ポジションパワー型組織が裸の王様を産み、組織は崩壊へ向かう 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

仕事をしていく上で、部下をはじめとした周囲の人間を動かしていくことは必須です。その際に、役職や肩書き、つまりポジションパワーで人を動かすタイプの人と、その人自体の説得力、つまりパーソナルパワーで人を動かすタイプの人がいます。

ポジションパワーだけで人を動かしていくのが当たり前の組織だと、個々人のマネジメント能力は一切向上していきません。なぜ部下は自分の言うことが理解できないんだ?なんで俺の言ったとおりにできないんだ、と思ったら要注意。自分のことを理解したいと思っている部下がいないということです。

決して、その人の指示が高度だからというわけではありません。理解したくないんです。意識的であろうと、無意識的であろうと、それは関係ありません。自分の人間性を尊重しない人間の言うことをやりたいですか?そんなわけないですよね。お金をくれていたとしても、人間として付き合いたいか?付き合いたくないです。指示された仕事のモチベーションも沸きません。ただ、こういうことに気が付かない経営幹部はたくさんいます。

組織、マネジメントを知らない幹部社員というのは、ベンチャー企業などにたまにいます。営業たたき上げ、という幹部にも多い傾向ですね。いつまでたってもプランニングができない組織、つまり次のステージに行けない会社の出来上がりです。

恐ろしいのは、そういう会社の幹部には、そういった自覚が一切無いことですね。経営者も当然、気が付きません……。まあ、人は痛い目にあわないと、変われないものです。

人がポロポロと辞めていく。「あいつは根性がなかった」とか、「合わなかった」とか、「いや、むしろ辞めてもらったんだ」などの発言がこういう組織幹部からは聞かれます。最悪なのは、そういう離職を誇るような発言が幹部から聞かれる場合です。「新陳代謝は活発でないと!」とか、「うちの成長は人の入れ替えで支えられている」とか。もう、こうなると、「裸の王様」的な幹部が何人も生み出されています。気が付いていないのは幹部だけ、という寒い状況です。

「子供の集まり」から、「大人の組織」へ

儲かっていれば、どんどん成長していれば、こういう事態を直視せずに済みますね。でも、その成長にも終わりは来ます。その時に、こういう幹部は一掃されてしまいます……。まあ、そりゃそーですな。ベンチャー経営者で、自分は創業メンバーを大事にする、と誓っていても、結局、一掃してしまうのは、こういう事情ですね。

本質的には、経営者のマネジメント能力の問題なので、幹部を入れ替えても、問題は解決しないんですけどね、まあ、時間稼ぎにはなります。ただ、その入れ替えの前に、キャッシュを生み出すドライバとなっていた、様々な積み重ねが、脆くも崩れ去っていきます。

こういう事態を生み出さないためにはどうすれば?と思うでしょう。

意外と広がっていない概念ですが、コンサルティングファームには、「マチュリティ」という概念があります。成熟した大人、という意味ですが。一応、コンサルタントの評価基準の一つでもあります。激務をこなしていると、部下の人間性を無視しがちですが、大人として、相手を尊重して付き合えるか?というポイントです。

フレームワーク力とか、ロジカルシンキングとか、コンサルティングスキルの目立つ部分を取り入れようという人は結構いますが、マチュリティ概念をしっかり組織に取り入れようという経営者はあまりいませんね。マネジメントを舐めているからでしょう……。

マチュリティ、大人として、人をしっかり尊重して接することができること。そういう評価基準、マネジメント概念を取り入れないと、しっかりパーソナルパワーで人を動かそうという幹部は出てこないでしょうね。

人間性ベースで人を動かすなんて簡単だよ!と言っている幹部の態度を一日見ていれば、「裸の王様」かどうかはすぐわかります。わからないなら、経営者も「裸の王様」なだけです。

ポジションパワーを振り回す「子供の集まり」をやめて、マチュリティを持った「大人の組織」を作り出す試みをやってみませんか?

▼「INSIGHTNOW!」とは
ビジネスコンサルティングサービスを提供するクイックウィンズが、2006年4月にスタートしたWEB2.0時代のオンラインビジネス情報誌。独立系/現役コンサルタントや経営者などのビジネスのプロフェッショナルが、「ビジョナリー(先見の人)」として、各専門分野における知見をダイレクトに情報発信している。ユーザー参加型オンラインビジネスメディアというコンセプトは、INSIGHTNOW!に訪れるビジネスパーソンと共に、さまざまな知識を持った人がお互いの知見を交換することで、より大きな価値を生み出せるという「オープンナレッジ」という考え方に基づいている。

名言

PAGE
TOP