ダイバーシティニュース 政治(11/16)津田大介【12/31までの限定公開】

津田大介(つだ・だいすけ):ジャーナリスト/メディア・アクティビスト 
メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。ソーシャルメディアを利用した新しいジャーナリズムをさまざまな形で実践。オンラインメディア「ポリタス」編集長を務める。Twitter

津田大介さんのニュースピックアップ

1. 18歳以下10万円相当支給で賛否 960万円所得制限に批判も

コロナに伴う支援としての給付自体は否定しない。ただ、実効性には批判も多い。「年齢でなく所得で線引きすべきでは?」との声も受け年収960万円の世帯主の所得制限がつく見通しだが、夫婦とも900万の共働き世帯は計1,800万円でも支給される一方、片方だけ働いて980万円なら支給されないといった不均衡もある。本当に困窮している人々を救うためにも1回の現金給付で終わらせず、対象を適切に絞り込んでさらなる分配策を示して欲しい。

2. 自民最大派閥「安倍派」が誕生 改憲論議の進展にも意欲

派閥トップとして党内での影響力を一層強めた安倍元首相は、悲願である改憲論議をさらに進めようとするだろう。自民の党是である改憲には維新も国民民主も前向きだ。ただ、どの条文をどう変えるかは他の野党も巻き込んだうえで憲法審査会にて深めるべき議論。それが通常国会の数カ月で煮詰まるとは思えない。実際の動きは来年の参院選以降になり、今後はそこに向けた揺さぶりや駆け引きが続くと思う。

3. 厚労省がHPVワクチンの積極勧奨を8年ぶりに再開

望ましいことだと思う。ただ、重篤な副反応事例も報じられており、社会全体でメリットとデメリットを見極める必要がある。「メディアが不安を煽った」と批判する医師の方はいるが、「勧奨再開は性の乱れにつながる」との理由で自民が止めていたとの報道もある。さまざまな情報のなかで不安に思う方が多いのは事実。副反応に関する情報提供はもちろん、実際に副反応が出てしまった方への十分なケアが必要になる。

4. 立憲代表選に13日時点で4人が立候補検討 投開票は30日

映画でも話題になった小川淳也さんや女性候補の西村智奈美さんが今は有力候補と目されているが、いずれにしても代表選では政策論議を深めて欲しい。今は共産党との共闘や維新との連携といった政局的な議論が多いと感じる。それよりも立憲民主党がどのようなビジョンを持つ政党であり、どんな政策実現を目指すべきなのか、候補者同士で正面から議論することが有権者にとって重要になると考えている。

5. 知事リコール署名偽造疑いで高須克弥氏秘書らが書類送検

愛知県の大村知事に対するリコールで集まったというおよそ43万筆のうち83%が無効署名であり、バイトを動員して名簿から署名を写すという大規模偽造が行われていた件。偽造を指示した「リコールの会」事務局長はすでに逮捕されたが、リコール運動のトップであった高須克弥氏の秘書らも別の大規模偽造に関わった疑いが持たれている。高須氏は自身の関与を否定しており、今後は検察がどう判断するかがポイントになる。

【スペシャルトーク】2022年沖縄政治の行方

スペシャルトークでは、岸田政権の沖縄政策と2022年の沖縄政治スケジュールについて、津田大介さんに掘り下げていただいた。

ここ数年を振り返ると、安倍政権で基地負担軽減担当大臣だった菅前首相と翁長前知事との話し合いが物別れとなり、7割近くの県民が辺野古“新基地建設”に反対するなかで工事が強行されてきたという流れがある。岸田政権では、そうした対立一辺倒から話し合いによる条件闘争に変わるのか。岸田さんは自民でもハト派とされる宏池会出身であり、派閥前会長の古賀誠さんは沖縄に寄り添ってきた方として県民の評価も高い。

そのうえで、2022年の沖縄政治は大きく動く。まずは1月、辺野古のある名護で市長選が行われる。知事選の前哨戦とも言えるが、前回は新基地反対で前市長の稲嶺進氏が自民推薦で現市長の渡具知武豊氏に負けた。沖縄北部の名護は那覇などの南部に比べ経済的に立ち後れてしまっているという格差問題も抱えており、「基地問題は大事だけど経済を重視する自民のほうがいい」といった声もあるためだ。

ただ、次の市長選では渡具知市長の対抗馬として、新基地反対派で名護市議の岸本洋平氏が立候補する。父は元名護市長の岸本建男氏。最終的に基地を受け入れはしたが非常に高い条件を政府に突きつけた方だ。そういう方のご子息が出馬するということで、こちらの選挙の行方にも高い関心を持っている。

また、5月15日は日本復帰50年、さらに6月23日は慰霊の日を迎える。コロナ感染の再拡大などがない限り、岸田総理が沖縄入りして式典でスピーチを行うだろう。工事を強行していた安倍元首相のスピーチでは罵声も飛んでいたが、岸田総理のスピーチではどうなるのか。安倍・菅路線とは違うというメッセージが表れるのか、あるいは変わらないのかという点にも注目したい。

そのうえで、9月の任期満了を受け、おそらく10月に県知事選が行われる。今回の衆院選では自民が2勝2敗と盛り返した一方、4年前に大勝した玉城デニー知事はコロナ対応の遅れや自粛中のバーベキューで今は批判も多い。新基地反対派には厳しい選挙になるだろう。とにかく来年の沖縄は重大な政治イベントが続くので、私も当地での取材を増やしていろいろと続報をお届けしたい。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
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