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X理論・Y理論とは?部下のやる気を最大化する新時代のマネジメント手法

投稿日:2025/10/03更新日:2025/11/28タイマーのアイコン 読了時間 5分

X理論・Y理論とは、人間のやる気に対する見方の違いから導かれる2つのマネジメント理論です。グロービス経営大学院の教員・研究員が執筆した記事をもとに解説します。

X理論・Y理論とは

X理論・Y理論とは、アメリカの経営学者ダグラス・マグレガーが提唱した、人のやる気に関する理論です。

X理論は「人は生まれつき仕事が嫌いで、責任を取りたがらない」という前提に立ちます。一方でY理論は「人は生まれつき勤勉で、自ら進んで仕事をしたがる」という前提に立ちます。

この2つの理論は、部下をどのような存在として捉えるかによって、マネジメントのアプローチが大きく変わることを示しています。つまり、上司の部下への見方そのものが、チーム全体の成果に大きな影響を与えるということです。

現代では、青山学院大学陸上部を4連覇に導いた原監督の指導法がY理論の実践例として注目されており、多くの企業でも応用されています。

なぜX理論・Y理論が重要なのか - 現代マネジメントの核心を握る理論

X理論・Y理論が重要な理由は、現代の働き方と価値観の変化に深く関わっています。特に若い世代の働く意識が大きく変わる中で、従来のマネジメント手法では限界が見えてきているからです。

①現代の働き手の価値観に合致している

現代の若者は「なぜその仕事をしなければならないのか」という合理性を重視する傾向があります。単純な指示や命令だけでは動かず、納得できる理由や目的を求めます。

Y理論に基づいたマネジメントは、この現代的な価値観と非常に相性が良いのです。部下の自主性を尊重し、目的を共有することで、より高いパフォーマンスを引き出すことができます。

②組織全体の生産性向上につながる

X理論による管理は一時的には効果があっても、長期的には部下のやる気を削ぐ可能性があります。一方でY理論による管理は、部下の内発的な動機を引き出すため、持続的な成果向上が期待できます。

実際に、Y理論を実践している組織では、離職率の低下、創造性の向上、チームワークの強化といった多面的な効果が報告されています。

X理論・Y理論の詳しい解説 - 2つの理論を深く理解する

この理論をより深く理解するために、それぞれの特徴と背景、そして実際の使い分けについて詳しく見ていきましょう。

①X理論とY理論の具体的な違い

X理論は「性悪説」に近い考え方で、人は本来怠け者であり、強制や監督なしには働かないと考えます。この理論に基づくマネジメントでは、厳格な管理、明確な指示、達成できない場合の罰則などが重視されます。

一方でY理論は「性善説」に近い考え方で、人は本来働くことが好きで、適切な環境があれば自ら責任を持って行動すると考えます。このため、目標設定への参加、自主性の尊重、個人の成長支援などが重視されます。

重要なのは、どちらが正しいかではなく、状況や相手に応じて使い分けることです。ただし、マグレガーは著書『企業の人間的側面』で「重要なのは経営者がX理論のような狭い仮説を捨てることである」と指摘しています。

②マグレガーが理論を提唱した背景

この理論が生まれたのは1960年代のアメリカです。当時は工業化社会の全盛期で、多くの企業がX理論に基づいた管理を行っていました。しかし、マグレガーは人間の潜在能力がより高いことに着目し、Y理論の重要性を訴えました。

マグレガーの研究は、後の人事管理や組織行動学の発展に大きな影響を与え、現在でも多くの企業や組織で参考にされています。特に知識労働が中心となった現代社会では、Y理論の考え方がより重要になってきています。

③青学陸上部の実践例から学ぶY理論

青山学院大学陸上部の原監督の指導法は、Y理論の実践例として非常に参考になります。原監督は企業での実務経験を活かし、部員の自主性を最大限に引き出す指導を行っています。

具体的には、組織の風通しを良くし、一方的な指導を避けています。また「目標管理シート」を導入し、選手同士が進捗を話し合うミーティングも定期的に開催しています。このような取り組みが、4連覇という輝かしい成果につながったのです。

X理論・Y理論を実務で活かす方法 - 現場で使える実践的アプローチ

理論を理解したところで、実際の職場でどのように活用できるかを具体的に見ていきましょう。成功のポイントは、部下一人ひとりの特性を理解し、適切なアプローチを選ぶことです。

①部下のタイプ別アプローチ法

新人や経験の浅いメンバーには、まずX理論的なアプローチで基本的なルールやスキルを身につけてもらいます。その後、成長に合わせてY理論的なアプローチに移行していくのが効果的です。

一方で、経験豊富なメンバーや専門性の高い仕事をする人には、最初からY理論的なアプローチを取ることができます。目標設定への参加、意思決定への関与、創造性を発揮できる環境の提供などがポイントになります。

また、個人の性格や価値観も考慮する必要があります。安定性を重視する人には明確な指示を、挑戦を好む人には自由度の高い環境を提供するといった柔軟性が求められます。

②Y理論を実践するための具体的な手法

Y理論を実践するためには、まず部下との信頼関係を築くことが重要です。定期的な1on1ミーティングを通じて、仕事の進捗だけでなく、キャリアの悩みや成長への希望なども聞く時間を作りましょう。

目標設定では、会社の目標と個人の興味や強みを結びつける工夫が必要です。「この目標を達成することで、あなたのどんなスキルが伸びるか」「将来のキャリアにどうつながるか」といった視点で話し合います。

また、失敗を恐れずにチャレンジできる環境作りも大切です。完璧を求めすぎず、学習の機会として捉える文化を作ることで、部下の自主性と創造性を引き出すことができるのです。

参考ページ

X理論・Y理論とは?【意味・定義を具体例「青学・原監督のマネジメントスタイル」で解説】

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    編集部

    ビジネスパーソンの役に立つコンテンツをお届けすべく、取材、インタビュー、撮影、編集などを日々行っています。

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