【2017年への提言】テクノベート対応待ったなし、ミドルからの変革を!(君島朋子) 

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2017年はどのような年になるのか、どのような年にしたいのか――。グロービス/グロービス経営大学院のリーダー陣10人が、それぞれの視点から展望と提言を語る。(企画・構成: 水野博泰=GLOBIS知見録「読む」編集長)

2016年は「テクノベート」系の教材コンテンツ開発に明け暮れた。テクノベートとは、テクノロジーとイノベーションを組み合わせた造語であり、これから先5年くらいの経営戦略や社会動向の激変を凝縮している。

テクノベート関連の研究成果や変革事例は米国発が圧倒的に多い。とっくにやっているのだ。それらのリポートを読めば読むほど彼我の差は歴然だが、一方で「今ならまだ間に合う」という感触も得ている。この1年、そのことを発信し続けてきた。第1フェーズは完全に乗り遅れ。危機的な時間軸にある。

だが、日本企業の多くは反応が鈍い。米国から入ってくるテクノベート先進事例のほとんどはトップダウンによるものだ。組織文化を大胆に変え、トライアンドエラーを許容できる新しい組織を意図的に作っている。それこそ、日本企業が非常に不得手とするところであり、今すぐ、本気で取り組まなければ、本当にまずいことになると声を大にして言いたい。

例えば、シェアリング・エコノミーへの対応、クラウドサービスへのシステム移行、AI(人工知能)の導入。「うちでもやろう」ということで検討はされる。しかし、プランはなかなか実行されず、実行されても広がらず終わってしまう。理由は簡単だ。テクノベート系の新規事業は単独部門ではなく、部門横断の全社戦略として取り組まなければならないのだが、そうなった途端に、多くの日本企業は身動きできなくなってしまうのだ。事業環境の激変に対応することよりも、既存事業の温存や社内政治のほうを優先してしまう一部の日本企業の様子が透けて見える。

だが、私は諦めていない。トヨタ自動車はシリコンバレーにAI関連の研究開発拠点「Toyota Research Institute」を設置した。創業家出身のトップだからできた英断だという声もあるが、創業家出身でなければできないというものでは決してない。

そして、「トップが変わらないからダメなんだ」と言い続けていても何一つ、永遠に変わらないということを、私は、企業のミドルマネジャー層に強く伝えたい。いつまで待っているつもりなのか。上への不平を言いながら待っているうちに、会社は安々と傾いてしまう、と。

テクノベート変革を起こせるかどうかは、ミドルの気概と踏ん張りにかかっている。2017年は最後のチャンスになるかもしれない。
 

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