ダイバーシティニュース 政治(10/5)津田大介【11/30までの限定公開】

津田大介(つだ・だいすけ):ジャーナリスト/メディア・アクティビスト 
メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。ソーシャルメディアを利用した新しいジャーナリズムをさまざまな形で実践。オンラインメディア「ポリタス」編集長を務める。Twitter

津田大介さんのニュースピックアップ

1. 総務省の接待問題に関し第三者委員会が最終報告

「会食の影響は確認できない」との検証結果だが、放送・通信の許認可を司る総務省として疑いをかけられるような接待をしたこと自体がおかしい。会食に2回同席した平井前デジタル大臣の「あとから割り勘で払った」という話も、にわかには信じがたい。IT通で、かつ岸田派に属する平井さんが今回大臣を退いたのは、本件で攻められると政権運営がきつくなるとの判断もあったのではないか。

2. 眞子さまが10月26日に結婚 一時金は不支給に

一時金は受け取ったほうがいいと思う。「税金を使うべきでない」との声はあるが、生まれながらにして衆人環視のなか公務に務めてきた方が皇籍を離脱するにあたり、今までの功績に支払われるものだからだ。「(金銭トラブルで)国民の理解が得られていない」と、リベラルなメディアまで反対の論調を敷いているが、金銭トラブルもご本人の話でない限り結婚とは分けて考えるべきだと思う。

3. ウィシュマさんの映像が全面開示 想像絶する姿に遺族が怒り

遺族が国家賠償請求訴訟の準備を進めるにあたり、名古屋地裁が入管に証拠保全命令を出したことが今回の開示につながった。実際に見てみると酷かったそうだ。職員がウィシュマさんの口に食べ物を入れてもすぐ吐いてしまっていたり、最期は意識もないのに救急車を呼ばなかったり。選挙前に不利な情報を表沙汰にしたくない与党の姿勢が、入管を管轄する法務省の隠蔽体質につながっていたのではないか。

4. 全国で緊急事態宣言とまん延防止重点措置が解除

10月4日の東京都における新型コロナウイルス感染者数は100人を下回ったし、重症者数も減って医療現場にはかなり余裕が出てきた。ただ、まん延防止も緊急事態も全面解除されたのに酒類提供は20時まで、営業も21時までという要請を東京都が出しているのはなぜか。法的根拠もろくに示さず、ある意味では営業の自由を阻害している。感染拡大防止は重要だが、根拠に基づいた議論をするべきだ。

5. 被差別部落の地名リスト、ネット掲載に違法の判決

戦前にまとめられた被差別部落の地名リストをデータ化し、インターネット上で公開する人が出てきたということで、判決では削除と損害賠償が命じられた。ただ、今回の裁判では名乗り出るのをためらって原告に加わらなかった方もいる。そうした人々はどう救済するのか。現行法では差別被害の立証が難しいという問題がここでも表れている。やはり包括的な差別禁止法の制定と人権救済機関の創設が必要だと思う。

【スペシャルトーク】岸田新内閣のゆくえ

スペシャルトークでは、「新時代共創内閣」を掲げる岸田新内閣について、津田大介さんに掘り下げていただいた。

岸田さんは総裁選当選直後のスピーチで「民主主義の危機」という表現をなさっていた。公文書改ざんや検察への介入疑惑に関し、前政権では「説明しない」「聞かれたことに答えない」等のコミュニケーション不全があった。それが政治不信、ひいては投票率のさらなる低下につながった状況を指しているのではないか。では、誰がそうした危機をもたらし、それに対して何をどう変えるのか。そこで前政権の疑惑を再調査する等の話が出ていれば「自民も変わるかもしれない」と期待するのだが、会見でそういう話がなかったのは残念だ。

富裕層への課税を強化する一方、中間層やエッセンシャルワーカーの所得を増やすといった方向性については、良いと思う点もある。ただ、それを政策に練り上げる与党側のトップは高市政調会長。高市さんは同性婚にも夫婦別姓にも反対の方だ。そうした方がトップを務める党内の力学にあって、岸田さんのやりたいことが通るのかという面もある。

また「新しい資本主義実現会議」を立ち上げるとのお話もあったが、そこで具体的に何をするのかを記者に聞かれると言葉が濁っていた。選挙公約の発表前に話せないのかもしれないが、もう少し具体的な政策を聞きたい。

閣僚人事についてはもう少し女性閣僚が増えることを期待していたが、初入閣が13人になった点は思い切ったと言える。ただし、これも「総選挙で野党に共闘されると負けてしまうかもしれない人たち」を現職大臣に置くことで、選挙で負けにくい状況にする選挙対策との分析もある。

まずは今回の衆院選と来年の参院選で勝たなければダメだと考えているのではないか。政権基盤を盤石にしてから思い切った政策を進めようとしているという見方がある。自民党内ではハト派・リベラルとされる宏池会として30年ぶりの総理。今後7~8ヶ月は、まずは岸田さんらしさを打ち出せるのかが判断される期間になると思う。その意味でも衆院選の公約では「これまでと違うな」と思える政策を期待したい。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
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