ダイバーシティニュース 経済(10/13)金泉俊輔【11/30までの限定公開】

金泉俊輔(かないずみ・しゅんすけ):株式会社NewsPicks Studios代表取締役CEO
フリーライターとして活動後、女性情報誌、女性ファッション誌の編集を経て、「週刊SPA!」編集長、ウェブ版「日刊SPA!」を創刊。株式会社ニューズピックスへ移籍後はNewsPicks編集長、プレミアム事業執行役員を経て、2020年1月から現職。twitter

金井俊輔さんのニュースピックアップ

1.日経株価急落、「岸田ショック」との見方も?

日経平均株価が8日間続落したのは12年ぶり。岸田新総裁の「分配を重視する」という発言で、自民党の構造改革がストップしてしまうのではないかという不安が市場に出てきているのではないか。また、改革派の河野太郎氏や河野氏を取り巻く人々が入閣しなかったことも大きい。岸田総理の良さがまだ出てきていないので、今後に期待したい。

2.中国恒大集団のデフォルト不安に見える破綻法制

債権者平等の原則があってないような実例もあり、日本人が思う破綻法制と中国はやや異なる。来週3回目の利払い期日が来るが、先延ばししていくのではないか。中国の中でも不満が溜まっているので、今回は恒大集団を規制で取り締まっていくが、その他の企業をどうすべきか、国がコントロールしようとしているという見立てもある。

3.ビットコインの価格変動、米当局の発言がカギ

デジタル人民元を推し進めたい背景から、9月24日に中国が仮想通貨の禁止を発表してビットコインの価格が急落した。しかし、10月に入ってFRB(米連邦準備理事会)のパウエル議長が仮想通貨の禁止は考えていないと発言したことで、一気にビットコインの株価が600万円を超える水準まで戻っている。米国の債権取引委員会でも同じような発言があるなど仮想通貨に対しては積極的。日本、中国、アメリカでコントラストがある。

4.日本のユニコーン企業率は約1%、伸び悩む現状

日本のユニコーン企業の割合(約1%)を見ると、アメリカ、中国などに迫ることは難しそう。ユニコーン企業の半数はアメリカ、2位が中国、日本は10社程度のみ。インド、イスラエル、カナダよりも少ない現状がある。日本は株式の時価総額は世界3位だが、スタートアップを醸成していこうという動きは世界で見ると遅れている。

5.心理的安全性の確保が「バーンアウト」を防ぐ

アメリカでバーンアウトでの大量退職が起こっているが、日本でも連動している。バーンアウトは「燃え尽き」と和訳されるが、「こんなに尽くしたのに会社に裏切られた」と退職していくことをバーンアウト症候群というため、「失恋」に近い。休みやすい環境を作ったり、情報をオープンにしたりなど心理的安全性を確保することが企業の急務だ。

【スペシャルトーク】サスティナブル資本主義

スペシャルトークでは、シニフィアンの共同代表を務める村上誠典さんに、著書「サスティナブル資本主義」についてお話いただいた。

「シニフィアン」は、「日本を元気にしたい」と未来を見据えて創業した会社。まずはビジネスから変えていくことが一番の近道と考え、未来産業に繋がるであろう上場間近のユニコーン企業もしくは上場したての企業を中心に、投資やアドバイスをしている。資金、人材、経営のうち、日本は経営が苦手だと前職時代、感じていた。特にプロダクトを作って伸ばすという経営ではなく、M&Aやポートフォリオ・マネジメントなどが苦手な若手が多いので、補完して支援をしている。

「サスティナブル資本主義」を書いた理由は、サスティナブルを考えて経営を変えていかないと最終的にブームで終わってしまうため。大企業の経営アドバイスもしているが、サスティナブルと言われても赤字にしては元も子もないというのが経営層の考えだ。サステナビリティを理解していながらも、経営に取り込むことに難しさを感じている。こうしてサステナビリティではなく資本主義に偏った経営がいたる所で起こってしまう危機感を伝えながら、経営の現場から遠い消費者がキーを握っているのではないかという思いで、「サスティナブル資本主義」を書いた。

企業価値の向上と持続可能な社会の実現は相性が悪いと言われているが、実は非常に相性が良いと考えている。今、投資分野で長期の価値を取り込んでいこうという動きが出ており、本当に評価される会社はより長期性を持った会社となる。持続可能な社会の実現は間違いなく100年後のテーマ。そのテーマにフィットした会社でなければ淘汰されていき、利益が出なくなって企業価値が低くなっていくことになる。

最先端のいい会社ほどサステナビリティのフィット感が大切だと気付きはじめている。こうした企業の赤字を投資家、労働者、消費者の3つの人が支えていかなければならない。長期的に正しいと投資家がお金を出し、正しい世界だと労働者が働き、消費者がそこにお金を落としていけば持続可能な社会の実現が可能。価値ある市場を生むのは消費者の動きだが、現状、一般消費者に「価値を生んでいる」という認識はない。その認識をしっかり持つことがファーストステップだ。

日本はサスティナブル資本主義を体現することに向いており、リーダーになれる素質もある。理由は2つある。日本は他国に先行して社会課題が多い国だ。高齢化・少子化もその一つで、少子化は市場が減るという社会課題だ。前向きに言えば我々はそれをいち早く経験することができ、打破するために様々な取り組みをしていく喫緊性がある。課題を解決できれば、解決策を世界に売れる可能性があることが理由の一つめ。

もう一つは、日本は明日を生きるための消費ではなく、先を考えられる消費ができる豊かさがあるため。労働生産性を上げて賃金を上げるなどで、未来に余裕を持った状況を作り出せる可能性が高い。また私たち消費者が、モノの価値は与えられるものではなく自分で作り出すもの、と考え方を変えることも必須になる。

村上誠典(むらかみ・たかふみ):兵庫県出身。大学、大学院を卒業後東大宇宙工学・JAXAの研究員を経て、ゴールドマン・サックスへ入社。幅広い業界の投資案件やM&A、資金調達業務に従事する。現在は「シニフィアン」の共同代表。2021年9月に祥伝社から著書「サスティナブル資本主義」を出版。Twitter

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
2. YouTubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA
3. radikoでも聴取可能です

最新情報は、Twitterでご確認ください。

※当コンテンツは作成時点までの信頼できると思われる情報に基づき作成しており、正確性、相当性、完成性などのほか、当情報で被ったとされる利用者の不利益に対しグロービス知見録編集部は責任を負いません。

RELATED CONTENTS