ダイバーシティニュース 政治(8/31)櫻井よしこ、堀義人【9/30までの限定公開】

櫻井よしこ(さくらい・よしこ):ジャーナリスト、国家基本問題研究所理事長
ベトナム生まれ。ハワイ大学歴史学部卒業。クリスチャンサイエンスモニター紙 東京支局の助手としてジャーナリズムの仕事を始め、アジア新聞財団 DEPTH NEWS 記者および東京支局長、NTVニュースキャスターを経て、現在に至る。2007年にシンクタンク、国家基本問題研究所を設立し、国防、外交、憲法、教育、経済など幅広いテーマに関して日本の長期戦略の構築に挑んでいる。『何があっても大丈夫』『日本の覚悟』『日本の試練』『日本の決断』『日本の敵』『日本の未来』『一刀両断』『問答無用』(新潮社)『論戦』シリーズ(ダイヤモンド社)『チベット 自由への闘い』(PHP新書)『朝日リスク』(共著・産経新聞出版)など著書多数。Twitter公式サイト

櫻井よしこさんのニュースピックアップ

1. エネルギー政策では再生エネと原発の共存を

2030年度に全電源の36~38%を再生可能エネルギーにするという第6次エネルギー基本計画の素案を見ると、社会基盤である電力の安定供給が危うくなるのではないかと感じる。太陽光はやっていくべきだが補完エネルギーは必要だ。小泉進次郎環境相は火力にも原発にも否定的。ここは菅首相が「再生エネルギーを成功させるためにも原発は必要であり、両者を組み合わせていく」と言うべきではないか。原発の新設やリプレースも基本計画に入れないとエネルギー政策は絵に描いた餅になってしまう。

2. 日米中トップの関係と、日本が果たすべき役割

せめぎ合う米中間で日本の役割は大きい。日米が良くなると米中が悪くなり、米中が良くなると日本が取り残されるという日米中ゼロサムゲームのなか、菅首相が両国首脳とどんな関係を築くのかは大変重要になる。日本の歴代総理は安倍前首相を除いてほぼ全員が中国に位負けしてきた。菅首相はどうか。バイデン大統領とは良い線をいっていると思うが、日本としてもっと自信を持ったうえで、「我々の果たす役割はこうなんだ」と、決然とものを言いリーダーシップを発揮すべきだと考えている。

3. 中国の人権問題で日本が世界とともに進むべき道

日本がどういう立場を取るか決めれば戦術や戦略は明らかになる。今は100~200万人とも言われるウイグル人、あるいはカザフ人が中国政府から酷い目に遭っている。そうした人権侵害にNoを突きつけるEUやアメリカと異なり日本は非難決議も出していない。欧米は人権を突破口にして中国を攻めていく戦略があり、国がいろいろなことを決めている。ところが日本は国家が何も決めず企業判断に任せてしまっているわけだ。企業製品のライフサイクルで人権弾圧が発生していないかをチェックする等、政府がガイドラインのようなものをつくってあげないといけない。

4. 混迷のアフガン アメリカは何を間違えたのか

今回はアメリカの大失策だと思う。かつてアルカイダと戦ったこと、あるいは現在の大戦略としてアフガンから引きたいというのも分かるが、問題は手仕舞いの仕方だ。周辺国と相談したうえで、選挙で選ばれたアフガン政府が今後もやっていけるよう準備や手助けをしながら引くべきだった。しかし、たとえばバグラム空軍基地についても、ウォール・ストリート・ジャーナルによれば何も言わず夜陰に乗じて引き上げてしまったという。これについてバイデン大統領は「軍参謀の助言に従った」と言うが、オペレーションとしてバグラムとカブールを両方守れないから後者を選ぶという話だったはず。結果的にはどちらも放棄してしまった。

5. 迷走する文在寅政権と日韓関係改善に向けた希望

文在寅大統領は演説等で「民族統一」を口にする。また、それを実現するために朝鮮民族として「積弊の清算」が必要である、と。過去の弊害、つまり日本の影響力をすべて取り払う必要があり、その点では韓国より北朝鮮のほうが正しいというわけだ。一方で、今は韓国でもまともな人々が出てきている。今も慰安婦の方々らが日本大使館前で補償や謝罪を求め叫んでいるが、最近はそれに対して抗議を行う学者の方々も増えてきた。次の大統領が誰になるか分らないが、韓国でも正しいことを言う人たちが増えていることに希望をつないでいる。

【スペシャルトーク】テーマ:「菅政権の行方」

スペシャルトークでは、首相就任から1年が経ち、支持率では発足以来最低を更新した菅政権の行方について、櫻井よしこさんに掘り下げていただいた。

大変頑張っていらっしゃるが、国民に通じていないのがお気の毒だと思う。今は大きな潮目にある。変化はリスクであるとともにチャンスであることを認識して欲しい。自信を持って決断し実行すれば、菅首相はひょっとして安倍前首相より大きな功績が残せるかもしれない。また、東北のご出身で「沈黙は金なり」といった価値観があるのも分かるが、政治とは言葉に「愛」「魂」「価値観」を込め、語り、納得してもらうこと。「もっとお話をしなさい」と言いたい。さらに言えば、およそ200ヶ国で成り立つ世界のなかの日本国として、生き抜くために鳥の目で全体を俯瞰して欲しい。

日本は戦後、国として責任を持ち、自ら決定を下し、軍事力も経済力もすべて使って国を守るという訓練をしてこなかった。「アメリカがいてくれるから」と、70数年間、国家観がなくともなんとかなってしまう環境で政治家も国民も育ってきた。その点、安倍前首相は明確な国家観を持っていたが、菅首相はその下で官房長官をなさってきたわけだ。その延長線上で、たとえば「皇統を続けるために旧皇族の方々を養子にすることも考える」等、良いこともいろいろ言っていらっしゃる。それをさらに深く、国のあり方や制度に結びつけて欲しい。

直近では二階俊博氏が自民党の幹事長を退くとのニュースも入っているが、引いていただいたらいいですよ。自民党に合わない。とにかく今は透明性のある人が求められている。「自民党は国民の皆さまとともにいます」と、価値観を共有できると思ってもらえる人を登用して自民党を変えていけば、すごいことが出来ると思う。

今最も大切な政策は国防だ。自衛隊の皆さんは頑張っているが、現在の国防費は韓国より少ないほど。国を守るうえで防衛力を強化すべきだし、そのためには自衛隊が自衛隊として動けるよう憲法改正を問うべき。また、日本の国柄として、やはり皇室は日本文化の粋を表している。皇室をもっと安定した形とするため、きちんと男系でつないでいく仕組みを問うことも大事だと考えている。

いずれにしても菅首相には深掘りした国家観を見せて欲しい。目の前の政策課題を1つひとつ解いていくタイプだと思うが、なにも政治は携帯電話の料金だけではない。携帯の料金下げるなら下げるで、なぜ料金が高いのかを伝え、その先で総務省が電波を解放しないことに踏み込むこと。そこで初めて、1つひとつの政策を通して国全体の仕組みを考えていると、国民にも伝わるのだと思う。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
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