ダイバーシティニュース 政治(8/24)古谷経衡【9/30までの限定公開】

古谷経衡(ふるや・つねひら):作家/評論家/コメンテーター

作家・評論家として活躍する一方、テレビ・ラジオなどでコメンテーターも務める。オタク文化にも精通。主な著書に『愛国商売』(小学館)、『日本型リア充の研究』(自由国民社)等多数。札幌市生まれ、立命館大学文学部卒。Twitter 公式サイト

古谷経衡さんの「ニュース・ピック・アップ」

1. 横浜市長選で首相応援の小此木八郎氏が惨敗

自民党の小此木陣営は開票前から劣勢との情報だったが、結果的に当選の山中竹春氏と18万票もの差がつく惨敗となった。保守分裂のほか、もともとはIR推進派であった菅総理が、IR反対の小此木氏を支援するなど、与党側のブレが目立った選挙だ。ただ、菅政権への拒否感が今回の結果につながったのかどうかは分らない。秋以降の衆院選でも今回と同じ程度に自民が惨敗するかというと、その判断は保留したい。

2. 邦人・現地スタッフ退避でアフガンへ自衛隊機派遣

遅れたとはいえ良い決断だったと思う。日本国政府には日本国民の生命と財産を守る役割がある。「旅客機でも良いのでは?」との声もあるが、今回派遣される2機のC130輸送機は誘導ミサイルを妨害する「フレア」を搭載しているし、旋回性能も高い。結果的には自衛隊機の派遣で良かったと思うし、今後も積極的に活用していくべきではないか。

3. ヤフーニュースの中傷コメントに刑事上も罰金命令

大阪府高槻市の男性市議を中傷する投稿が行われた件だが、民事訴訟ではすでに和解が成立していた。事件の大きさにもよるが、「お金を払いますから」ということで民事が和解した場合、刑事は不起訴になるケースが一般的だ。ところが今回は刑事告訴でも略式命令が出て、中傷した側に前科が付く形となった。それほど重い態度で警察および検察が動いたことの社会的影響は大きい。「お金さえ払えば刑事上の責任は問われないのか」という流れに対し、「刑事は別だよ?」との結果が示されたのは1つの転換点と言える。

4. 新政権樹立へ、タリバン政治部門トップがカブール入り

イスラム原理主義のタリバンは、女性の人権にも抑圧的であり、大変危険な組織だ。人権抑圧は絶対に許されない。ただ、だからといって再度アフガンを武力で平定すべきかというと、それは別の話。タリバンにはタリバンの主張や世界観がある。日本やアメリカが西洋民主主義の平等や自由を掲げることは大事だが、「けしからんからタリバンを除去しよう」という決めつけや武力行使が、結果的には現在の状況を招いたように思う。

5. 教員免許に10年の期限を設ける更新制が廃止へ

更新制度自体はあったほうがいいと考えている。手法は変える必要があるし、現場には素晴らしい先生がいらっしゃるのも分かる。ただ、時代の変化や多様性に対応できていない方は多い。私が中学生だった1996年、当時通っていた学校のコンピュータ室に新しく設置されたパソコンは、Windows95が出た翌年なのにDOS/Vマシンだった。変化に対応しづらい世界なのだと思う。十年一昔と言われるが、今は一年一昔。免許を剥奪したいわけではないが、運転免許だって頻繁に更新するのは道交法が次々変わるから。教員も2年ぐらいで新しい知識を入れていく仕組みが欲しい。

【スペシャルトーク】テーマ:「北方領土問題の現状と今後」「太平洋戦争で特攻拒否を貫いた芙蓉部隊」

スペシャルトークでは、「北方領土問題の現状と今後」と「太平洋戦争で特攻拒否を貫いた芙蓉部隊」の2本立てで、引き続き古谷経衡さんにお話を掘り下げていただいた。

①「北方領土問題の現状と今後」

北海道出身の私にとって北方領土問題は大変身近なテーマだ。1956年の日ソ共同宣言では「平和条約締結時の歯舞と色丹の引き渡し」が明記されているが、近年は急激に事情が変わってきた。プーチン政権は「共同宣言に書かれた“引き渡し”とは主権のことではない」との解釈をしている。ロシアとすれば北方領土は勝ち取ったものという認識であり、現実問題として4島返還は難しい状況と言える。

2島返還であれば交渉の余地はあるということで、最近は政府も2島先行返還論という風に姿勢を変えてきたが、結論から言うと2島すら返還されないのではないか。1島も返したくないロシアと、4島すべてを取り戻したい日本で、平行線のまま60~70年。この状態をさらに100年も200年も続けるのは無理だ。日本固有の領土であるし、悔しいが、元島民の方々も高齢化している。戦後100年ぐらいまでには問題を解決しなければ。2島返還も難しいという結果になったとき、経済協力を含めて日本はロシアと仲良くやっていけるのか。今は日本人全体が問われているのだと思う。

②「太平洋戦争で特攻拒否を貫いた芙蓉部隊」

太平洋戦争末期、「特攻以外に道はない」と言われていた当時の日本軍にあって退艦特攻を拒否し続けた「芙蓉部隊」という戦闘機隊の存在はあまり知られていない。同部隊を率いた美濃部正(みのべ・ただし)少佐は当時29歳。彼らは徹底した工夫を重ね、最後まで1機の特攻も出さず正攻法で戦い続けた。朝と昼に寝て夜に出撃していた夜戦部隊だ。レーダーもない状況下、占領された沖縄の米軍を攻撃する際は詳細な立体模型をつくり、島の地形を徹底的に頭へ叩き込んだうえで出撃していた。結果的には沖縄占領中の米軍に6回もの爆撃を行い、飛行場ではおよそ600機を炎上させた。大変な戦果と言える。

戦後、美濃部氏は自衛隊で空将に登り詰め、1997年に亡くなっている。特攻の善し悪しに関わらず、やられっぱなしであった当時の戦況でも創意工夫を重ねて戦い続けていた同部隊を知って、あの戦争末期も特攻だけではなかったのだと知った。芙蓉部隊については関連書籍も多いので、たくさんの人に読んで欲しい。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
2. Youtubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA
3. radikoでも聴取可能です

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