ZOZOTOWNで話題の「ツケ払い」、経営にどんな影響が出るの? 

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アパレル通販大手の「ZOZOTOWN」が昨年11月から新しい決済システムとして「ツケ払い」を導入しました。従来は、インターネットで商品購入時にクレジットカード支払い、あるいは商品代引決済によって商品納入時点までに購入者からの支払いが完了しましたが、「ツケ払い」は商品代金の支払いを購入時から2か月後までOKとする決済サービスです。

ZOZOTOWNの運営会社であるスタートゥデイは、商品到着後、中身を確認してからの支払いで良いという点で購入者に安心感を与えるとともに、購入者に支払方法の選択肢を広げることによって購入意欲を盛り上げ売上増加に繋げる効果を期待しています。

ところで、ツケ払いによって、同社の経営にはどのような影響が出るでしょうか。ツケ払いを導入することによって、まず商品代金の回収が遅くなります。簡単な例で見てみましょう。従来、キャッシュ・オン・デリバリーで商品を販売してきた会社があるとします。仕入れ代金の支払いは1か月後、商品在庫は売上の1か月分保有しているとします。この度、商品販売の2か月後に代金を回収するように回収条件を変更しました。

 

【運転資本の変化】

代金の回収を遅らせることにより運転資本が2か月分発生します。「運転資本(WC)ってどういう意味なの?」で説明しましたが、運転資本は会社の事業を運営するのに必要なおカネです。会社がその分のおカネが準備できなければ金融機関などから借金をして賄う必用があります。簡単に言うと、ツケ払いによってサービスを提供する会社にとっては資金負担が増えることになります。また、(営業)キャッシュ・フローが悪化する(要するにおカネ廻りが悪くなる)ことになります。

では、同社の決算書ではどうなっているでしょうか。先日公表された会社の決算短信から、前期と当期の売上債権回転期間を計算してみます。


2016年3月期:売上債権11,169百万円÷(売上高54,422百万円÷365日)
2017年3月期:売上債権20,858百万円÷(売上高76,393百万円÷365日)

前期と比べると約25日売上債権の回収期間が長期化していることが分かります。もっとも、これは会社全体(連結ベース)の売上債権回収期間であり、ツケ払いの売上のみを対象とした数値ではありません。他の事業の影響も受けた数値ですので注意が必要です。ツケ払いの購入金額上限や、サービス開始時期から推察すると、現時点でのツケ払いの影響は大きくないと考えられます。

なお、同社は、ツケ払いの回収業務を他社(GMOペイメントサービス)に委託しています。回収業務を委託することにより、代金回収業務の事務コストの軽減、実質的な回収期間の短縮(GMOペイメントサービスからは2か月より早期に回収していると思われます)や貸倒リスクの軽減を図っていると考えられます。
 

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