【SDGsに取り組む企業事例4選】SDGsとは?取り組むべき理由5つ【ビジネスパーソンのために解説】

目次

SDGsとは?
   SDGsの前身MDGsとは?
SDGsとMDGsの違い
SDGsが掲げる17のゴール
SDGsの169のターゲットとは
イノベーションを生み出す「ムーンショット」とは
SDGsから学ぶ「バックキャスティング」とは
SDGsに企業が取り組むべき理由5つ
  1.企業の存在意義と合致する
  2.新市場の源泉である
  3.顧客との共創を促進する
  4.リスクを最小化し、企業価値を向上させる
  5.人材の獲得につながる
日本と世界の企業の取り組み事例4選 
  ①【アディダス】サステナビリティを成長戦略の柱に据える
  ②【パタゴニア】故郷である地球を救うためにビジネスを営む
  ③【コマニー】SDGsを経営に実装する
  ④【滋賀銀行】金融の力でSDGsを推進する
グロービスでSDGsについて学ぶ

SDGsとは?

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは「Sustainable Development Goals(サスティナブル・デベロップメント・ゴールズ)」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」といいます。

SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている国際的な目標です。「2030アジェンダ」は、前文・59段落に及ぶ宣言・持続可能な開発目標とターゲット・実施手段・フォローアップの項目で構成された壮大な文書で、SDGsは、この中で掲げられた17のゴールと169のターゲットで構成されています。

SDGsを一言で定義すれば、「2030年に世界が目指す共通の目標」です。SDGsの17のゴールと169のターゲットには、現時点では達成が難しいと思われるような目標も含まれますが、これらは人類が地球上で生存するために目指すべき方向性を示しており、国連加盟国が全会一致で合意した「生存戦略」ともいえます。

SDGsの前身MDGsとは?

SDGsの前身として、2000年に国連のサミットで採択されたMDGs(エム・ディー・ジーズ)があります。MDGsはMillennium Development Goals(ミレニアム・デベロップメント・ゴールズ)の略で、「ミレニアム開発目標」といいます。これは主に、開発途上国を対象に、極度の貧困や飢餓の撲滅など、2015年までに達成すべきとして設定された次の8つの目標をいいます。

目標1 極度の貧困と飢餓の撲滅
目標2 初等教育の完全普及の達成
目標3 ジェンダー平等促進と女性の地位向上
目標4 乳幼児死亡率の削減
目標5 妊産婦の健康の改善
目標6 HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止
目標7 環境の持続可能性確保
目標8 開発のためのグローバルなパートナーシップの推進

MDGsでは、1日1.9ドル以下で生活しなければならい極度の貧困の削減や初等教育の就学率の改善、妊産婦の死亡率低下など大きな前進があったものの、支援の手が届かない取り残された人々の存在も明らかとなりました。こうした課題は後継のSDGsに引き継がれています。

SDGsとMDGsの違い

SDGsはMDGsの後を継いでできた目標ですが、MDGsが主に開発途上国を対象としていたのに対し、SDGsは先進国を含むすべての国を対象としています。

そのため、MDGsで達成できなかった課題に加え、ジェンダー平等、持続可能な経済成長など先進国でも同様に取り組むべき課題や気候変動対策、再生可能エネルギーなど地球環境を守るために世界全体で取り組むべき課題も含まれています。

出典:相模原市「SDGsを楽しく学ぶメディアSDGs One by One」

SDGsが掲げる17のゴール

出所:国際連合広報センター

SDGsの17のゴールを、理解しやすいように4つのグループに分類して紹介します。

・グループ1 主に開発に関するもの

誰もが人間らしく生きられる権利を保障するための目標

目標 1. あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
目標 2. 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
目標 3. あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
目標 4 . すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
目標 5. ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行う
目標 6. すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

・グループ2 主に経済に関するもの

持続可能で豊かな社会を創っていくための目標

目標 7. すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
目標 8 . 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
目標 9. 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
目標 10. 各国内及び各国間の不平等を是正する
目標 11. 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
目標 12. 持続可能な生産消費形態を確保する

