業後、通商産業省(現:経済産業省)へ入省。資源エネルギー庁、国土庁、産業政策局等にて勤務。退官後、慶應義塾大学助教授へ。その後、参議院議員、文部科学副大臣(2期)、文部科学大臣補佐官(4期)として活躍。現在は東京大学教授、慶應義塾大学教授、社会創発塾塾長、Teach for All Global Board Member、日本サッカー協会理事など、様々な顔を持つ。Twitter 公式サイト

鈴木寛さんのニュースピックアップ

1.楽天モバイル、AIを搭載した自律型ネットワーク開発へ

楽天モバイルがBeyond 5G導入に向け、名古屋大学などと共同でAIを組み込んだ「協調型自律ネットワーク」の研究開発に乗り出した。これにより今までは人の操作が必要だったユーザーや通信機器からの要求対応が、自律的に行われるようになる。楽天はコマースの企業からテクノロジーの企業に変わってきている。6Gへとジェネレーションが変わるタイミングは、日本が技術的な主導権をとっていくチャンス。ぜひモノにしてほしい。

2.スパコン「富岳」が世界一。4期連続4冠達成

富士通と理化学研究所が共同開発したスーパーコンピュータ「富岳」が、スパコンの世界ランキングにおいて4つの部門で第1位となり、4期連続の世界1位を獲得した。非常に喜ばしいことだが「富岳」に組み込まれている半導体が日本製だけではなくなっていきている。日本の技術が弱くなった事実も受け止めなくてはいけないし、量子コンピュータなどスパコンの次への投資も視野に入れるべきだ。

3.生きている機械「ゼノボット」。自己復元も可能に

カエルの細胞から作られた、生きている機械「ゼノボット」に自己複製能力が確認された。この能力の取得は「ゼノボット」における第3の進化。第1段では自ら動き、第2段では人の手を介さず自律的に細胞を変化できるようになった。そして今回で子孫を残すことまでできるように。複製を制御できないとなれば際限なく増え、暴走していく危険性もある。いよいよ神の領域に人間が手を染めはじめたニュースだろう。

4.新型プライベート潜水艇。イルカより速く、視野は360度

オランダのプライベート潜水艇メーカーが水深300mまで潜り、ほぼ360度のクリアな視界を通してスムーズで爽快な海中体験を提供する新型潜水艇「Super Sub」を発表した。これは「プライベート用」であることがポイント。陸上を移動する自由が自家用車により広がったように、プライベート潜水艇により海洋空間がパーソナルなものになっていく。人の生活が変わるきっかけになるかもしれない。

5.次世代の電池の座を狙う「マグネシウム」。欧州で開発進む

欧州の研究機関が高容量で環境に優しい「マグネシウムイオン電池」などの次世代電池開発を急いでいる。現在はリチウムイオン電池が主流で、日本はその分野では存在感が強い。しかし次世代電池でいうと、欧州の勢いには到底およばない。研究開発をオールEUで進めているのに対し、日本では大学の研究室が個別で進めているのだから当然だ。国をあげて技術革新の支援をしていく必要があると思う。

【スペシャルトーク】「太平洋に浮遊しているプラスチックごみを大掃除するクリーンアップシステムについて」

スペシャルトークでは、「太平洋に浮遊しているプラスチックごみを大掃除するクリーンアップシステムについて」についてお話をいただいた。

海洋資源や水産物の保護を目的とした「Sailors for the Sea」というNGOがあり、私は日本支局の特別顧問をしている。海洋に浮遊しているプラスチックごみの問題は知れば知るほど深刻で、その量は現在1億5000万トンとも言われている。2050年には10億トンになるとの予想。すべての海の魚の生物量は8億トンとされているので、ゴミが上回ってしまうということ。

その未来を避けるためには「これから出さない」と「出されたものを回収する」という2つのアプローチが必要だ。前者については、プラスチックを使う絶対量を減らすことや、天然資源に代えていくことが代表的。日本では環境省が中心となって動いている。

後者についてはとても壮大で「ゴミベルト」と呼ばれるプラスチックごみの海流を大掃除しようというもの。活動の中心となるのはオランダの「The Ocean Cleanup」というNPOだ。巻き網漁のようにごみを回収する仕組みを活用するのだが、漁とは違い無人・無動力で風と波を利用して動かす。位置をレポートするための衛星通信の電力もソーラーパネルを使うなど、エコを徹底している。今年の10月に行われた航海では約3万キロのプラスチックごみを回収し、今後はより大きな規模で行っていく予定だ。

さすが海洋国家のオランダとも言えるが、日本も海洋立国。海の復活に向けて、日本人も意識を向けてほしい。2050年、「魚の海」なのか、「ゴミの海」となるのか。動くべき時はもう来ている。

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1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz

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