おカネの稼ぎ方と使い方はキャッシュ・フロー計算書にどう表れる? 

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会社のおカネの稼ぎ方と言えば、まず思い浮かぶのが製品を製造・販売したり、サービスを顧客に提供することです。損益計算書(P/L)では「売上高」になります。会社が売上によって得たおカネは、キャッシュ・フロー計算書(C/S)上は「営業キャッシュ・フロー」に計上します。

一方、最近の傾向としては、事業の選択と集中の観点から業績の悪い事業を売却したり、遊休資産や持合い株式の売却を進める会社も見られます。これは、おカネをもっと有効に活用せよという株主からのプレッシャーが強まったことも影響しています。このような資産の売却により得たおカネは、「投資キャッシュ・フロー」に表されます。

また、マイナス金利政策が導入されてから1年、会社の資金調達には追い風の環境であり、この機会に有利子負債を増やす会社も見られます。有利子負債の調達によって得たおカネは「財務キャッシュ・フロー」に計上されます。C/Sを見ると会社がどのようにおカネを得たかが分かります。

他方、得たおカネをどのように使うかですが、株主や投資家としては数ある投資先の中でその会社の事業の将来性や収益性を評価し、キャピタルゲインとインカムゲインを期待しておカネを投じるのですから、経営者としてはおカネを事業に対して投資して事業を成長させるべきでしょう。

事業に対する投資は、C/S上は2つに分かれます。まず、新製品の研究開発や人材投資などが挙げられます。会計ルールでは、これらは発生時に費用(売上原価や販売費及び一般管理費)として処理されるため、C/Sでは「営業キャッシュ・フロー」に反映されます。また、生産能力向上のための設備投資や企業買収(M&A)へ投資されたおカネは「投資キャッシュ・フロー」に計上されます。

しかし、事業の成長が鈍化し、成長ステージが成熟期や衰退期にある会社は、人間と同様にいつまでも食欲旺盛という訳にはいきません。事業の成長におカネを投じる機会が乏しくなってきます。その結果、過去に稼いだおカネを会社内に貯め込んでしまっているケースも多く見られます。

最近の傾向では、株主はこのような会社に対しては株主還元を要求します。おカネをため込んで使わないのであれば、配当や自己株買取りして株主へ還元を強めよ、ということです。配当や自己株式取得で支払われるおカネは、C/Sでは「財務キャッシュ・フロー」に計上します。最近、増配する会社や自己株式取得の増加の背景にはこのような会社の増加が背景にあります。

皆さんの会社が、どのようにおカネを稼ぎ、何におカネを使っているか、キャッシュ・フロー計算書でチェックしてみると面白いと思います。
 

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