ダイバーシティニュース 政治(9/7)津田大介【10/31までの限定公開】

津田大介:ジャーナリスト/メディア・アクティビスト 
メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。ソーシャルメディアを利用した新しいジャーナリズムをさまざまな形で実践。オンラインメディア「ポリタス」編集長を務める。Twitter

津田大介さんのニュースピックアップ

1. 首都圏中心に緊急事態宣言が延長 政治日程への影響は

8月22~23日頃から感染者数は減っておりピークアウトを指摘する専門家もいるが、今も全国の重傷者数はほぼ最多を更新しており、死亡者数も増えている。デルタ株では基礎疾患のない若年層でも重症化リスクが高く、8月の死者数を見ても3割が50代以下だ。自宅療養がこの状況に拍車をかけている面もあるだろう。自宅療養者が確実に医療へアクセスできるようにすることが喫緊の課題であり、まだまだ収束と言える状況ではない。

2. 眞子さまと小室圭さんが年内結婚の方向で調整

なぜ他人の結婚に多くの国民が口を挟むのか。「皇室には税金が投じられており公益性があるから口を出す権利もある」という理屈のようだが、結婚自体は公務ではない。皇籍離脱を表明し、報道によれば一時金も辞退するというお二人をいまだ追いかけるメディアも何をしているのかと思う。他の皇族にも、あるいは女性天皇・女系天皇の議論にも影響がおよぶ深刻な話だと考えている。

3. 小池都知事、関東大震災での朝鮮人虐殺で追悼文送らず

虐殺された朝鮮人被害者を追悼する横網町公園の式典には、右派とされる石原元都知事を含め、歴代都知事全員が追悼文を出していた。しかし、小池都政2年目から「都慰霊堂での大法要で震災犠牲者すべてに哀悼の意を表している」との理由で追悼文を出さなくなった。天災と虐殺の被害を一緒くたにするのは、日本の負の歴史に目を向けたくないという意思の表れではないか。そうした方が都知事を務める東京で、平和の祭典である五輪が開催されたことは恥ずべきことでもあると感じる。

4. 現職議員に懲役4年判決 多発する「政治とカネ」問題

元副大臣の秋元司氏、元農水相の吉川貴盛氏、そして河井克行氏・案里氏夫妻と、今年に入ってすでに4人が起訴または有罪判決を受けている。今年は安倍前総理に対する不起訴不当の議決もあった。なぜ自民でこれほど「政治とカネ」問題が起きるのか。外部の目を入れて徹底的に検証すべきだが、そういう姿勢はまったく見えない。「長期政権による気の緩み」との声も聞くが、そんなレベルではない。収賄は犯罪なわけで、衆院選でも総裁選でも大きな焦点にすべきだと考えている。

5. 党内人事に反発高まり菅首相が総裁選不出馬

感染拡大による支持率低下の状況をワクチンと五輪で打開する目論見だったのだと思うが、いざ開幕すれば五輪に肯定的な声は増えた一方、支持率はさらに下がった。その状況で横浜市長選があり、総理の地元で、かつ盟友で閣僚の小此木八郎氏を立てたものの大敗し、自民党内での人事も通用しなくなった、と。その時点で命運は尽きていたのだと思う。菅政権には肯定的な評価もあるが、日本学術会議の任命拒否問題もあった。これも人事だ。意にそぐわない官僚や学者を外すという人事で力を得た方が、最後は人事で権力の座を降りるという皮肉な結果になったと感じる。

【スペシャルトーク】テーマ:「『ニュース女子』によるフェイクニュースへの訴訟問題」

スペシャルトークでは、『ニュース女子』問題訴訟でDHCテレビジョン(以下、DHCテレビ)に損害賠償と謝罪文掲載などを命じる判決が出たことをうけ、改めて「フェイクニュース」について津田大介さんに掘り下げていただいた。

化粧品大手のDHCは近年、DHCテレビというメディア制作の子会社で『ニュース女子』のような番組をつくっており、たとえば東京ではTOKYO MX(以下、MX)がそれを放送していた。問題になったのは、その『ニュース女子』で2017年に放送された内容だ。沖縄の反基地闘争に関し「基地反対派が救急車を止めた」等々、ネット上のデマを取材も検証もせず、そのままニュースと銘打って放送する悪質なコンテンツだった。

特に酷かったのは辛淑玉(しんすご)さんに関するフェイクニュースだ。当時、辛さんは反基地運動を取材する市民記者を募集しており、そこで沖縄との往復交通費等、取材費5万円を提示していた。しかし『ニュース女子』はその募集情報を「反基地運動で関係者全員に5万の日当が支払われている根拠」のように報じ、しかも在日韓国人である辛さんの活動ということで「韓国が絡んでいる」といったデマを放送した。

こうした人権侵害や侮蔑表現を含む放送に関し、BPOの放送倫理検証委員会と放送人権委員会が徹底的な検証を行った結果は、「取材もせずデマを流したDHCテレビと、持ち込まれた番組を考査もせず放送したMXの責任は大変重い」というもの。2つの委員会が最大限に厳しい言葉で勧告を行ったことにより、MX側は後日方針を改めた。DHCの広告は大きな収益源だったはずだが、公益性や倫理と照らし合わせ、2018年3月に『ニュース女子』放送を打ち切ったのち、MXの社長が辛さんに直接謝罪をしている。

そこで辛さんもMXについては謝罪を受け入れ、残るDHCテレビに対して訴訟を起こしたのが2018年。そこから3年も経ったが、名誉毀損としては高額な損害賠償550万円の支払いと謝罪文掲載を命じるという、結果的にはDHC側にかなり厳しい判決が出た。ただ、同社は反省していないどころか、「自分たちは敗訴していない。一部勝訴」のようなコメントを出している。自分たちの支持層にメッセージさえ出せば儲かるからだろう。DHCのような大企業にとって550万はたいした損失でもない。訴訟で負けても同じことを繰り返す彼らに、我々はどう対処するべきなのか。とても重い課題を突きつけられていると思う。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
2. Youtubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA
3. radikoでも聴取可能です

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