ダイバーシティニュース 経済(11/3)川崎裕一【12/31までの限定公開】

川崎裕一(かわさき・ゆういち):スマートニュース株式会社 執行役員

1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。日本シスコシステムズ株式会社(現シスコシステムズ合同会社)、ネットイヤーグループ株式会社を経て、2004年8月に株式会社はてな入社、同年12月に取締役副社長に就任。2010年株式会社kamado設立、代表取締役に就任。2012年、同社を株式会社ミクシィが買収し、2013年1月にミクシィへ入社。同年6月に取締役最高事業責任者(COO)。2014年、スマートニュース株式会社入社。2020年7月からシニア・ヴァイス・プレジデント メディア投資事業担当。Twitter

川崎裕一さんのニュースピックアップ

1.アップル製品にミニLED採用 市場への影響に注目

アップルが、極小LEDチップをバックライトに使った新型ディスプレイをタブレット端末やパソコンに採用し話題となっている。スマートフォンなどに使われている有機ELは価格が高止まりしているが、製品出荷台数の多いアップルがミニLEDを量産化してコスト抑制を後押した。他社でも採用事例が増えている。画質向上とコスト低減の両立を見極めて投資したアップルは現実主義だと思う。今後の市場への影響に注目したい。

2.代替肉市場が拡大の公算 温室効果ガスの削減効果も

代替肉の世界市場は2,800億円で、今後さらなる拡大が見込まれている。農業は製造業、電力に次いで温室効果ガスの排出量が多いとされる。酪農用の牛がげっぷやおならで出すメタンの温暖効果はCO2の28倍といわれるため、食肉を代用すれば温室効果ガスを削減できる。一方、テスラがCO2排出権取引で利益を上げているように、代替肉はCO2排出権取引の対象としても注目すべきだろう。

3. アルゴを恣意的変更? 食べログ訴訟、業界超えた火種なるか

グルメサイト「食べログ」が飲食店の評価点数を算出するアルゴリズムを変更し、恣意的に特定チェーン店の評価を下げているのではと問題になっている。評価の公平性を問う訴訟が東京地裁であり、公正取引委員会が裁判所に対して「特定の店の評価が下がれば独占禁止法違反だ」と意見書を出した。アルゴリズム変更の真意は不明だが、個人店の集客向上が運営会社の利益に寄与している可能性もある。飲食業界を超えた問題の火種になるかもしれない。

4. ライブ配信系アプリの利用者が2年で倍増

ライブ配信アプリ利用者が2年で2倍になった。多くのネットサービスは朝昼夜と3つの時間帯がピークだが、ライブ配信は夜に集中し、利用者には職場や家庭と異なる第3の居場所になっている。視聴者は文字でコメントを伝え、配信者は口頭で返す独特のコミュニケーションも特徴。編集力が必須のユーチューバーに比べ、ライブ配信者はその場の対応力やコミュニティマネジメント力が必要で、同じ動画でも活躍する人材の質は多様だ。

5. フェイスブックが「メタ」に社名変更 メタバースに本腰

フェイスブックがメタへ社名を変更する。最新VR(仮想現実)デバイスを提供するオキュラス社を買収するなど、ネット上の新たな世界となる「メタバース」のビジネスに注力する。現実にある物や設備を偽造不可能なデジタルデータ「NFT(非代替性トークン)」として価値を担保し、自身の分身のアバターが仮想空間で使うことなどが想定され、将来的には現実世界からの移行が進んでいくだろう。

【スペシャルトーク】業界課題を一掃する従量課金制のフィットネス利用アプリ

スペシャルトークでは、フィットネス向けシェアサービスを展開するナップワン株式会社代表取締役社長の柿花隆幸さんに、業界課題を一掃するビジネスモデルについてお話を頂いた。

ナップワンでは、フィットネス施設に1分単位の従量課金制で通えるサービスを提供している。アプリ上で本人確認を済ませることで、全国どこでも好きな施設で好きな時間だけ施設を利用できる。時間の価値が多様化する中で、月額制のように、サービス提供者が利用者に対して一方的に制約条件を設けることに違和感があり、もっと自由に時間を使える世界を作りたくて起業した。社名のナップワン(Nupp1)は逆にすると1ppunとなり、この「1分」に強い思いを込めている。制約による不自由な「サブスクリプションの波をぶっ壊したい」と、あえて従量課金制を採用した。

月4回通うなら施設に登録した方が安い。定期的に通えないけれども突発的に利用したいという人には、お得なサービスだ。退会するのは月4回未満の利用が多いが、施設にとっても通う頻度の少ない利用者をつなぎとめることができると考えている。

フィットネス利用人口は、米国の20%や英国の12%に対して、日本は3~4%と5年以上横ばいが続く。利用者は「継続縛りがきつい」「引っ越し」「通えず割高」などの理由で約90%が1年続かずに退会する。退会者の多さから、施設は常に新規顧客の獲得が必要で、所属するだけで通えない幽霊会員も多く、施設は空きが目立つ。一度退会した利用者が同じ施設との再接点がないのも、業界特有の課題だ。定期的に通えなかった人が、スマホ一つで利用登録できるような機会をつくることができれば、施設にとっても業務負担を軽減できる。

コロナ禍ではフィットネス業界につらい状況が続いた。緊急事態宣言が解除されて、社会が活動的になりつつある今、福利厚生の一環として導入を考える企業も増えている。今後は会社として登録するだけで、その社員が割引利用できるといった、法人向けの営業にも注力していく方針だ。

柿花隆幸(かきはな・たかゆき):1983年大阪府岸和田市出身。2006年に楽天へ入社後、ECコンサルタントとして1,000社以上を担当。株式会社イノーバ、グリー株式会社を経て、2018年ナップワンを創業。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
2. YouTubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA
3. radikoでも聴取可能です

最新情報は、Twitterでご確認ください。

※当コンテンツは作成時点までの信頼できると思われる情報に基づき作成しており、正確性、相当性、完成性などのほか、当情報で被ったとされる利用者の不利益に対しグロービス知見録編集部は責任を負いません。

RELATED CONTENTS