ダイバーシティニュース 政治(9/21)津田大介【10/31までの限定公開】

津田大介(つだ・だいすけ):ジャーナリスト/メディア・アクティビスト 
メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。ソーシャルメディアを利用した新しいジャーナリズムをさまざまな形で実践。オンラインメディア「ポリタス」編集長を務める。Twitter

津田大介さんのニュースピックアップ

1. 4候補が自民総裁選に出馬 投開票は29日

論点はさまざまだが、個人的にはエネルギー政策に注目している。特に河野太郎規制改革相は原発再稼働に容認の姿勢を見せた一方、核燃料サイクルについては「止める」と、かなり明確におっしゃった。日本のエネルギー政策、ひいては産業構造に大きな影響を与える話だ。また、選択的夫婦別姓の議論もある。今は野党も経済界も賛成で、世論調査も7割が賛成。自民党内で一部反対派が止めている状況であり、候補者でも明確な反対は高市早苗氏だけ。これも総裁選の結果次第で議論の流れが変わると思う。

2. オール沖縄分裂か 名護市長選&知事選への影響も

沖縄経済界を代表する金秀グループの呉屋守将会長が、これまでリベラルも保守もまたいで辺野古への基地移設に反対していた「オール沖縄会議」を支持しない方針であると表明した。来年には辺野古がある名護市長選、そしてその半年後は県知事選も控えている。同グループの離脱でオール沖縄陣営が弱体化することは間違いない。来年以降、沖縄の政治は激震すると思う。

3. 変死遺体のうち、8月は過去最多250人がコロナ感染

目下の感染者数は先月末の1/20ぐらいに減ったが、重症者数は同1/4ぐらいしか減っていないし、今回報じられた通り、カウントされていなかった死亡者も相当いたという。やはり自宅療養者を減らすこと、あるいはそこに対する細かいケアが不可欠だ。また、今は10~20代の感染も増えているほか、たとえば世田谷区の調査によるとコロナの症状が収まっても後遺症に悩まされている人が半数近くにのぼったという。11月下旬から第6波が来るとの見方をする専門家が多いことも考えると、まだまだ安心できない。

4. ワクチン接種証明、マイナカードでスマホから即発行

接種証明なら現時点で民間に優れたアプリがあるし、国のワクチン接種記録システム(VRS)は外部アプリとの連携機能もあるそうだ。デジタル庁の肝いりでマイナンバーカードと紐付けたいのだろうが、いまだ交付率は低く、発行にも時間がかかる。国のアプリとマイナンバーカードで強制的に管理していくと利用は限られるのではないか。国による監視社会への懸念にもつながる。いきなりマイナンバーカードで厳密に縛らない運用のほうが普及効果も高いのではないかと思う。

5. 誹謗中傷の抑止へ向け「侮辱罪」の厳罰化を諮問

社会問題となっているネットの誹謗中傷だが、民事であれば侮辱行為に対する慰謝料は10~20万程度。その金額が厳罰化で大きくなれば抑止効果も期待される。ただ、名誉毀損と異なり、侮辱罪は「公益を図る目的で真実たる証明」ができても免責されない。従って、たとえば政治家への批判が侮辱罪で提訴とされる恐れなどから、言論が萎縮する懸念もある。表現の自由とのバランスにおいて難しい制度設計になると思う。

【スペシャルトーク】防衛予算拡大に向けたインフルエンサーへの接近

スペシャルトークでは、引き続き、津田大介さんに、防衛省が予算拡大を狙い、ネット上で影響力を持つ「インフルエンサー」たちに接近しているという話題について聞いた。

最近はニュースバラエティなどで、政治、経済、安全保障といったテーマについて、必ずしも専門家でない芸能人などがコメントすることが多い。ときには庶民感覚の切り口も意味があると思うものの、今回報じられたのは、社会に影響力を持つ「インフルエンサー」に、官僚が出向いて防衛予算拡大のPRをする計画があるという話だった。

これは昔から官僚がよくやっている「レク(レクチャーの略)」と呼ばれるもの。レク自体は珍しい話でなく、実は僕も受けたことがある。2014年のあるとき、経済産業省・資源エネルギー庁の方が「意見交換をしたい」と言ってきたのでお会いしてみると、グラフを見せつつ「老朽原発は次々止まります。ですから原発政策を続けるなら新しい原発つくらないと…」と言う。メディア等で新設の議論をして欲しかったようだ。ジャーナリスト等の仲間たちに聞いたら、皆「うちにも来た」と言っていた。もちろん「こう言ってください」とは絶対に言わないし、聞くこと自体は悪くないので僕もレクは受けたが。

ただ、今回のケースは個別の政策でなく防衛省全体の予算に関する話。世の中の人々に防衛省を身近に感じてもらいつつ、安全保障上の危機が生じているとの認識を広めたうえで防衛予算拡大の機運を高めようというわけだ。しかも、学者や業界関係者を対象としていた従来のレクと異なり、芸能人やYouTuberを対象にしているという。専門家でない方々に情報をインプットして防衛省に都合の良いことを言ってもらうというのなら、防衛省の宣伝、あるいはプロパガンダと捉えられても仕方がないと感じる。

しかも、衆院選まで2カ月という今やるべきことなのか。それが防衛省や政府、あるいは自民党の考えであることも明らかにされないまま、インフルエンサーの話をすんなり受け入れる有権者もいるだろう。専門性が高い問題ほど、本来は国会で与野党が議論したうえで有権者に判断してもらうべき。その国会すら開いていない今の状態でインフルエンサーにものを言わせるのは、結果的にはステマと同じ話になると考えている。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
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