第15回 『リーダーシップの旅 見えないものを見る』ほか 

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内なる声を聞いて歩く全ての人の前に、リーダーシップの旅は開けている――。日本を代表するリーダーシップ論研究者2人の心を揺さぶるメッセージが詰まった一冊のほか、今回は、夏休みに気軽に読める本など計3冊を紹介する。1万冊読破を目標に掲げるグロービス経営大学院副研究科長・田久保善彦による「タクボ文庫」第15回。

先日、新国立美術館で開催されていた「アボリジニが生んだ天才画家 エミリー・ウングワレー展」に行ってきました。まず驚いたのは、この展覧会のチケット販売の方法です。現地に行って買うことや、コンビニで買うこともできるのですが、展覧会のサイトで、カード決済すると、自宅のプリンターでチケットを印刷することができるという方法がありました・・・。なんとも便利な世の中になったものです。

展覧会の内容ですが、アボリジニを代表する画家であると同時に、20世紀が生んだもっとも偉大な抽象画家の一人といわれるエミリーの抽象画はまさに圧巻。どんな感性を持っているとこんなものを描くことができるのか。本当に五感が研ぎ澄まされた人なのでしょう。

画集などは手に入りにくいようですが、カタログは通信販売で買うことができます。

今回は3冊の本をご紹介します。

『リーダーシップの旅 見えないものを見る』 野田智義、金井 壽宏・著 光文社・刊 2007年

リーダーシップに関する本は、山のように出版されています。そんな中で、私が最もページを折り、最も沢山の線を引きながら読んだ一冊がこの本です。この本には、野田氏、金井氏の強いメッセージが詰め込まれています。読みやすく書かれていますが、しっかり考えながら読み進めてください。簡単な本ではありません。私も何度も読み返しました。

リーダーとは何か?リーダーになるとはどういうことか?リーダーにはなぜ深い自己理解が必要とされるのか?人間力を高めるには?沢山のヒントが詰まった一冊です。

「リーダーはかくあるべき」といったタイプのリーダーシップ本に少し違和感を覚えている方、「リーダーになれといわれてもなぁ」と正直思ってしまう方、色々な悩みを抱えながらリーダーの道を進んでいる方、進もうとされている方、是非一度読んでみてください。

いつものように心に残ったフレーズを。この本はいきなりこんな話からはじまります。

最初から結論を言わせていただくと、リーダーシップとは私たち一人一人が自分の生き方、仰々しく言えば、生き様を問うことだ

そして、

リーダーは、リーダーになろうと思ってなったわけではなく、「結果として」リーダーに「なる」のだ

自分とは一体何なのか。何のために存在し、何を大切に思っているのかを深く自分に問いかけなくてはならない

リーダーシップは、実際にリーダーシップをとった人にしか教えられない。だから、「リーダーを育てるリーダー」の存在がないとリーダーシップの連鎖は生まれない

外からのものではなく、自分の内面から湧き上がるもの。心の奥底から踏み出したい、踏み出すんだ、後戻りせずに前へと歩き続けるんだという力が、行動を生み出し、支える

知行合一を実現する意志力は、だれかに教わることはできない。上司が与えてくれるわけではない。昇進やボーナスで動機付けられるものでもない。それは、自分自信との真摯な対話から生まれてくる。

人間力を磨く上で大切なことは、私なりの言葉で言うと、「人の営みに対しての理解と尊敬の念をもつこと」ではないだろうか

と、心を揺さぶられる言葉が続きます。そして最後に、

「内なる声を聞いて歩く全ての人の前に、リーダーシップの旅は開けている。」私は、自分にそう言い聞かせて生きていければと願っている

是非、この夏に!!

『世界を見る目が変わる50の事実』 ジェシカ・ウィリアムズ・著、酒井泰介・訳 草思社・刊 2005年

2冊目として、しばらく前にかなり話題になった本を取り上げてみます。ページをめくるたびに、「えっ?」と驚くような数字が沢山出てきて、色々なことを考えさせられる本です。数字が持つメッセージ性の強さを感じる一冊でもあります。2005年に翻訳が出た本なので、既に3年以上の時間が流れ、数字そのものは変化しているかもしれませんが、こんな国があるのか?こんな状況なのか?と感じざるを得ない部分が多くあるはずです。

普段あまり見聞きしない側面から、世界を考えてみたい方へ。本書に出てくる数字の例。

 日本女性の平均寿命は84歳。ボツワナの平均寿命は39歳
 世界では七人に一人が日々飢えている
 世界の人口の70%は電話を使ったことがない
 武力紛争による死者よりも自殺者の方が多い
 ロンドンの住民は、監視カメラで一日300回撮影される
 米国は国連に10億ドル以上の未払い金がある

『蝶々はなぜ菜の葉にとまるのか―日本人の暮らしと身近な植物』 稲垣栄洋・著、三上修・絵 草思社・刊 2006年

「えっ?」つながりで、夏休みということで、今回は気軽に読める本をもう一冊ご紹介します。私たち日本人の普段の生活に登場する様々な植物のルーツを探りながら、人間と植物の関係を描いた本。改めて、植物(自然)のたくましさ、偉大さを知り、昔の日本人がそれらをどのように生かしてきたのかということが良く分かります。ビジネス書を読むのにちょっと疲れたとき、手にとられてみてはいかがでしょう。三上さんという方が書かれた挿絵もとても印象的で素敵です。
● 門松というのに、なぜ竹をかざるのか
● 桃太郎はどうして桃からうまれたのか
● お寿司を守るさまざまな植物
● ブルージーンズはどうして青い

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