・グループ3 地球環境に関するもの

将来世代のために気候変動対策や自然環境を守るための目標

目標 13. 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
目標 14. 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
目標 15. 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

・グループ4 全体を支える枠組み

SDGsで掲げる目標を実現させる仕組みをつくるための目標

目標 16. 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
目標 17. 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

SDGsの169のターゲットとは

SDGsの17のゴールには、さらに詳細な169のターゲットが設定されています。ここでは、特徴的なものを抜き出して掲載します。

1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる
3.3 2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。
4.6 2030 年までに、すべての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。
5.1  あらゆる場所におけるすべての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。
6.1  2030年までに、全ての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ平等なアクセスを達成する。

SDGsというとカラフルなアイコンで示されたゴールばかりが注目され、自社のビジネスがどのゴールに紐づいているか、というマッピングの話が中心になっているのが現状です。ですが実は、2030アジェンダの前文や宣言にこそSDGsの本質が言い表されています。以下の記事も参照にSDGsが目指す世界観について考えてみてはいかがでしょうか。

(関連記事)企業はなぜSDGsに取り組まなければいけないのか?

イノベーションを生み出す「ムーンショット」とは

SDGsの169のターゲットには、現在の延長線上では達成が困難と思われるようなものも多く含まれています。こうした目標を「ムーンショット」と呼びます。その由来は、アポロ計画です。

アポロ計画を発表したケネディ大統領は、1960年代のうちに人類を月に着陸させると宣言しました。ケネディ大統領暗殺後も計画は続行され、1969年には宣言通りに、アポロ11号が月面に着陸しています。

このように、「ムーンショット」とは、現状の延長線上では実現困難でも、達成すれば大きなインパクトをもたらす壮大な目標を意味します。

SDGsから学ぶ「バックキャスティング」とは

人類にとってのムーンショットであるSDGsを達成するためには、「バックキャスティング」で考え、必要なイノベーションを起こしていかなければなりません。

バックキャスティングとは、将来のあるべき姿、理想の状態を定義したうえで、実現するための必要条件や前提となる技術、取るべきプロセスを設定していく考え方です。

その反対が、フォアキャスティングです。フォアキャスティングとは、現在の統計やデータ分析から、今後の予測を立て、必要な施策を導き出す考え方です。

バックキャスティングが未来からの逆算思考であることに対し、フォアキャスティングは現状からの積上思考であるといえます。SDGsの達成には、バックキャスティングとフォアキャスティングの融合が必要であり、そこに社会価値と経済価値を両立する新しいビジネスモデルを生み出すチャンスがあります。

出所:田瀬和夫『SDG思考』に一部加筆修正

SDGsに企業が取り組むべき理由5つ

経営の視点から企業がSDGsに取り組むべき理由を一言で言い表すとすれば「選ばれる企業であり続けるため」です。ここでは、5つの観点から説明します。

1.企業の存在意義と合致する
2.新市場の源泉である
3.顧客との共創を促進する
4.リスクを最小化し、企業価値を向上させる
5.人材の獲得につながる

1.企業の存在意義と合致する

企業の目的は、利益の最大化と社会の公器としての役割を果たすことの双方です。SDGsは国際社会全体の目的であり、すべての企業がビジネスを通じてSDGsに取り組む大義があるといえます。

また、ミッションやビジョン、バリューといった概念に加えて、近年では、パーパス(存在意義)が重視されるようになってきました。「あなたの会社は、なぜ社会に存在するのか」という極めて本質的な問いが、経営者に突き付けられています。SDGsは、世界が充足を求めるニーズのリストであり、自社のパーパスを考えるうえで、欠かせない指標といえるでしょう。

2.約1,340兆円の新市場の源泉である

SDGsは新市場を創出するヒントになります。2017年のダボス会議で共有された報告書「Better Business, Better World」では、SDGsの実現に向けて不可欠である持続可能なビジネスモデルが、約1,340兆円もの大きな経済機会を生み出すことが示されました。

