人件費って販管費ですか? 

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「人件費は販管費(販売費及び一般管理費)ですか、それとも売上原価ですか」、これもよく質問されます。答えは両方有り得る、となります。

人件費というと、通常は役員や従業員に対する給料、賞与、退職金、法定福利費や福利厚生費などですが、会計ルールでは、対象となる従業員などの業務に応じて費用区分が異なります。

メーカーを例にとると、工場などの製造部門に従事している従業員の人件費は製造費用として区分され、製品の製造原価に含められて最終的には「売上原価」として処理されます。なお、製造原価に集計される人件費は、通常「労務費」と呼ばれます。これに対して、営業部門など販売活動に従事している従業員の人件費は「販売費」、そして企画部門、総務部門、経理部門などのいわゆる本社部門に従事している従業員の人件費は「一般管理費」に区分されます。なお、役員の人件費は一般管理費へ計上されます。販売費と一般管理費はP/L上、「販売費及び一般管理費」として表示されます。

したがって、小売業などの製造業務を行っていない会社では結果として人件費は全額「販売費及び一般管理費」となります。

では、工場の中で製造活動に従事していない従業員の人件費はどうなるのでしょうか。例えば、生産管理、品質管理、生産技術の従業員は直接的には製造活動には従事していません。しかし、会社が自信を持って製品を世に送り出すためには必要不可欠な業務です。直接的ではなくとも間接的にでも製造活動に従事していると判断される場合は、製造費用とされます。なお、製品原価計算上は、製造ラインなど製造活動に直接関わっている従業員の人件費は「直接労務費」、生産管理など間接的に関わっている場合は「間接労務費」として区分されます。

研究開発部門に従事する従業員の人件費はどう区分されるでしょうか。研究開発部門の従業員の人件費は、「研究開発費」に集計されます。そして、会計ルール上、研究開発費は「販売費及び一般管理費」に含められます。

一人何役もこなしている従業員の人件費はどうなるでしょうか。極端な例ですが、製造業務、研究開発業務、あるいは本社部門にも従事している従業員を想定します。理論上は、それぞれの活動に従事した割合(時間などを基準)に応じて人件費を製造費用、販売費及び一般管理費(研究開発費含む)に配分することになります。基本的には製造活動に従事しているが、まれに研究開発活動も行うようなケース(研究開発活動の割合が僅少)では、実務上は全額を製造原価とすることもあります。


人件費を例に説明しましたが、例えば減価償却費といった他の費用も同様に、対象となる固定資産が製造業務、研究開発業務、販売業務、一般管理業務のどの業務に使用されているかによって、費用区分を判断することになります。

 

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