「ごくせん」「ルーキーズ」に共通するリーダーシップ理論 

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この春、話題をさらった二つの熱血教師学園ドラマシリーズ「ルーキーズ」と「ごくせん」。多くの視聴者を釘付けにした、両ドラマ主人公の魅力を、両者のリーダーシップ行動から紐解いてみたい。

A:「このクラス全員で一緒に卒業しよう!」
B:「夢と目標をもって、甲子園に出よう!」

Aは、仲間由紀恵が演じる「ごくせん」のヤンクミの定番セリフ。
Bは、佐藤隆太が演じる「ルーキーズ」の川藤の定番セリフ。

ご覧になっていない方のために、この両ドラマの概要をご説明しよう。「ごくせん」は不良グループを「本当の仲間」という切り口から更生させていくというストーリーだ。毎回発生する数々の問題をヤンクミこと仲間由紀恵が、生徒を愛する情熱と、極道一家の娘として生まれた格闘の手腕で、解決していくという。シリーズ3作目となった最新作では、ドラマ最終部分にヤンクミが登場し、悪者をやっつけるという、まさに現代の水戸黄門的な構成にしている。その水戸黄門効果によって視聴者を離さないように構成されているのだ。

一方の「ルーキーズ」は、こちらも何の楽しみも持たない不良グループたちを、情熱と愛情にあふれた若手教師の川藤が、野球という切り口から、夢と目標を持たせて、更生させるというストーリーだ。

一見同じ熱血教師ドラマでも、切り口は異なる二つのドラマ。しかし、この二つのドラマには現代の若者から大人までが引き付けられる共通要素がある。

それが、強烈な現代型リーダーシップ行動「GAMS(ギャムズ)」の実演だ。GAMSというフレームワークの詳細については、以前のコラムを参照いただければと思うが、簡単に説明すれば、次のようなリーダーシップ行動のステップを踏む。

ヤンクミと川藤によるGAMSの実践

(1)目標、夢を設定し(Goal)、
(2)その実現体制を構築し(Achievethesystem)、
(3)モチベーションを向上させ(Motivation)、
(4)サポートして、問題解決を図る(Support&Solution)。

このGAMSのフレームワークを、ヤンクミこと仲間由紀恵、川藤こと佐藤隆太が見事に演じており、その情熱的なGAMSの行動に視聴者が引かれているのだ。

「ごくせん」ヤンクミ
みんなで一緒に卒業するゴールを設定し(G)、
生徒が問題を起こしても学校と交渉し(A)、
常に明るく、楽しい結果を掲げてモチベーションを上げ(M)、
生徒がピンチのときには、一肌脱いで全力で助ける(S)。

「ルーキーズ」川藤
みんなで甲子園出場を目指すという新しい夢を設定し(G)、
生徒が道を外れそうになっても学校との交渉、練習試合の設定など(A)、
決してくじけず、夢を実現することが素晴らしいことを自ら信じる
(時に、中国のコトワザを使用し”自分にもできるんだ”と知らしめる)(M)。
そして、生徒がピンチのときには、体を張って全力で問題解決にあたる(S)

これは筆者の体感だが、近年40代、30代、20代と年齢層が下がるにしたがい、「リーダーシップ型人材」の割合が少なくなってきている感じを受ける。

この体感が正しいとした場合、さまざまな時代的背景的な要因が考えられる。

・兄弟が昔に比べると少ない
・子供同士で外で遊んだりせずにテレビゲーム世代
・学生時代を携帯コミュニケーションで過ごし、リアルコミュニケーション不足

これらからくる、「誰かに頼りたい」「引張っていって欲しい」という潜在的な気持ち、誰かに自分を信じてほしいという若者たちの気持ち。逆に、できるならこんな教師たちのように今の若者を引っ張っていきたいという大人の気持ち。こうした、現代人に不足した要素を補う、心の栄養剤的な役割をこの両ドラマが担っていると言える。

ヤンクミが常に訴えることは、「腹を割って話せる仲間のありがたさ、生んでくれた親のありがたさを知れ」ということ。また、川藤が常に訴えているのが、「夢をばかにするな、夢と目標を持て」ということ。実はこれらは現実の世界でも非常に重要な要素であり、これらを本当に理解することで、ビジネスの上でもその人の魅力が向上し、成功へ近づくことができると筆者は考える。

ドラマをみて、「こんなことありっこない」「架空のドラマの話だ」と一蹴してしまう人がいるなら、ぜひもう一度考えてみてほしい。ドラマから学ぶべき点は多いはずだ。確かに、全てが順調にいくドラマと現実の世界の比較には多少の無理はあるかもしれない。しかし、現実の世界でも彼ら両教師がとっているリーダーシップ行動は、非常に大切な要素であり、各界で成功しているリーダーたちも表現こそ異なるが、同じ(GAMSのフレームワーク行動という)エッセンスを実行しているのだ。

単なるドラマとして捉えず、なぜこのようなドラマが人気があるのか?なぜ、彼らの行動に不良生徒たちが更生されていくストーリーに仕上がるのか?と考えてみると、皆さんの明日からのリーダーシップ行動に役立つ示唆も多いのではないだろうか。

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