具体的には、食料と農業、都市、エネルギーと原材料、健康と福祉の4つの経済システムにおいて、国際的な目標とビジネスチャンスが連動する60の領域、いわゆるホットスポットが提示されています。このホットスポットで、2030年までに約1,340兆円の市場が創出され、およそ3億8000万人の雇用を生み出す可能性があることが報告されました。

このようにSDGsに含まれる多くのムーンショットは、今後10年間に市場から求められるトレンドとして見ることができます。

グローバル目標とビジネスチャンスが連動する60の領域

  食料と農業 都市 エネルギーと材料 健康と福祉
1 バリューチェーンにおける食糧浪費の削減 手ごろな価格の住宅 サーキュラーモデル – 自動車 リスク・プーリング
2 森林生態系サービス エネルギー効率 – 建物 再生可能エネルギーの拡大 遠隔患者モニタリング
3 低所得食糧市場 電気およびハイブリッド車 循環モデル – 装置 遠隔治療
4 消費者の食品廃棄物の削減 都市部の公共交通機関 循環モデル – エレクトロ ニクス 最先端ゲノミクス
5 製品の再調整 カーシェアリング エネルギー効率 – 非エネルギー集約型産業 業務サービス
6 大規模農場におけるテクノロジー 道路安全装置 エネルギー保存システム 偽造医薬品の検知
7 ダイエタリースイッチ 自律車両 資源回復 たばこ管理
8 持続可能な水産養殖 ICE(内燃エンジン)車両 の燃費 最終用途スチール効率 体重管理プログラム
9 小規模農場におけるテクノロジー 耐久性のある都市構築 エネルギー効率 – エネルギー集約型産業 改善された疾病管理
10 小規模灌漑 地方自治体の水漏れ 炭素捕捉および格納 電子医療カルテ
11 劣化した土地の復元 文化観光 エネルギーアクセス 改善された母体・子供の健康
12 包装廃棄物の削減 スマートメーター 環境にやさしい化学物質 健康管理トレーニング
13 酪農の促進 水と衛生設備 添加剤製造 低コスト手術
14 都市農業 オフィス共有 抽出物現地調達  
15   木造建造物 共有インフラ  
16   耐久性のあるモジュール式の建物 鉱山復旧  
17     グリッド相互接続  

 

出所:Business & Sustainable Development Commission『より良きビジネスより良き世界

3.顧客との共創を促進するー「マーケティング3.0」とは

SDGsへの取り組みは顧客からも求められています。マーケティングの視点でSDGsを捉えるとマーケティング3.0のコンセプトと親和性が高いといえます。

マーケティング3.0とは、経営学者のコトラーによって提唱された概念であり、世界をよりよい場所にすることを目的としています。そして、人々を単なる消費者としてではなく、自社の掲げるパーパス(存在意義)を共に実現しようとするパートナーとして捉えます。その背景には、製品・サービス自体では差別化が図れなくなった現代で、顧客が機能的な価値のみならず、精神的な充足感を求めるようになってきていることが挙げられます。

SDGsが目指すのは「世代を超えてすべての人々がよりよく生きられる世界」であり、マーケティング3.0の目的と完全に合致します。日本でも倫理的な観点から買うものを決める「エシカル消費」や、社会的・文化的な意義を求める「イミ消費」という消費行動も見られるようになってきました。広告会社の調査でも、「環境・社会に悪影響を与える商品は買わない」という回答が8割を超えており、サステナビリティへの配慮が新たな購入決定の判断基準として確立しつつあります。

(参考)博報堂「生活者のサステナブル購買行動調査

4.リスクを最小化し、企業価値を向上させるーESG投資とは

昨今、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の3つで企業を評価するESG投資が知られるようになってきました。SDGsとESGは混同されがちですが、SDGsは目標であり、ESGはその実現のための手段であると考えると分かりやすいでしょう。

ESG投資市場は急速に拡大しており、2020年の世界のESG投資残高は約3,880兆円です。欧米では、ESG投資基準の厳格化が進み、投資残高が減少したものの、世界全体では、2018年の調査から約15%増加しています。日本国内の投資残高は、2014年には8,400億円でしたが、2020年には約320兆円まで増加しました。

