ダイバーシティニュース 政治(8/3)津田大介【9/30までの限定公開】

津田大介:ジャーナリスト/メディア・アクティビスト 
メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。ソーシャルメディアを利用した新しいジャーナリズムをさまざまな形で実践。オンラインメディア「ポリタス」編集長を務める。Twitter

津田大介さんのニュースピックアップ

1. 8/3時点で史上最多19個 メダルラッシュに沸く日本

僕も日本の選手が活躍すれば盛り上がる部分はあるが、コロナ感染状況が各国で大きく異なり、ロックダウンのため自宅でしかトレーニングできないような選手もいたと思うと複雑な気持ちになる。五輪開催自体が議論になっていたことでモチベーション維持が難しい面はあっただろうし、実際に参加を辞退した有力選手もいるほか、来日後も適正な競争環境になっていると言いにくい部分があるためだ。報道を含めて今はメダルの数に一喜一憂しがちだが、今回は特殊な条件であることも前提にしたほうが良いと思う。

2. 軍艦島の世界遺産登録にユネスコが「強い遺憾」

軍艦島の登録にあたっては、朝鮮の人々が過酷な条件下で労働させられていたことなどを「理解できる措置をとる」と、もともと日本のユネスコ大使が表明していた。その説明を先延ばしにしてきたために今回の決議となったわけで、このまま日本が誠実な対応をしないのなら登録の取り消しもありえる。十分説明しているという日本政府の立場が国際常識として通らない状況なのだと思う。韓国側から見た歴史観も踏まえた情報の提供が必要ではないか。

3. 「黒い雨」訴訟で上告見送り 全員に被爆手帳交付

高裁判決に対して一度は上告の意向を示していた政府だったが、数日後、広島県知事と広島市長が首相に上告断念を要請したというニュースが流れた日に今回の決定も報じられた。首相のトップダウンだったようだ。支持率低下のなかで選挙を控えている事情も影響したのではないか。上告断念の結論自体は良かったが、もっと早く決断できなかったかという思いもある。

4. アストラゼネカ製ワクチンが原則40歳以上に公費接種へ

全体のワクチン調達計画を補いつつ、若い世代で希に報告される血栓症リスクを避けるため40歳以上を摂取対象にするという。ただ、特に40歳前後は「氷河期世代」「ロストジェネレーション」と呼ばれる世代。長らく就職難にあえいだ末、今は雇い止めに遭い、コロナでも大変なダメージを受けていると言われる人々だ。そうした人々にファイザーとモデルナに比べ有効性が低いと言われるアストラゼネカ製を使うとなると、「ワクチンまでハズレなのか」と。実際にはそこまで良くないワクチンではないと思うが、不公平感を抱く世代がいることは覚えておいたほうが良いと思う。

5. 「桜を見る会」の夕食会収支で安倍氏「不起訴不当」

対象の夕食会では飲食代金の差額を安倍氏側が補填したのではないかと言われていたが、その捜査は安倍氏本人と秘書への任意聴取にとどまっていた。それが不当であるというのが今回の検察審査会議決だ。もし菅さんが支持率低下等を理由にして選挙前に首相を降りたとすると、これまでは総裁選で安倍氏再々登板の可能性もあったと思う。しかし、再捜査でそれも難しくなるかもしれないと考えると、今回の議決は遅くとも11月中旬までに行われるだろう総選挙に大きな影響を与えるかもしれない。

【スペシャルトーク】テーマ:「新型コロナ全国感染者が1万人超え。五輪との関係は?」

スペシャルトークでは津田大介さんに、新型コロナの感染拡大と五輪との関係について掘り下げていただいた。

デルタ株は水疱瘡レベルに感染力が高く、どうやら空気感染もするようだ。現在は、自宅と会社の往復しかしていないのに感染したという感染経路不明の事例も増えている。これまでは換気していれば大きな問題はないとされていた通勤電車も、今は感染経路になっている可能性がある。

とにかく心配なのは医療の逼迫だ。NHKのサイト等を見るかぎり東京の病床使用率は現在6~7割だが、現場の方々に話を聞くと、そうした数字と現場の逼迫に乖離があるとの声もある。

感染者数は今後も増えるのだろう。7月の4連休における人々の移動データを見ても人流は増えている。もちろん外出は控えたほうがいいに決まっているが、現在のような感染状況でも五輪を開催しているわけだ。にも関わらず「不要不急の外出を控えて」というちぐはぐなメッセージを発信していては、人々も問題意識を共有できないのではないか。

今は政府も打つ手がない状況なのだと思う。昨日(8/2)は菅首相から「本当に重篤な人でないかぎり自宅で療養していただく」との方針が発表された。そのうえで症状が悪化したらすぐ入院できる体制を整備するとの話だが、その症状を自宅でモニタリングできるような環境が自宅に整っているのか。昨日は、都内自宅療養者の半数以上が119番しても病院に搬送できていないとの報道もあった。すでに現時点で医療逼迫でなく医療崩壊が起きているような状況だと感じる。

五輪が直接的に感染爆発を引き起こしているという言い方はしにくいものの、これほど恐ろしいデルタ株が蔓延しているなかで五輪を開催しているため、人々が危機意識を共有しづらくなっている面はある。何より、十分な水際対策が行えなかったことをはじめ、対応が後手後手に回っていることの相当な原因は五輪開催という前提にあるのではないか。その辺は五輪終了後にしっかり検証されるべきだと思う。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
2. Youtubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA
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