ハンバーガー界の「ラーメン二郎」を目指すバーガーキング! 

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バーガーキングがキングたる所以

記事には「食材増量大型バーガー」「トッピング自由定着狙う」と見出しにあり、「定番ハンバーガーに様々な食材を増量した“MEATMONSTER”」という説明が添えられた写真には、「あ〜ん」と口を開けて正面からかぶりつこうとすると、確実にアゴが外れそうな新商品が映っている。(単品・税込820円)。何と、通常の大型ビーフパティに1枚をさらに追加し、チキン1枚、チーズやベーコンを3枚もトッピングしたものだという。

記事にある「トッピング自由」は、バーガーキングのニュースリリースを見ると、同社のブランドプロミスであるらしい。

「米国バーガーキング社(以下:BKC)は、かねてよりブランドプロミスとして「HAVEITYOURWAY_」を掲げ、ビーフパティやチーズ、野菜、ソースなど、お好みに応じて増減が可能なメニューを提供してまいりました」とある。

そもそも、「WHOPPER(ワッパー)」と呼ばれるバーガーキングのハンバーガーは「大盛り」だ。ビーフパティの直径は5インチ(約13センチ)・4オンス(約113グラム)。大型バーガーとして有名になったマクドナルドの「クォーターパウンダー」のパテの重量は1/4ポンド=約113グラム。マクドナルドの大盛りがバーガーキングのフツーサイズなのだ。さらに、具材をトッピングしていく。まるで、大盛りで有名な「ラーメン二郎」の「ニンニク入れますか?」のようだ。

バーガーキングの狙いは「トッピングをおぼえさせること」。記事には『バーガーキングは「HAVEITYOURWAY(すべてあなたのお好みどおりに)」の名称で食材を自由にトッピングできる独自サービスを展開している。例えばトマトは50円、タマゴは100円など』と説明がある。今回、もう1つ発売された新メニュー「ALLHEAVY」(単品・税込420円)は定番の「WHOPPER」のレタス、オニオン、ピクルス、ケチャップを1.5倍に増量したものだ。お値段は据え置き。

しかし、「お得!」と思ったら、ちょっと待ったである。実は、従来から「WHOPPER」にはそれらの本来料金設定がなされている具材を、無料でトッピングしてくれるサービスがある。種明かしをするなら、実は「ALLHEAVY」ははじめから「WHOPPER」に無料トッピングできる具材をセットして、新たな名前を付けたに過ぎないのだ。

なぜ、そんな複雑なことをするのだろうか。

ラーメン二郎のごとく信者を創れるか

前記の「ラーメン二郎」の話。2011年1月26日付東京読売新聞夕刊の記事「ラーメン二郎ジロリエンヌ超大盛りペロリ」からその魅力を伝えてもらおう。

『様々なラーメン店がしのぎを削る首都圏にあって、揺るぎない個性で常連客が集う店といえば、「ラーメン二郎」の名がまず浮かぶ。極太麺と豚骨しょうゆの濃厚スープ、山盛りの肉と野菜というインパクト』

『「二郎」は1968年創業。東京・三田の本店は、安さとボリュームで、近くの慶応大の学生たちに愛されてきた。ところがここ10年で、都内近郊にのれん分けの店舗が急増。現在は36店もあり、「ジロリアン」と呼ばれる常連客は、ひいきの本拠地“ホーム”を持ちながらも、他店にも“遠征”して、個性の差を楽しんでいる』

詳しくない人にはコラムの冒頭に記した「ニンニク入れますか?」は「はぁ?」と思ったかもしれないが、同店では店員のその言葉を合図に、野菜やニンニクなどの無料追加具材を客が注文する。「ニンニク入れますか?」、「小(麺の量)・野菜・カラメ(かえし)マシマシ」といった具合だ。初めて訪れた人はそれに戸惑ってしまう。同様に、バーガーキングもトッピングの注文はなれていないとなかなか切り出しにくい。そこで、最初から「全部入り」をメニュー化しているのだ。

ハンバーガー業界第1位は約3300の店舗を持つ日本マクドナルド。次いでモスバーガーは約1400店舗。3位のロッテリアでも約500店舗を展開している。それに対し、一度は日本市場から撤退をしたバーガーキングの店舗はまだ30に満たない。

バーガーキングの狙いは、まず「ラーメン二郎」のように「信者」を増やすことにあるはずだ。それを体現したのが今回の2つの新メニューなのである。小食な者や子どもを寄せ付けない圧倒的なボリューム。さらにトッピング。それを征した時の達成感や充実感が中毒になり、また足を運ぶ。すべての消費者を惹きつける必要はない。まずは「ガッツリ食べたい!」というニーズを持った顧客をコアなファンとして形成し、囲い込むことが狙いなのだ。

規模で勝負すれば圧倒される。それに対抗するために、徹底して特徴を出してニッチャーとしてファンを獲得・維持し続ける。バーガーキングが「ブランドプロミス」としている「HAVEITYOURWAY(すべてあなたのお好みどおりに)」。その意図から学ぶべき企業は多いだろう。

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