ダイバーシティニュース テクノロジー(11/12)中村友哉【12/31までの限定公開】

中村友哉:株式会社アクセルスペースCEO

東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程修了。在学中より、超小型人工衛星の開発に携わる。2008年に株式会社アクセルスペースを設立。超小型人工衛星を活用した宇宙ビジネスを展開している。

中村友哉さんの「ニュースピックアップ」

1.日本版GPS「みちびき」の後継機打ち上げ成功

日本版GPS(衛星利用測位システム)を担う「みちびき初号機後継機」を搭載したロケットの打ち上げが成功した。GPSは衛星からの電波を地上で受け、到達にかかる時間から距離を導き出す仕組み。現状はアメリカのGPSも活用しているが、日本版GPSが増えれば独自のGPS網が実現する。精度が飛躍的に向上するため、自動運転など活用範囲は広がっていくだろう。

2.スペースポート時代の幕開け、広がる宇宙事業の可能性

スペースポートの本格運用に向け、世界各国で続々と開設の検討が始まっている。スペースポートとは宇宙へ行くための港となる施設のこと。「宇宙港」はこれからの宇宙事業に欠かせないインフラ。アメリカには既にあるが、将来的に宇宙旅行が盛んになるので世界各地に広がるのは当然の動き。日本でも北海道・和歌山・大分・沖縄で開設予定となっている。

3.今年は宇宙を楽しむ年末に。お薦めの宇宙イベントは?

一般の観客も楽しむことができる「宇宙関連のイベント」が2021年12月に多く開催される。例えば、日本橋エリアで開催される「NIHONBASHI SPACE WEEK 2021」では、国内最大級の宇宙ビジネス展示会やビジネスアイデアコンテスト等が見られる。日本橋で開催されるには、実は理由がある。JAXAの分室もあり、宇宙ビジネスの最前線に立つベンチャー企業が日本橋に集まっているため。

4.宇宙ベンチャーが次々と上場するアメリカ。その手法は?

特別買収目的会社(SPAC:Spacial Acquisition Company)を通して、アメリカを中心に 宇宙ベンチャー企業の上場が相次いでいる。通常の上場は厳しい基準があり審査にも時間がかかるが、SPACの枠組みを使えば短時間で上場することができる(日本ではできない)。収益化するのに時間がかかる宇宙ビジネスとの親和性は高い。アメリカでSPAC上場が続いているのは、宇宙事業への関心の高さの証明といえるだろう。

5.「Beyond5G」による新たなる技術革新とは

5Gの特長である「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」などのさらなる高度化に加え、高信頼性やエネルギー効率の向上に期待できる「Beyond5G」技術に注目が集まっている。「Beyond5G」にはスピードの向上だけでなく、利用空間が拡張されるという特性もある。それは衛星同士など宇宙空間の通信にも影響。通信技術の発達は宇宙ビジネスにも重要な要素となっている。

【スペシャルトーク】小惑星探査機「はやぶさ2」のミッション

スペシャルトークでは、小惑星探査機「はやぶさ2」のミッションについて。日本の宇宙科学者として、小惑星探査機「はやぶさ」の運用を経験された津田雄一氏をお迎えしてお話を頂いた。

「はやぶさ2」プロジェクトのミッションを簡単にいうと、小惑星の星のかけらを採取して地球に持って帰るというもの。太陽系には100万以上の小惑星があるが「はやぶさ2」は小惑星リュウグウの探査を行った。

小惑星には誰も行ったことがないため、重力や温度など何もわからないし、望遠鏡でもほとんど見えず着陸に必要な情報は得られない。近くに寄ってみて現状を確認し、チームで作戦を考え実行することになる。これはまさに探検だ。「着陸して砂を採取し地球に届ける」というのは言葉にすると単純だが、実はNASAもできていないこと。実現したのは大きな快挙といえる。

成功要因はチームの力にある。プロジェクトには約600名が関わっており、それぞれがその道の専門家。リーダーの私が答えを知っているわけではない。大切にしたのは、600名のうち1人が良い答えを出した時「それがいいからそっちにいこう」と皆が思える雰囲気作りだ。そのために決定に伴うプロセスや理由をオープンにする情報の透明化を心がけた。

宇宙に関わる者として今後に期待するのは若いプレイヤーがどんどん出てくること。宇宙には国境がないため競争が激しい。日本でも実力のあるスタートアップ企業が増えてきているが、もっと増えるともっといいアイデアがでてくる。そしてよい切磋琢磨が生まれ、加速度的に宇宙産業が広がっていくと思う。自分としてもまだまだやりたいことがあるので、新しい仲間が増えることを願っている。

津田雄一さんご経歴:宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙科学研究所 教授。JAXAにて「はやぶさ」等を打ち上げたM-Vロケット開発や小惑星探査機「はやぶさ」の運用を経験。宇宙ヨットIKAROSのサブリーダー、小惑星探査機「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャー等も歴任。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz

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