出所:Global Sustainable Investment Review2020

企業にとっては、ESGに配慮した企業活動を行うことで、サプライチェーン上の人権リスクや環境破壊といった問題に先んじて対応できるようになります。ESGへの取り組みと株価の上昇についても、相関関係があることは様々な調査で明らかになってきています。ESGに配慮した経営を行うことは、企業価値を向上させることにつながるといえるでしょう。

ESGは、投資から始まった概念ですが、現在では経営姿勢そのものを示すようになってきました。ESGはSDGsの達成に向けた企業経営と投資のあり方といえます。ESGへの取り組みと株価の因果関係の証明には長期的な検証が必要ではありますが、投資家からESGやSDGsに関して問われる機会は確実に増加していくでしょう。

5.人材の獲得につながる

若い世代を中心に、企業のサステナビリティに対する取り組みに強い関心を持ち、これまでの世代とは違う観点で企業を見定める人が増えています。就職活動を行う大学生向けの雑誌では、企業を選ぶキーワードとしてSDGsが特集され、優良企業を見定めるモノサシとしてESG、ダイバーシティ経営を行う企業のランキングが取り上げられています。

就職支援サイトが、大学4年生を対象に実施した調査では、社会貢献を重視する学生の傾向が明らかとなりました。就職先企業に決めた理由を選んでもらう質問では、「社会貢献度が高い」という項目が最もポイントを集め、同調査では、76%がSDGsについて知っていると回答し、企業の社会貢献度が志望度に影響したという学生も65%を超えました。採用面接で「御社のSDGsに対する取り組みを教えてください」と質問されるケースも増えています。SDGsに正面から取り組んでいない企業は、人材を確保することも困難となるでしょう。

出所:キャリタスリサーチ「就活生の企業選びとSDGsに関する調査

日本と世界の企業の取り組み事例4選

ここからはSDGsを経営のコアに据えて取り組む企業の事例を紹介します。

①【アディダス】サステナビリティを成長戦略の柱に据える

“Through sport, we have the power to change lives.”(スポーツを通して、私たちには人々の人生を変える力がある)というパーパスを掲げ、サステナビリティを戦略の中心に据えているのがアディダスです。同社は、2024年までに全ての製品に100%リサイクルされたポリエステルを採用すること、2030年までにCO₂排出量を2017年比で30%削減、2050年までにカーボンニュートラル実現という目標も掲げています。

アディダスは1980年代からサステナビリティに取り組んできていますが、近年、大きな注目を集めているのが循環型のプロダクト開発です。2015年には、NGO団体PARLEY FOR THE OCEANSと協業し、海洋プラスチック廃棄物から作った素材を採用した世界初のランニングシューズを発表しています。

さらに、2021年4月には、100%リサイクルが可能なランニングシューズULTRABOOST MADE TO BE REMADEを発売しています。このシューズに使用されているのは熱可塑性ポリウレタン(TPU)という素材のみです。100%再利用可能な単一素材でシューズを生産することで使用後もシューズを廃棄することなく、原材料を再利用し、そのまま新しいシューズを作ることを可能にしています。

アディダスの事例は、サーキュラー・エコノミーの具現化そのものであり、彼らの新しい製造プロセスは既存の製造業のビジネスモデルを根底から覆すものになるでしょう。

 (関連記事)SDGsが加速させるサーキュラー・エコノミー

②【パタゴニア】故郷である地球を救うためにビジネスを営む

アウトドアメーカーのパタゴニアも長年、環境問題に強くコミットしている企業の一つです。

同社が、2011年のブラックフライデーに掲載した、“DON’T BUY THIS JACKET”(このジャケットを買わないで)という広告は、消費者に対して「その商品が本当に必要かどうか、購買する前によく考えて」という問いかけでした。さらに、2016年のブラックフライデーで行った「100% Today, 1% Every Day」というキャンペーンでは、売上の100%が環境保護団体に寄付されました。キャンペーンは消費者からも圧倒的な支持を獲得し、同社が当初予想していた約2億2000万円の5倍を超える約11億円の売上を記録しています。

