グルジア問題をめぐる微妙な中ロ関係 

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グルジアをめぐり、ロシアと欧米との対立が激しさを増している。今週はEU(欧州連合)の首脳会議が招集されており、そこでどのような声明が出るかが注目される。しかしヨーロッパ諸国の中でも、ロシアへのエネルギー依存度によってやや温度差があることは事実。EUが結束してこそロシアも耳を傾けることは各国も承知しているが、果たしてどれだけ結束を示すことができるだろうか。

一方、ロシアにとっては上海協力機構(SCO)の結束が重要な課題だ。SCOとは1996年に中国が主導してロシア、キルギス、カザフスタン、タジキスタンに呼びかけて結成(これらはいずれも中国と国境を接する国である)した「上海ファイブ」を母体とし、ウズベキスタンを加えた6カ国で2001年に発足した。さらにオブザーバーとしてイラン、インド、モンゴル、パキスタンの4カ国が会議に参加している。この上海協力機構は、もともとはソ連の崩壊に伴って国境紛争などを解決する目的で結成されたが、最近は安全保障の役割を強め、極東地域における米国の影響力に対抗する形を取っている。

南オセチアとアブハジアの独立を承認しなかったSCO

この上海協力機構の首脳会議がタジキスタンの首都ドゥシャンベで8月28日に開かれた。当然、ロシアの狙いはグルジア問題に関して加盟国からの支持を得ることである。そうでなければ、8月7日に武力衝突が始まって以来、既成事実を積み重ね、とうとう南オセチア自治州とアブハジア自治共和国をグルジアから独立させ、強引に承認までしたロシアの思惑がつまずいてしまう。

中国はロシアとの国境紛争を解決し、エネルギーを中心に親密な関係にある。米国との対抗というという意味でも中国がロシアに接近する可能性は高い。さらに中央アジア4カ国はもともとロシアとの結びつきが強いだけでなく、たとえばカザフスタンなどは同国から出る石油のパイプラインをロシア領内に通すことを決定するなど、ロシア寄りの姿勢を強めている。

しかし残念ながら、ロシアの思惑どおりにはならなかった。グルジア紛争で「平和を達成する上でロシアの果たす役割」をSCOは評価したものの、南オセチアとアブハジアの独立を承認するところまでは踏み込まなかったのである。

中国にとっては、ロシアとの関係をどこまで親密にするか、極めて微妙なバランスを取らなければならない。東アジアで米国がはびこる状況は防ぎたいし、米国が東欧に配備しようとしているMD(ミサイル防衛)も、軍事バランスを崩すものとして反発している(日本がMDを配備するということになれば、中国からの強い牽制があるはずだ)。

ロシアの行動に疑心暗鬼

とはいえ、中国の経済をさらに発展させることが中国首脳部にとって必然である以上、米国やヨーロッパという大きな市場との関係はきわめて重要だ。ロシアはエネルギー源として欠かせなくても、市場としては小さい。また技術の導入先としての重要性もそれほど大きくない。

その意味では、中国がこの時点でロシアに同調する可能性はもともとなかったのかもしれない。中央アジア4カ国にしても、ロシアとの関係は非常に重要だが、資源開発や資源を売る市場として見れば、欧米との関係も大切だ。さらにロシアとの関係で前提となってきた領土保全が、グルジアの一部をロシアが強引に切り離したことで、やや疑心暗鬼になるところもあるだろう。

南オセチア、アブハジアで強引に突っ走ったロシアのメドベージェフ、プーチン政権。どのような形で決着するかは、まだ見えてこない。

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