新しい発想を生む〜ビジネスとは全然違うように見えるのに実は似ているものは?〜 

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「新しい発想」は抽象化によって生み出される

細谷功氏によれば、上記のクイズの答えを考えることが、今回のテーマである「新しい発想を生む」カギだという。読者の皆さんもまずは自分の答えと、その答えを選んだ理由を考えてみてほしい。

「『地頭力を鍛える』という観点からこのクイズを見た場合、実は答えの正誤は特に重要ではありません。大事なのはその答えを出すまでの思考プロセスです。このクイズの答えを考えることで、『新しい発想を生む』ときに必要な基本的な考え方の道筋を認識してほしかったんです」

クイズを出題した真意について、細谷氏はこう話す。

図1:クイズを解く思考プロセス

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「ある読者はクイズの解答として『バスケットボール』を挙げ、その理由を『集中力、チームワーク、プライド……といった重要な特徴が共通しているため』としました。そこには?〜?までの思考プロセスがあります(図1参照)。特に意識せず答えを出した人も、おそらく同様の工程を踏んで答えを見つけ出したと考えられます」

ちなみに、この工程で出した答えであればすべて“正解”とのこと。ではこの思考プロセスと「新しい発想」は、どう関係するのか。

「?と?で行った“要素から考える”作業は一般に『抽象化』と言われ、『新しい発想を生む』のに必要不可欠な頭の使い方です。さっそくこの抽象化思考を使い、新しい発想を生み出してみましょう。ある男性が合コンに参加している場面をイメージしてください。普通はまず自分のタイプの異性に狙いを定めますよね?しかしターゲットを絞り、アプローチを掛けただけでは、なかなか思わしい結果が得られなかったりする。そこで抽象化思考を用い、合コン戦略に新しいアイデアを投入してみたいと思います」

それを示しているのが図2だ。

図2:新しい合コン戦略法の描き方

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新しい合コン戦略を見つけるべく、経営戦略の「3C(顧客・競合・自社)の側面から戦略を練る」という要素を抜き出し、合コンに当てはめてみる。すると「顧客=狙っている女の子」に気を配るあまり、「競合=ほかの男性」や「自社=自分自身」の強みや弱みをおろそかにしていたことが判明するのだ。

「この例は比較的両者の関係が近いですが、あらゆる物事は抽象化を通し、同次元のものとして比較、対照が可能。両者の関係性が一見薄ければ薄いほど、抽出されるアイデアは、斬新な発想として映ります」

“例え”話で相手を納得させる

また、こうした抽象化思考は、新しい発想だけでなく、人の説得や何かを説明したい場合でも非常に有効だという。

「例えば、企業の業務改善活動のポイントとそれに伴う困難を誰かに伝えたい場合、ただ、『やり方やITなどのツールよりも、継続することが大事です』と言っても、それに伴う困難が今ひとつイメージしにくい。でもそれを『要するにやることを“入”と“出”の管理と考えれば、ビジネスもダイエットと同じ。やり方やツールが問題なのではなく、続けられるかどうかが問題なんです』と説明すれば、継続することの重要さと難しさが、瞬時にイメージにつながります。このように、話がうまい人というのは“例え”がうまい人。つまり抽象化思考を上手に活用できる人です。抽象化思考は普段から物の特徴や本質を抜き出して考える癖を付けるだけで鍛えられるので、今日からでもぜひ実践してみてください」

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