パタゴニアは、日本上陸30周年を迎えた2019年にミッション・ステートメントを刷新し、「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」というより力強いメッセージを発信しました。

同社は、2021年8月、中古品を専門に販売する店舗を期間限定でオープンしました。リサイクルよりもさらに環境への負荷を減らすため、新しい商品を買うのではなく、修理しながら長く使うことも提唱しています。パタゴニアが打ち出している明確なスタンスは、顧客と「世界をよりよい場所にする」こと目指すマーケティング3.0を具現化している事例といえるでしょう。

 (関連記事)マーケティング3.0が目指す世界観とSDGs

③【コマニー】SDGsを経営に実装する

SDGsの取り組みは、大手企業に限定されるものでは決してありません。むしろ地域に根差した企業こそ、SDGsを活用することで活路を切り開くことが可能です。

石川県小松市に本社を置くコマニーは、業界トップクラスのシェアを誇るパーティションメーカーです。同社は、2018年にSDGsを経営に実装した価値創造モデル「コマニーSDGs∞(メビウス)モデル」で、空間制御技術を自社のコア・コンピタンスとして定義し、SDGsのゴール9を中心に貢献していくことを発表しました。コマニーはこのモデルをもとに、すべての意思決定において「関わるすべての人の幸福に貢献する経営」に資するものか否かを判断基準の一つとしています。

(参考)コマニーウェブサイト 

コマニーは、小松市ともSDGs推進に関するするパートナー協定を締結し、お互いの多様な強みや資源を活かして空間創りや環境共生、防災・減災、次世代育成など包括的な協力のもとにより良い社会の実現に取り組んでいます。コマニーと小松市の事例は、地域の企業が地方自治体と協働し、地域社会におけるSDGsの実現を目指すモデルケースといえます。

 (関連記事)Z世代が企業を見定める価値基準

④【滋賀銀行】金融の力でSDGsを推進する

滋賀県は、三方よしの思想で知られる近江商人を輩出した地域であり、SDGsに親和性の高い地域だと言えるでしょう。この土地で1933年に設立され、地域金融を支えてきたのが、大津市に本店を構える滋賀銀行です。滋賀銀行は、2017年11月に地銀の中でも先駆けて「SDGs宣言」を発表し、重点項目として、地域経済の創造、地球環境の持続性、多様な人材の育成の3つを設定しました。

同行が推進するのが、企業分析・評価を行う際に長期的な視点を重視し、ESG情報(環境・社会・ガバナンスへの配慮)を考慮した投融資行動を取るESGファイナンスです。融資手法として、サステナビリティ・パフォーマンス目標の達成状況と金利の引下げ等の融資条件を連動させる「サステナビリティ・リンク・ローン」を取り入れている他、環境問題の改善に効果のある事業の資金調達のために発行するグリーンボンドも扱っています。滋賀銀行の取り組みは、地方銀行が地域企業のビジネスを通じた社会課題の解決を後押しする優良事例の一つです。

 (関連記事)地方銀行がESG経営推進の旗手となる 企業事例--滋賀銀行

グロービスでSDGsについて学ぶ

本記事では、SDGsとは何か、なぜ企業がSDGsに取り組むべきなのか、そして、SDGsに取り組む企業事例を紹介してきました。グロービスでは、動画コンテンツや大学院科目、企業向け研修などSDGsを学ぶことができるオリジナルコンテンツを幅広く提供しています。

記事で読む:知見録「企業がSDGsに取り組むべき理由」

動画で見る:グロービス学び放題 SDGsに企業が取り組む5つの意義 
サーキュラー・エコノミーとSDGs〜SDGsが迫るビジネスモデルの転換〜

大学院で学ぶ:「テクノロジーとSDGs」

自社の研修に取り入れる:人材育成担当者が知っておきたいSDGsの基礎

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