日本はココナッツ?桃?文化の違いを知るための3ステップ 

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日本はココナッツのようです。 

言葉や東京の地下鉄マップという暗号の殻を破ったりするのが難しいというだけではありません。もちろんそれも難しいですが、今私がここで話したいと思っていることは日本文化についてです。

基本的にそれぞれの国の文化は「ココナッツ文化」と「桃文化」に分類できます。部外者にとってココナッツ文化の殻を破るのは難しいです。とても硬い外殻があり、中に入るのは難しい、だけど一度殻を破ることができれば、中の果実を味わうことができ、またそのグループの一員になれます。

桃のような文化もあります。外は柔らかく、ふわふわしていて誰でも中に入りやすい。しかし、中心には大きく硬い種があり、そのせいで実のある深い関係が持ちにくくなってしまいます。

国際的なビジネスの場では桃とココナッツは話がかみ合わない場合があります。ビジネスメールなどの簡単な例について考えてみましょう。 

誰宛てに送るか、初めの挨拶には何を書けばいいか、伝えたいことを説明するためにはどのようなロジックを使えばいいか。全てが重要になってきます。日本で多く言われる縦社会型の企業文化では、誰宛に送り、誰をCCに含めるかなどがとても重要で、特に送信者と受信者の地位に大きな差がある場合はそれが決定的になりえます。 階級志向がより薄い文化で育った人にとって、これはとても難しい場合があります。 

ではこのココナッツの殻をどうしたら破ることができるのでしょうか。あるいは、桃文化の中で生活している場合、どのようにしてその種の中に入り込んでいけばよいのでしょうか。またより広い議論として、どのようにすれば異文化間で効率的な意思疎通ができるのでしょうか。 

こうした異文化に慣れるために必要なのが、以下の3つのステップです。
1. 自分自身の行動を理解するために自己分析する
2. 異文化社会のルールと自分の行動を照らし合わせ、その間の大きなギャップを特定する
3. そのギャップを埋めるために自分の行動を調節する 

具体的に解説していきましょう。

自分を知り、ギャップを特定する

人はそれぞれの文化、バックグラウンドを持ち、それが自らの行動への考え方や自分の常識、何がよい行動かという判断に意識的、無意識的な影響を与えています。ここ日本では単一文化という神話があります。しかし東京と大阪、地方と都市の違いというステレオタイプを適用する以前に、全ての人はそれぞれの個性を持っているのです。

国の文化も人々に影響を与えますが、それですべてが決まるわけではありません。自分の行動を説明するのに国の文化を使えないとしたら、他に何を使えばいいでしょうか。自分を見つめ、自分の役割は何かを知るための自己分析をし、各々の問題となりそうなビジネスでの行動を見つめていく必要があります。 

幸運にもこれをするためのフレームワークとツールが既に存在しています。これらを使い、ギャップを特定するために自己を評価し、新しい文化の特徴を分析することができます。 

INSEADビジネススクールのエリン・メイヤー教授の本、『The Culture Map』(日本語版は『異文化理解力』)と彼女が作成した「カルチャー・マップ」のオンラインツールに、国の文化を定義する要素がうまくまとめられています。具体的なビジネスのシチュエーションにおいて自分たちが他の文化とどれほど違う文化を持っているのかを知るために、この「カルチャー・マップ」を使うことができます。しかし、これも全て自分の中での気づきから始まります。文化の受容の仕方を知るためにはまず、自分がどこに位置するかを分かっていなければいけません。新しい文化の中で自分が直面している課題をはっきりさせるためには、まずメール、会議、交渉、その他の自分の周りの具体的な状況を理解しなければならないのです。

ギャップを埋めるために行動を調節する

ギャップを特定することができたら、新しい文化でより効率に働けるよう、自分の行動を調節していきましょう。キーワードとなるのは「調節」という言葉です。新しい文化を受容し、その中でより効率的に働くためであっても自分自身を完全に変える必要はありません。 

ここで重要なことは行動を変えることであり、自分自身を変えることではありません。ブランダイス大学の教授、アンディ・モリンスキーは『Global Dexterity』という本の中で、人がそれぞれに行動に対して「快適なゾーン」を 持っており、それに異文化のルールを含めるためにはどう調整したらよいかについて語っています。つまり、自分の本質的な部分を変えずとも、行動を変えることによって文化を受容することができるのです。

私自身の経験をご紹介しましょう。今秋、グロービス経営大学院では30名の生徒をフルタイムの英語MBAプログラムに迎え入れました。15か国の全く違う文化を持つ国から集まり、また様々なバックグランドを持つ生徒たちが、これからクラスで協力し合ったり、生産的に議論をしたり、チームとしての成果を出し続けていかなければなりません。そのため、私は前述した方法に則って、半日の異文化理解ワークショップを開催しました。異文化間のギャップを特定し、クラス内で独自の強力な文化をつくるために、自分たちの集団としての行動、個人としての行動に目を向けるように促したのです。

結果はとてもよいものでした。文化の違いについて以前より深い気づきを得られることができました。さらに自分の持つ文化が自身に与えている影響、将来問題となりそうなこと、そして日本でよりオープンに働いたり、生活をしたり、クラスでよりうまく協力し合ったりするためにどんな行動をすべきかについても考えることができました。

このようなグループが持つ多様な視点は、単一文化の下では手に入れることのできないイノベーションやクリエイティビティを創出します。多様性を取り入れるためにはまず、人々の壁となっているギャップを埋め、効率的に働くために行動を調節しなければなりません。そうすることで、私たちはココナッツや桃だけでは得られない、多文化な職場が生む果実を味わうことができるのです。
 

プレゼンの技術や異文化マネジメントについて英語で学びたい方はこちら>>

 

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