ダイバーシティニュース 政治(11/23)竹中平蔵【12/31までの限定公開】

竹中平蔵:慶應義塾大学名誉教授、博士(経済学)、世界経済フォーラム(ダボス会議)理事
1951年和歌山県生まれ。一橋大学経済学部卒業後、73年日本開発銀行入行、81年に退職後、ハーバード大学客員准教授、慶應義塾大学総合政策学部教授などを務める。2001年、小泉内閣の経済財政政策担当大臣就任を皮切りに金融担当大臣、郵政民営化担当大臣、総務大臣などを歴任。『ポストコロナの「日本改造計画」』(PHP研究所)、『平成の教訓 改革と愚策の30 年』(PHP 新書)など、著書多数。公式サイトTwitter

竹中平蔵さんのニュースピックアップ

1. 岸田政権の経済対策、財政支出は過去最大の55.7兆円

20数兆円の需給ギャップに対して財政の真水部分が40数兆円ということで、景気刺激策としてはよく分からない点もある。ただ、今回は困窮者対策の目的もあり、給付金を含めコロナで苦境に立たされた人々の支援策が中心なのだろう。大盤振る舞いではあるが、財務省は来年の参院選後に増税したいと考えているはず。安易にそうしたシナリオに乗ってはいけないし、その辺も含めて12月以降の予算委員会における議論に注目したい。

2. 立憲民主党代表選、4候補が22日に公開討論会

民主主義が機能するためには健全な野党の存在が不可欠。国民の立場できちんと与党を批判するとともに、「ここをこう変えよう」という対案が野党には求められる。立憲はその対案が、まったくなかったとは言わないが不十分な面はあったし、それが先の衆院選で多くの支持を得られなかった背景でもあると思う。「アベノミクスを検証する」との話もよく聞くが、併せて2009年からの旧民主党政権に関しても自ら検証が必要ではないか。

3. 人権問題への抗議で米が北京五輪の外交ボイコットを検討

平和の祭典である五輪に政治が持ち込まれることについては賛否あるが、1980年のモスクワ五輪では日本含めて西側選手の参加自体がなかったことがある。日本はこれまでアメリカと価値観は共有するものの、中国に対する具体的なアプローチは少し異なるという立場だった。両大国の狭間で良い意味での曖昧さを残しつつ、どこまで意思表示をしていくかが今後は問われていく。

4. キッシンジャー元国務長官が米中の緊張の高まりに警鐘

米中国交正常化の道筋をつくったのがまさにキッシンジャー氏であり、昨年頃からあちこちでこの方の名前がよく出ている。中国への道を開いた自負もおありなのだろう。ワシントンが強い姿勢を示す一方で、このように他のパイプを通じて硬軟織り交ぜた対応をするというのはとてもアメリカらしいし、外交としては悪いことではない。ご高齢でもあるので、今どれほどの影響力があるかは分からないが。

5. COP26閉幕 温室効果ガス削減に向け日本企業にも課題

気候変動を放置すれば取り返しのつかない危機に陥るわけで、そのリスクを回避すべく、日本企業も「環境対策はコスト」という考えを根本的に変える必要がある。高い技術を活かし、他国に先んじてさまざまな製品等を生み出せば成長の機会になるが、遅れてしまえばそれを他国から買わなければいけなくなり、それこそコストになってしまう。

【スペシャルトーク】岸田政権の経済政策

スペシャルトークでは、岸田政権の経済政策における課題と期待について、引き続き竹中平蔵さんに掘り下げていただいた。

中国の成長を見ても分かる通り、AIやブロックチェーン等、これまでと大きく異なるパラダイムが生まれている時期は政府の役割が従来以上に大きくなる。一方で、国と民間の役割を再定義するような組み替えも必要となり、そうした大きな枠組みのなかで「新しい資本主義」を考えることは、私は意味があると思う。

ただ、中間所得層の底上げといった話を含め、今後はそのための具体的政策が出てくるのを待って評価することになる。その辺は臨時国会の予算委員会で、野党とも丁丁発止やり合うなかで明らかになってくると思う。ぜひ良い議論をして欲しいし、前段でお話しした通り、そのためにも野党がしっかりしなければいけない。

今の日本では国内の格差が大きな議論になるものの、世界のなかで格差をつけられている点が大きな話題になっていない。しかし、購買力平価で計った1人当たりGDPで最近は韓国にも抜かれた。今は各国ともコロナ禍でデジタル化や第四次産業革命をさらに進めており、コロナの霧が晴れた時点で各国からさらに距離を置かれているという状況になることを懸念している。日本の潜在力は十分あると思うが、まずは海外との格差を認識して健全な危機感を持つ必要がある。

所得に関しても、仕事の対価は労働生産性によって決まるわけで、それが向上しないかぎり賃金を無理矢理上げても企業が立ちいかなくなる。生産性向上の大原則は、自由にやれるものは自由にやってもらうこと。また、生産性の低い部門から高い部門にお金と人を容易に移せるよう、労働市場の改革とともに、利益を出せない社長さんには辞めてもらうようなコーポレートガバナンスの強化も不可欠になる。

メディアと国民もしっかりしないといけない。今は「困っている人にお金を」といった論調が多いけれども、1回きりで終わるような支援でなく制度として何をつくっていくべきかを議論すべきだ。政権とすれば世論を気にせざるを得ない面もあるわけで、しっかり仕事をしてもらうためにも国民やメディアが政権を正しく評価していく必要がある。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
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